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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1010話

 オーストラリアの基地でのエザリアの交渉が終わって早速アンバール基地に対しての奇襲を仕掛けるという事になり、俺はその場で再びニーズヘッグを空間倉庫から取り出してシステムXNで国連の印度洋方面総軍第1軍のコロンボ基地へとやってきていた。
 印度洋方面総軍という名前通り、第1軍の担当区域はインド沿岸部となっている。
 何故同じ印度洋方面総軍でも、恭順派や難民解放戦線の奴等に占拠されたアンバール基地から近いペルシャ湾岸部を担当している第2軍や紅海沿岸部担当の第3軍ではなく、大きく離れた場所にある第1軍の基地に来たのかといえば話は簡単だ。何しろ、ニーズヘッグがある以上、距離というのは意味がないのだから。
 もっとも、さすがにシステムXNでアンバール基地に転移すれば一発で見つかるのは確実――光の繭のような転移フィールドは派手過ぎる――だが、それに関してはアンバール基地から少し離れた場所までシステムXNで転移し、その後は俺の影のゲートを使って転移すればいいだけの話だ。

「アクセル代表、よく来てくれました。今回は私共の作戦に協力して貰えるとの事で、大変助かります」

 コロンボ基地に転移してきた俺を出迎えたのは、中将の階級を付けた男。この地方の出身らしく、日に焼けた顔つきをしている。
 それでいてそれなりに軍人の迫力を出しているのを見れば、ある程度の実戦経験もあるのだろう。
 他にも10人くらいの軍人を引き連れているが、存在感は中将が圧倒的だ。
 正直、階級が上になればそれだけ現場を知らないエリートがいるものだと思っていたのだが、このマブラヴ世界は違う。……いや、BETAと接している国々では違うというべきか。
 アメリカ辺りでは現場を知らない人間がそのまま上に立つという事も珍しくないし、同じくBETAに対して接している筈のソ連軍もその傾向はある。
 だが、それ以外の国……欧州連合軍、アフリカ連合軍、中東連合軍といった国々は完全とは言わないが、実力主義だ。
 ……大東亜連合は、某国以外はそれなりに、といった感じか。何でも某国はプロミネンス計画担当者が資金を中抜きしているのが発覚して処罰されたとかいうニュースがこの前流れていたしな。
 大東亜連合を結成している国も、何だってそんな大事な人事を某国の人間に任せたのやら。
 まぁ、その辺に関しては大東亜連合内の問題であって、俺には関係ない……というか、関わり合いたくないというのが正確なところか。
 ともあれ、俺の前にいる第1軍の司令官と思しき男は実力のありそうな男だというのは事実だった。
 これから共にアンバール基地の解放作戦に挑むんだから、有能な人物であればそれだけこっちも楽を出来るってものだ。

「申し遅れました、私は国連軍印度洋方面総軍第1軍の司令をしているフライグ・ボウ中将と申します」

 ……外見の割に、妙に丁寧な態度だな。これがこのボウという男の普段からの態度なのか、あるいは俺がシャドウミラーの代表だからか。
 まぁ、付き合い自体はそれ程長くなる訳じゃないんだし、どっちでもいいんだけどな。
 ニーズヘッグを空間倉庫へと収納してから、俺もまた口を開く。
 目の前でいきなりニーズヘッグが消えたのに驚きの声を出している者もいたが、既にそれは慣れた光景なので、特に気にしない。

「シャドウミラー代表のアクセル・アルマーだ。今回の件で協力する事になったのは、さっきフライグ中将が言っていたな。ただ連絡がいっていると思うが、俺が協力するというのはあくまでも転移だ。システムXNでアンバール基地の近くまで転移し、そこからは俺の魔法で基地の内部に直接送り込む」
「はい、その辺に関しては既に連絡が来ています。シャドウミラーの戦力を使えないのは多少残念ですが、こちらの戦力をメインに事態を解決出来るというのは助かります」
「そう言って貰えると助かる。で、出撃する部隊の準備は?」
「既に」

 へぇ。随分と行動が早い。……いや、そもそもBETAの支配地域のすぐ近くにある基地だ。出撃するのに時間が掛かっているようだと目も当てられない事態になる、か。
 この辺、以前夕呼が白陵基地にあると言っていた気の緩みとは全く違うんだろうな。
 ……まぁ、ハイヴを幾つも落としているここ最近の事を考えると、既に前線を押し上げて最前線は重慶ハイヴとか鉄原ハイヴ辺りになってるからな。気持ちは分からなくもない。

「じゃあ、早速案内してくれ。すぐに出るぞ。この基地としても、アンバール基地をテロリスト共に占領されたままにはしておきたくないんだろ?」

 その問い掛けにボウは頷き、近くにいる部下を呼び寄せる。

「中佐。アクセル代表に挨拶を」
「は! オンズ・チェント中佐であります。この度のアンバール基地解放作戦の指揮を執る事になりました。よろしくお願いします!」

 ビシリと敬礼をしてくるチェントに、俺もまた敬礼を返す。

「では、早速突入部隊が待機している場所へと案内させて貰います」

 そう告げて去って行くチェントの後に、ついていくのだった。





「へぇ」

 案内された基地の一角には、確かに既に戦力が集まっていた。
 その数は300人近いだろう。全員が既に武装し、いつでも出撃可能な状態だ。
 また、格納庫を占拠されたという事への対処用にだろう。戦術機も1個大隊、36機用意されている。
 しかもF-15Eで統一されているというおまけ付き。
 第2世代機ではあるが、その中でも高性能を誇るF-15Eで機種を統一しているという事は、恐らくこのコロンボ基地の中でも精鋭の戦術機部隊なのだろう。
 そんな突入部隊の前に立ち、チェントは大声で叫ぶ。

「聞け! これからアンバール基地解放作戦を行う。既に前もって連絡してあったが、今回の作戦にはシャドウミラー代表のアクセル・アルマー殿が協力してくれる事になった!」

 その言葉に、軍人達は小さくざわめきながら俺の方へと視線を向けてくる。
 それでも大騒ぎにならずにざわめきだけで済んでいる辺り、やはり精鋭を揃えている証拠なんだろう。
 チェントに促されるようにして、1歩前に出て口を開く。

「アクセル・アルマーだ。シャドウミラーの代表をしている。今回俺がやるのは、お前達をアンバール基地の近くまで転移させ、その後直接基地の中まで転移させる事だ」

 そう告げると、軍人達の中でも一番前にいた20代程の軍人が口を開く。

「何故直接アンバール基地に転移するのではなく、一旦基地の外に転移するのでしょうか?」
「転移とは言っているものの、その2つの転移は違う転移だからな。アンバール基地の近くにまで転移するのは、俺の機体に組み込まれている転移装置だ。長距離を転移するのならこの転移装置が最も効率的なんだが、この転移装置は光の繭のような転移フィールドを展開しなければならない分、非常に目立つ。それに比べてもう1つの転移方法は距離自体はそれ程稼げないが、転移するのに殆ど目立つことはない」
「そのもう1つの転移というのも、転移装置なのですか?」

 なるほど、そこに目を付けるか。目敏いな。
 軍人の言葉に首を横に振る。

「もう1つの転移は魔法だ」

 魔法。その言葉に軍人達がざわめく。
 だが、俺はそれを無視して言葉を続ける。

「知ってる者がどれだけいるのかは分からないが、魔法というのは実在している。俺達がこの世界に対して関係を持ったように、魔法のある世界とも交流があるからな。そこで得た魔法で転移する」
「……それは、自分達も魔法を習えば使えるようになる、という事でしょうか?」

 これもまた、先程と同じ人物。随分と鋭いな。まぁ、俺達が魔法を使うというのは色々と有名だ。前々からその辺に興味を持っていて、この機会に聞いておこうというところなのだろう。

「そうだな。基本的には誰でも一定の魔法を習得する事は可能だ。だが運動然り、勉強然り、戦術機のパイロット然り。何にでも個人の才能というのはある通り、一定以上に関しては才能がものを言うようになるな」
「では……」
「少尉、そこまでだ」

 更にまだ何か聞きたそうだった軍人……少尉へと、チェントが遮るように告げる。

「貴様が魔法に関して興味があるのは知っているが、今必要なのは何だ? アンバール基地の解放作戦だというのを忘れるな。貴様の好奇心を満足させるのは構わないが、それは全て終わってからにしろ」
「すいません」

 敬礼をしながら謝罪してくる少尉。
 そんな少尉を見て、チェントが申し訳なさそうに頭を下げてくる。

「申し訳ありません、アクセル代表。こいつは、腕の立つ軍人ではあるんですが、どうしても好奇心が強くて」
「構わない。好奇心の強さというのは、色々な意味で大事な要素だしな」

 特に技術班にいる奴らは、殆どが好奇心の塊みたいな奴らだ。そういう奴らだからこそ、高い技術力を誇るシャドウミラーの技術班としてやっていけているのだろう。
 逆に考えれば、その好奇心がなければシャドウミラーの技術班としてはやっていけない事になる。
 それを考えれば、この少尉は寧ろ軍人よりも科学者や技術者に向いているのかもしれないな。
 そんな風に考えている間にも、今回の作戦に対する説明や質疑応答は続いていく。
 俺の場合は今回協力すると言っても、あくまでも転移のみの協力だ。それだけに特に意見を求められる事はなく……何て風にはならず。

「アクセル代表は恭順派と戦ったと聞いていますが、その時の奴等の武器や練度はどのようなものでしたか?」
「格納庫を確保しているという話ですが、向こうの技量はどのようなものでしょう?」
「人数的にはどのくらいであるか分かりませんか?」
「BETAを挑発して引き寄せるといった事をしたと聞いていますが、その対象はマシュハドハイヴだけでしょうか? 多少遠くても他のハイヴにも行動を起こしているという可能性は……」
「転移というのは、行われた直後にこちらから銃撃をして敵にダメージを当てる事は可能でしょうか?」
「テロリスト達の使っている武器の種類は?」
「人種の方も出来ればお願いします。白人、黒人、黄色人種等々。そこでどの勢力がどれだけ協力してるのが分かりますから」

 そんな風に、様々な質問を向けられる。
 その質問に答える事、約30分程。ようやく質問が一段落し、詳しい作戦の話へと移る。
 もっとも、作戦自体はそれ程複雑ではない。まず最初に管制室や基地の司令が人質にとられているだろう場所を解放していく。
 ……正直、アンバール基地の軍人で捕らえられた者は何か理由がない限りは殺されてそうな気もするが。
 そもそも、テロリストと呼称してはいるが、普通のテロリストのように何らかの要求がある訳でもない。……いや、難民解放戦線の方はあるのか? ただ、より勢力の強い恭順派にしてみれば、ぶっちゃけBETAに殺されろとか言いたいんだろうが、それが通じる筈もない。
 なら、単純にアンバール基地にいる戦力を減らせばそれだけ人類がBETAに対して不利になるという意味では目的を果たせる。
 そう考えると、すぐに食堂で襲ってきた奴の言葉を思い出す。
 なるほど。もしかしたらこの世界から俺達を追い出せってのを要求してくるかもしれないな。
 そう考えると理解出来ないでもない……か?
 まぁ、どちらにしろテロリストの要求に屈するというのは致命的な間違いだし、それ以前にアンバール基地という、中東の最重要拠点を恭順派の手に預けておく訳にもいかない。
 奴等が何を考えているとしても、このマブラヴ世界にいる者の殆どは恭順派の存在を認めないだろう。
 そんな風に考えている間にも確認の意味を込めた最終ミーティングは完了し、チェントが俺の方へと視線を向けてくる。

「アクセル代表、お願いします」
「分かった」

 呟き、空間倉庫のリストを脳裏へと表示する。その中でニーズヘッグを選択し……次の瞬間には、俺の隣にはニーズヘッグが姿を現していた。

『おおおおおおお』

 軍人達から聞こえてくる驚愕の声。
 既に慣れたそんな声を聞きつつ、そのまま空中へと浮かび上がって……

『おおおおおおおおおおおお』

 数秒前よりも更に大きい声が響く。
 いやまぁ、特にこのマブラヴ世界では光線級や重光線級の関係で空を飛ぶという行為そのものが難しくなってるからな。空を飛ぶというだけで憧れを抱いても無理はないか。

「お前等、いつまでも驚いてないでさっさと出撃の準備をしろ!」

 チェントのそんな怒声を背に、俺はニーズヘッグのコックピットに座って機体を起動させていく。
 念動力のチェックを始めとした各種チェックで俺を認識。そのまま今の状態でのメイン動力炉であるブラックホールエンジンが起動する。
 BETAとの戦いから整備もしないでここにきたので、周囲でアンバール基地へと向かう部隊が忙しく準備しているのを横目に、機体のシステムチェックを行う。
 幸い特にどこかに問題があるでもなく、システムオールグリーンって奴だ。

『アクセル代表、準備終了しました! お願いします!』
「分かった」

 チェントからの通信に答え、システムXNを起動していく。

「システムXN、起動。転移座標入力……OK、転移フィールド生成開始」

 やがて光の繭のようなものが突入部隊全体を覆い……

「転移」

 その言葉と共に、俺達の姿はコロンボ基地から姿を消すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:350
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1179 
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