FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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火竜vs.炎神
シリルside
「うおおおおおおおっ!!」
ナツさんが鉄拳でザンクロウを連打しようとしてるけど、その全てをザンクロウは弾いている。
「ウヒィ」
「うおっ!!」
ナツさんの攻撃を全て避け、逆に顔面にパンチを入れやがった。かなりこいつ強い!
「隙だらけだってよぉ!!」
「くっ!」
ナツさんはすぐに体勢を立て直して着地した。
「竜狩りの力はこんなもんかよ」
ザンクロウはそう言う。こうなったら俺も参戦するか!!
「ナツさん!!俺も」
ズキッ
「うっ!」
俺もナツさんと戦おうと思ったのだが、最初のライオンとカラスとのダメージで膝をついてしまった。やべぇ、ケガ治すの忘れてた。
「下がってろよシリル。こいつは俺一人でやるから」
「す・・・すみません・・・」
「シリル!!こっち!!」
俺はウェンディに引っ張られて二人から離れる。なんか情けねぇ・・・
「それにしても、ナツの炎が効かないなんて、一体何者!?」
「滅神魔導士と言っていたが、アースランドにはこんな奴がいるのか」
シャルルとリリーがザンクロウを見てそう言う。確かに、滅神魔導士なんて初めて聞いたぞ。
「そういや、名乗るの忘れてたってよ!俺っちは悪魔の心臓七眷属が一人、滅神魔導士のザンクロウ」
「妖精の尻尾のナツ。滅竜魔導士だ」
ザンクロウが名乗ったため、ナツさんも同じように返す。
「ウハッ!!知ってるって!!お前の暴れっぷりは、バラム同盟内じゃ有名だからな!!」
「何!?」
ナツさん・・・今更驚くことじゃないと思いますよ?
ちなみに、リリーはバラム同盟のことを知らなかったようなので、ウェンディたちが説明してくれる。
「呪歌を破壊し、デリオラの入手も邪魔し、Rシステムもニルヴァーナもぜーんぶこの世から葬りさりやがった。ジェラールだろ?マスターゼロだろ?取るに足らねぇ奴を倒して、粋になってるって」
「んだと!!」
ザンクロウはナツさんを挑発するようにそう言う。ナツさんも熱くなってるけど、その方がナツさんは力を発揮するからよしとしよう。
「竜狩りごときが調子こくなってぇの」
「何が滅神魔導士だ!!」
ナツさんは炎を拳に集めてザンクロウに殴りかかる。
「神様に教えてもらったってか!?」
ザンクロウはナツさんの攻撃を交わし、二人は共に蹴りを打ち合うが、双方ともそれを受け止める。
「マスターハデスを、あるいは神と呼べるなら、これは“神”から授かりし失われた魔法」
「なーんだ、人間に教えてもらったんじゃねぇか。こっちは本物のドラゴンに教えてもらったんだ!!滅竜魔法!!」
そう言ったナツさんの体は炎を纏う。
「ドラゴンってあれだろ?空飛ぶとかげ。つーことは、これも身内ってことか?」
ザンクロウはそういって紺色の大きなとかげを掴んで見せてくる。
「イグニールはとかげじゃねぇ!!」
「そうですよ!!グランディーネだってとかげじゃない!!」
「ヴァッサボーネだってとかげじゃねぇぞ!!」
「ウェンディ!!」
「シリルも落ち着いて~!!」
ザンクロウの言い分に俺たちはそう怒る。ヴァッサボーネたちはとかげじゃねぇよ!!竜だよ竜!!
「お前らは黙ってろって。さっさとこいつ片付けて、すぐに相手してやっからよぉ。ウヒヒヒヒヒ」
そう言ったザンクロウは黒い炎を体に纏っていく。
「ひぇぇぇ・・・」
「目が本気だ・・・」
「ウェンディはやらせないわよ!!」
「僕だってウェンディを守るぞ~!!」
「いや、ナツさんの応援しろよ!!」
ウェンディとハッピーはザンクロウの目に怯えてるし、リリーも戦闘体勢に入ろうとするし、シャルルとセシリーはウェンディを守ろうとしてるし、ナツさんが負けるわけないからな!!
「お前!!よそ見こいてんじゃねぇよ!!」
俺たちを睨むザンクロウにナツさんが上から飛び蹴りを入れる。
「うおっ!!」
しかし、ナツさんの攻撃は簡単に跳ね返されてしまう。ナツさんは近くの岩を掴んで体勢を整え、
「みんな!!ここから離れてろ!!」
ナツさんは魔力を高めていく。
「大技来いってよ!」
ザンクロウはナツさんの魔法に対抗しようとしているみたいだ。
「右手の炎と左手の炎を合わせて・・・」
「西の果てから東の果てを焼き尽くせ、神の息吹」
俺とウェンディはハッピーたちを抱えてその場から離れる。
「火竜の・・・」
「炎神の・・・」
「煌炎!!」
「カグツチ!!」
二人の両手から放たれた炎がぶつかり合う。
「「「「「「「うわあああああああ!!」」」」」」
俺たちは上空に逃げていたのだが、二人の魔法の威力に爆風がここまで来ている。
「なんて威力だ!」
「凄まじい熱気!」
「竜と神の力の」
「ぶつかり合い!?」
俺たちは二人の戦いを見てそう言う。
「うおおおおおお!!」
「ウヒヒヒヒヒ」
ナツさんはかなり目一杯力を入れているように見えるのに、ザンクロウは余裕な顔で笑っている。
「うわあっ!!」
「「ナツさん!!」」
ぶつかり合った二人の魔法の力は、ザンクロウの方が上回っていた。
ナツさんは押し負けてしまい、後方へと飛ばされる。
「そんな!?」
「ナツが押し負けた!?」
「嘘でしょ~!?」
シャルルたちが驚いていると、ザンクロウがこちらに視線を向けてくる。
「やかましいってよ!ネコども!!」
ザンクロウは腕を振るって黒い炎を操り、俺たちを襲おうとしてくる。
「させるか!!水竜の盾!!」
俺が水の盾でその炎を防ごうとしたが、
「「「「「「うわあああああああ!!」」」」」」
水の盾が簡単に打ち砕かれ、俺たちを黒い炎が飲み込み、地面へと落ちてしまう。
「ウハハハハハハハハハ!!ネコだけじゃなかったな!!もう二匹、竜狩りがいたっけな!!ウハハハハハハハハハ!!」
「ウェンディ・・・しっかり・・・」
ザンクロウの攻撃のせいで、ウェンディが完全に意識を失ってしまってる。
「ウェンディ!!今治してやるから」
俺は水天竜モードになり、ウェンディのケガを治療する。
「このヤロウ・・・」
その間に、ナツさんは立ち上がってザンクロウを見据える。
「火竜の・・・咆哮!!」
ナツさんは炎を吐き出してザンクロウを攻撃する。しかし、ザンクロウの表情は笑っていた。
「知ってるか?人間に火という知性を与えたのは神だってよぉ。火を生んだのは人でも、竜でもねぇ、神だ!!」
そう言ったザンクロウはナツさんの炎を吸い込み始めた。え!?
「そりゃ・・・ねぇって」
「なんてこと・・・」
「ナツさんの炎を・・・食べちゃった・・・」
「ナツさんは・・・ザンクロウの炎を食えないのに・・・」
ナツさんとシャルル、ウェンディと俺、はザンクロウがナツさんの炎を食べているのに驚愕する。ナツさんは炎を食えないのに、ザンクロウは食うことができるのかよ・・・
「うめぇ炎だな。荒々しくて決して燃え尽きることのねぇ炎。だが、竜を殺せる力はあっても、神は殺せない」
「っ!!」
ザンクロウはそういってブレスの体勢に入る。
「これが悪魔の心臓の魔法だ!!炎神の・・・怒号!!」
「くっ!うおっ!!」
ザンクロウの口から吐き出された黒い炎は、ナツさんを軽々と飲み込み、
「「「「「「うわあああああああ!!」」」」」」
近くにいた俺たちさえを吹き飛ばしてしまう。
俺たちはそれによって、崖の下へと落ちていく。
「うわっ・・・」
一番まともに受けてしまったナツさんが、頭から落ちていくのが見える。
「ナツ・・・ナツーー!!」
俺たちは体が動かずに、落ちていくナツさんを見ることしかできなかった。
それと同時に、俺たちも下の森へと落ちていった。
「いてててて・・・」
「いたいよ~・・・」
「くそっ・・・魔力さえ残っていれば・・・」
「ううっ・・・」
「なんなのよもう・・・」
「なんつう威力なんだ・・・」
俺たちは森の中へと落ちたのだが、木がクッションになってくれたおかげて助かったみたいだ・・・俺は起き上がって周りを見る。
「ここは・・・どこだ?」
「わかんない・・・けど、ナツさんとははぐれちゃったみたい」
俺の問いにウェンディが腕を押さえながら答える。
「とりあえず、ナツを探さない?」
「だな。俺たちだけでいては、敵と遭遇したときに厄介だ」
「頼みのリリーは変身できないし、シリルも最初のライオンたちとの戦いで消耗してるからね~」
シャルル、リリー、セシリーがそう言う。確かにそうだな。大分魔力も回復してきたけど、万全とは言える状態じゃない。それに、ナツさんが苦戦する相手・・・それも、あと6人もいるんだ。
俺たちだけでいてはダメだな。
「よし!!じゃあナツさんを探すぞ!!」
「あいさー!!」
俺たちはそういって、ナツさんを探すために歩き出した。
「こっちから、ナツさんの匂いがする!」
「あのザンクロウって奴の匂いも混ざってるな」
俺とウェンディはナツさんの匂いを頼りに森の中を歩いている。ザンクロウの匂いもするってことは、もしかして二人は対戦中か?ナツさん・・・大丈夫かな?
「クンクン・・・あれ?」
「どうしたの~?シリル~」
俺は匂いを嗅いでいると、もう一人、ナツさんとザンクロウ以外の匂いも混ざってくる。この匂いって・・・
「マスター!?」
「え!?クンクン・・・本当だ!!かすかにだけど、マスターの匂いもする!!」
ナツさんとザンクロウの匂いにマスターの匂いも混じってる。もしかして、三人は同じ場所にいるんじゃないのか?
「近いぞ!!」
「うん!!みんな、急ごう!!」
「あい!!」
「わかったわ」
「了解~!!」
「いくぞ!!」
俺たちは三人の匂いのする方へと急ぐ。ナツさん・・・ザンクロウって奴を、絶対倒してくださいよ。
しばらく歩くと、俺たちはナツさんとマスター、それに、悪魔の心臓のザンクロウを発見した。だが、三人とも倒れ、意識がないように見える。
「ナツー!!」
「ナツさん!!」
「マスター!!」
「大丈夫ですか!?」
俺たちはナツさんとマスターの方へと駆けていく。二人を抱き起こすと、ナツさんもマスターもひどいケガをしているのがわかる。
「ひどいキズ・・・」
「早く治癒の魔法を」
ウェンディと俺はマスターとナツさんを隣同士になるように寝かせ、治癒の魔法を開始する。
だけど・・・
「ハァー・・・ハァー・・・ハァー・・・」
「大丈夫か?ウェンディ」
辛そうに呼吸をしているウェンディにリリーが問いかける。
「私は平気・・・だけど、二人ともなんで、治癒の魔法が効かないの?」
「俺とウェンディ・・・二人で治癒魔法かけてるのに・・・全然回復する感じがないんだけど・・・」
俺もウェンディも魔力を全開で二人を治そうとしてるんだけど・・・一体なんで治らないんだ?
「マスターの方は、キズが深すぎるみたいね。このケガじゃ、いくら天空魔法でも・・・」
「でも、ナツくんはなんで治せないの~?」
「わからない・・・何かが、治癒の邪魔をしてるとしか・・・」
シャルルは暗い声でそう答える。このままだと、二人とも・・・
「ナツ・・・マスター・・・」
ハッピーは二人を心配し、涙を流している。
「シリル・・・それに、ウェンディか・・・」
「「!!」」
俺たちがどうしようもなくなっていると、マスターが目を覚ます。
「マスター!!」
「起きたんですね!!」
ウェンディと俺はマスターの顔を覗く。
「ワシらを・・・見つけて・・・くれたのか?」
「はい!!」
「マスター、無理しないでください」
マスターはかすかすの声で俺たちにそう言う。あんまりしゃべると、体力が・・・
「ワシは・・・いい・・・うっ!・・・ナツを・・・頼む」
「ダメです!!絶対、絶対私たちがなんとかします!!」
「二人は絶対、俺たちが治しますから!!」
ウェンディの目には、大粒の涙が溜まっていた。俺は泣かないように、懸命に堪える。
「ナツの・・・マフラーを・・・」
「え?」
「マフラー?」
マスターは真剣な顔で言葉を紡ぐ。
「元に・・・戻せるかね?」
「マフラー・・・ですか?」
「なんでです?」
ナツさんのマフラーを治すと、何か起きるのか?
「そのマフラーに染み付いている邪気が・・・ナツの治癒を邪魔しておるのじゃ・・・」
マスターの説明で、俺たちは納得する。ナツさんの治癒を邪魔してたのは、マフラーだったのか。
「わかりました!!」
「やってみます!!」
俺とウェンディはナツさんのマフラーに治癒の魔法をかける。
「そもそも、なんでナツのマフラーが黒くなったの?」
「さっき話した、黒髪の不気味な奴にやられたんだ」
「実はね~・・・その黒髪の男が・・・」
「まさか・・・悪魔の心臓の探している・・・ゼレフなのか!?」
セシリーはコクンッとリリーの言葉にうなずく。
ゼレフ・・・一体、なんでこの島にゼレフ・・・
第三者side
その頃、天狼島に降り立ったこの男は、辺りを見回していた。
「あっちだとミラジェーンがアズマに負けて、こっちだとエルフマンがラスティローズに負けたか。七眷属に負けるようじゃあ、大したことねぇな、妖精も」
カミューニは水色に変わっている瞳を使い、戦況を眺めている。
「しかし、ザンクロウがナツに負けるとぁな。まぁいい。先に火竜をぶっとばして、その後にあいつの魔法を手に入れればそれで・・・」
カミューニは瞳の色を黒く戻し、自分の探し求める者への道を歩き始めた。
しばらくすると・・・シリルside
「終わりました!!」
「これで大丈夫なはず」
俺とウェンディはナツさんのマフラーを元に戻し、治癒の魔法をかけた。マスターの言った通り、ナツさんのマフラーを元通りにしたら、簡単に治癒をすることができた。よかった~!
「あれ?なんかナツさんの服がいつもと違うような・・・」
マフラーが黒かった時は気づかなかったけど、ナツさんの服が白くなってる・・・いつもは黒かったような・・・
「あい!マフラーが黒くなったから、上着をひっくり返してたんだよ」
「まさか・・・コーディネートに気を使ってたのか!?」
「らしいよ~」
「い・・・意外ね・・・」
ハッピーとセシリーからナツさんがファッションに気を使ってたことを聞いたリリーとシャルルは驚いていた。
「じゃあ、マフラーも元に戻ったから、表に返していいよね」
「あい!!」
俺たちはナツさんの服を脱がし、表に返して着せる。うん・・・やっぱりこの方がしっくりくるな。
「シリル、魔力は大丈夫?」
ウェンディが心配そうに質問してくる。さっきまでのナツさんの戦いの間に回復したし、ウェンディにケガも治してもらったから万全だな。
「もちろん!!ウェンディは?」
「私も平気。私たちしかみんなを治せる人がいないから、気を付けようね」
「だね」
俺とウェンディは視線を合わせてうなずく。俺たちが魔力切れを起こしたら、誰も治癒できる人がいなくなる。気を付けないと。
「いっててて・・・はっ!!」
俺たちが話していると、気を失っていたナツさんが目を覚まし、上体を起こす。
「ナツさん!!」
「ナツー!!」
「ナツくん!!」
「やっと起きた!!」
俺たちは目覚めたナツさんを見て喜ぶ。本当によかった。
「じっちゃんは?」
「ここにいる」
ナツさんは俺たちに向けていた視線を横たわったいるマスターに移す。ハッピーはナツさんが起きたことがよほど嬉しかったのか、膝に頬つけてスリスリしていた。
「大丈夫なのか!?」
「まだなんとも言えない状態よ」
シャルルにそう言われたナツさんは、真面目な顔でマスターを見ている。すると、そこで自分のマフラーが元通りになっていることに気づく。
「あれ?マフラー・・・」
「ウェンディとシリルが元に戻してくれたんだ!!ついでに服も元に戻しておいたよ!!」
「ありがとな、ウェンディ、シリル」
「いえ」
「無事で何よりです」
ウェンディと俺はナツさんにそう返す。するとナツさんが・・・
「ん?」
「ど・・・どうしたんですか?」
「ナツさん?」
ナツさんがウェンディを見て固まる。そして、
「クンクン、クンクン」
ウェンディの匂いを嗅ぎ出した。
「あ・・・あの・・・」
「何やってるんですか!?」
「レディの匂いを嗅ぐんじゃないわよ!!この変態!!」
「女の子の匂いに発情するなんて~!!ナツくんのけだもの!!」
ナツさんはシャルルとセシリーに罵声を浴びせられる。そこまで言うか?いや、確かに変態のような気もするけど・・・
「この匂い!!」
「ひっ!!」
ナツさんはいきなり立ち上がって大声を出す。ウェンディがびっくりしてるじゃないですか!!
「ナツ、匂いって?」
「覚えてるぞ。なんであいつがここに?」
ん?なんか匂うか?
「誰のことだ?」
「ウェンディ、シリル、あんたたち、何か分かる?」
「え?」
「いや・・・」
シャルルに質問されるけど・・・ナツさんが何の匂いを感じ取ったかわかんないから、誰のことかもわからないんだよなぁ。
「わかんない・・・私はみんなの匂いが散漫してて、場所の特定ができない」
「シリルは~?」
「俺もウェンディと一緒かな・・・」
「ねぇナツ?誰の匂いを感じたの?」
辺りをキョロキョロ見回し、匂いの位置を探っているナツさんにハッピーが聞く。
「ガルナ島であったあいつだ」
「ガルナ島?」
俺とウェンディは何のことかわからずに顔を見合わせる。
「近ぇぞ!!」
そういうとナツさんはどこかに向かって走り出す。
「ナツーー!!」
「どこ行くんですか!?」
「ナツさん!!」
俺たちは名前を呼んだけど、ナツさんは振り向きもせず走り去ってしまう。一体何がどうしたって言うんだよ。
「ああ、もう行っちゃった」
「ガルナ島って・・・誰のこと?」
「カクカクシカジカで結構苦戦した相手だったんだよ」
ハッピー・・・それじゃあいくらなんでもわからな・・・
「失われた魔法・・・」
「通じたの!?」
ウェンディはハッピーのあんな質問で理解してしまったようだ!!これがご都合主義と言うやつか!!
「失われた魔法って・・・なんだっけ~?」
「確か、ザンクロウってのもそんなこと言ってたわよね?」
「しかし、よくにおいなんて覚えてるものだな。獣じみてる」
確かに・・・ナツさんって本当に獣と変わんないんじゃないかな?
「オイラ、ナツを追いかけてくるよ!!」
「俺たちはここで待ってるから、早く戻って来てね」
「あいさー!!」
ハッピーはそういってナツさんのあとを追いかけていく。俺たちは、二人の帰りを待つとしよ―――
ビュンッ
「危ない!!水竜の盾!!」
ドガガンッ
突然何かが俺たちの方へと飛んできたので、俺は水の盾を慌てて出してそれを防ぐ。
「何!?」
「敵!?」
シャルルとウェンディがそういって攻撃の飛んできた方を見る。
「誰だ!!」
「どこにいるの~!?」
『いい反応じゃナァイ!!水竜』
そういって俺たちの前に現れたのは、左手の甲に悪魔の心臓のギルドマークを入れた、赤い髪の男だった。
(予知で見た、赤髪の男!?)
その男を見たシャルルの顔は、氷付いたかのように真っ青になっていた。
後書き
いかがだったでしょうか。
次はやっとカミューニが参戦します。長かった・・・
次回もよろしくお願いします。
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