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異世界系暗殺者

作者:沙羅双樹
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終業の時間・1学期(2016/03/30 一部修正)

 
前書き
五英傑に対するイッキの態度が超ゲスいですが、当作品は原作でE組と敵対したキャラに対して、主人公が基本的に容赦のない仕様となっています。

その点をご了承ください。(笑) 

 



【視点:樹】



期末テストの結果発表から2日後。椚ヶ丘中学本校舎では終業式が行われる。が、俺達E組には終業式より重要なイベントがある。

そう、A組との賭け勝負の戦利品を頂くっていう重要なイベントが。……おっ!そんな説明をしている間に敗戦組の大将――五英傑(笑)の生徒会長様が他の英傑(笑)を引き連れて終業式会場にやって来た。


「よう!負け犬の大将、待ってたぜ」
「………E組が何の様かな?僕達は式の準備で忙しいんだ」
「へぇ~。選ばれた者気取りの自称:英傑様は約束を反故する三流だったんだ?まぁ、所詮は自称:英傑だから仕方のないことか」


俺が軽く挑発すると、生徒会長様――浅野は歩みを止め、周囲に音が聞こえるくらい歯を食いしばると、俺の方を向いてきた。


「賭けを反故にするつもりはない。そっちの要求は何だ?」
「そうだな。俺達の要求は、この協定書に同意して貰うことだ」
「ッ!」
「全70項目に及ぶA組がE組に従属を誓う協定書。まぁ、生徒同士の私的自治に収まる範囲の遊びだろ?」


俺がそう告げながら、コピーしていた協定書を五英傑(笑)に渡すと、五英傑(笑)は浅野を除き全員が青褪めていた。


「――と言いたい所だけど、うちのクラスの奴らは優しくてな。敗者には慈悲を与えてやれって言うんだ。だから、お前らには選択肢をやるよ」


俺はそう言うと、有希子に持っていて貰ったパンフレットを受け取り、あるページを開いて五英傑(笑)に見せた。


「その協定書に同意するか、それとも沖縄離島リゾートで行われる特別夏期講習の権利を俺達に譲るか、敗者のお前らに選ばせてやるよ。
さぁ、選べ。自分からE組のパシリになるか、それとも俺らの慈悲に縋り付いてパシリ化を回避するか」
「「「「「ッ!!」」」」」


他の五英傑(笑)もそうだが、特に浅野は分かり易いくらい顔を歪めている。もう血涙がでそうなレベルだ。余程屈辱的なんだろう。まぁ、こっちは普段から馬鹿にされてるんだから、本校舎の生徒のプライドを考慮してやる必要なんて全くないんだけどな。


「―――の権利を譲る」
「あぁ?何だって?もっと大きな声で言ってくれ」
「特別夏期講習の権利を君達に譲ると言ったんだッ!」
「……おいおい。敗者の癖に何で上から目線の言い方なんだよ?敗者には敗者らしい言い方があるだろ?ああ、今まで人を散々見下してきたから、お願いの仕方ってのを知らないのか?なら教えてやるから、俺が言った言葉を復唱しろ。
『敗戦者の私達が言える立場ではありませんが、どうか特別夏期講習の権利をお譲りすることで、協定書への同意だけはお許しいただけないでしょうか?お願いします』
……本当なら土下座させながら言わせるところだが、既に他の生徒も集まりつつあるこの状況で、生徒会役員が土下座とか情けないにも程があるだろ。だから、土下座は勘弁してやる。けど、頭を下げながら言え。誠心誠意、心を込めてな」
「ッ!………は、敗戦者の私達が、………言える立場ではありませんが、………ど、どうか特別夏期講習の権利をお譲りすることで、……き、協定書への同意だけは………、お許しいただけないでしょうか?…………お願いします」
「「「「お願いします」」」」
「………ふむ。口内と掌から血を流すほど屈辱的か?まぁ、ギリギリ合格にしてやる。………もし、次に賭け勝負をする機会があったら、項目を更に追加した協定書に問答無用で同意させるから、そのつもりでいろ」


俺は五英傑(笑)にそう告げると、E組の皆と一緒に集会や式でE組が並ぶ場所へと早々に移動した。そして、ついに始まる終業式。

毎月行われる全校集会と同じくE組弄りが校長の口から発せられていたが、今回はそれも受けが悪かった。まぁ、当然と言えば当然だ。主要五教科の1位と総合1位をE組が独占していたんだからな。

ここで校長の発言に同調し笑い声を上げても、負け犬の遠吠えでしかないということぐらいは本校舎組も理解しているのだろう。

終業式が終わった後、E組校舎に戻った俺達を待っているのは1学期最後のHR。このHRで俺達は修学旅行の時を凌駕した過剰しおりを殺センセーに渡される。


「………殺センセー、これはもうしおりという名のアコーディオンだろ」
「何を言うんです、イッキ君。これでも足りないくらいです」
「ってか、俺と有希子のしおりだけ、他の皆より若干厚くないか?」
「それは御二人が恋人同士だからですよ。夏の誘惑は枚挙に暇がありません。恋人同士となれば猶更です」
「やめろよ、そういう言い方!健全な付き合いしてるのに、勘違いされるだろ!!」


俺が殺センセーの発言に反論すると、クラスの皆――特にカルマと中村がニヤニヤし始めた。有希子は有希子で顔を赤らめて俯いてるし。


「まぁ、それはさて置き。夏休みに入ると中盤には特別夏期講習がありますね。先程、磯貝君と片岡さんから聞きましたが、触手を破壊する権利をこの離島の合宿中に行使したいとか。
触手13本の超ハンデだけでは満足せず、周囲を先生の苦手な水で囲われた離島も利用し、貪欲なまでに命を狙う。君達は侮れない生徒に成長しました。
これは親御さんに渡す通知表の別に標的(センセー)から暗殺者(あなたたち)への個人的な通知表です」


殺センセーはそう言い終えると、教室一杯に二重丸の書かれた紙がばら撒かれた。まぁ、3ヵ月間の成果に評価を貰えるというのは嬉しいけどな。取り敢えず、こんな感じで暗殺教室、基礎の一学期が終業した。


 
 

 
後書き
次話のアンケートを取りたいと思います。以下のものでどの話が読みたいですか?

①A・Tの時間・3時間目
②宿題の時間(神崎さんとの宿題デート話)
③デートの時間(神崎さんとの普通のデート話)


※上記のアンケートは7/2午前0時で終了とさせて頂いております。

 
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