戦え!!正義の兄弟戦士ジャスティスカイザー
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第二十三話 片岡少佐!高校だが給食ネタだ!!その三
「というか麦飯は麦飯で美味いよな」
「だよな、冷えたらまずいらしいが」
「十六穀飯とかな」
「ああいうのもいいよな」
「麦飯とかはいいにして」
「もう玄米になるとな」
それこそというのだ。
「もう誰もな」
「食ってないからな」
「少なくとも普通にはな」
「いないな」
「鎌倉武士は食ってたが」
「すげえ盛ってな、お碗に」
それが当時の食べ方だった、御飯を一つのお碗にこれでもかと盛ってそれをおかずで食べていたのである。
そしてだ、そのうえでなのだ。
「それですげえ噛んでな」
「ああ、鎌倉武士の顎は強かったんだよ」
「けれど今はな」
「玄米なんてな」
それこそなのだ。
「食わないよな」
「普通にはな」
「だから麦飯とか十六穀飯だな」
「そっちになるな」
こうしたことを話してだ、そしてなのだ。
二人は食後の一時を新聞を読んで楽しんでいた。読むのはスポーツ欄だが巨人は見事負けていた。それも二十七対零でだ。
その数字を見てだ、二人はにまあと笑って言った。
「いやあ、いいねえ」
「巨人また負けたぜ」
「これはまたいい負け方だな」
「巨人に相応しい負け方だな」
「これで最下位にまた近付いたな」
「七年連続最下位にな」
巨人が球界の盟主なぞという妄言は最早完全に消え失せている。これは非常にいいことである。
それでだ、二人も言うのだ。
「こんないい負け方ないぜ」
「いやあ、今日もいい日だ」
「巨人が負けたら飯が美味い」
「だから丼で三杯も食ったぜ」
「皆食欲が出てるな」
「巨人が弱いからだな」
人類に永遠に仇を為す邪悪の権化が無様に負けているのだ、それで正義と野球を愛する者達が喜ばない筈がない。
しかしだ、何でもその巨人が好きらしい卑しい顔立ちをした落語家くずれの他人の御飯を漁るだけが能の下劣漢はだ。
スポーツ新聞のコラムで妄言をヒステリックにほざいていた、それを見てだった。
二人でだ、こう言ったのである。
「こいつの悔しがる顔」
「これがまたいいな」
「巨人の負けにな」
「こいつの悔しがる姿」
「ここまで見てこそだな」
「巨人が負けた時の楽しみだよ」
巨人ファンの悔しがる姿を見るまでがというのだ。
「いやあ、いいな」
「巨人の負けた時ってな」
「こんなにいいものないな」
「お陰でいい時間が過ごせるぜ」
二人にとって最高の一時だった、しかし。
その二人の前にだ、いきなりだった。
ガスマスクを被った黒スーツの一団が出て来た、そしてその背中に背負っているガスボンベの栓を開いて。
そこに連結している放射器からガスを撒いてだった、二人を眠らせて拉致をした。その二人が強制連行された先は。
悪田部の事務所だった、二人は事務所に放り込まれたところで意識を取り戻してその悪田部に対して言った。
「あの、いつものことですけれど」
「またいきなりですね」
「メンインブラックの人達が来て拉致して」
「それでここまでって」
「何かもうやってることが」
「悪の組織そのままですよね」
「安心しろ、読者は我々をそう思っている」
悪田部はぼやく二人に極めて冷静に返した。
「我々のことをな」
「いや、俺達は正義でしょ」
「正義のヒーローじゃないですか」
二人は悪田部のその言葉にすぐに返した。
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