歌集「春雪花」
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72
淋しさは
叶わぬ恋の
涙雨
豪雨となりて
消えしものかな
淋しいと思うのは…この叶えようもない想いから来てる…。
心の中には涙雨がそぼ降り、それが絶え間無く続いている…。
だったら…いっそ豪雨になって淋しさをも押し流してしまえば、そのまま消えてしまうのではないのか…?
いや…そんなことはない…。彼への想いは…流れそのものだから…。
文月に
淋しさ届けし
露の空
待ちて苦しみ
さめざめと泣き
七月に入ったが、空は雨雲に覆われて淋しさだけがしとしとと降り続いている…。
こんな日は心が痛み、彼に会いたくて堪らなくなる…。
どれだけ待っても来るはずもない彼に…心は露空と同じように、さめざめと泣くしか出来ないのだ…。
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