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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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激突!カルディア大聖堂

 
前書き
またアルトが出てこない回・・・(汗) 

 


「神鳴殿、街中を襲う雷の魔水晶、雷神の裁き・・・もう時間がない」


ギルドに残っていた魔導士、レビィがそう呟いた


床には術式解除に用いられた本が無造作に散らかっている



「残り10分、本気なのかしらラクサスは」


レビィは真剣な表情で考え込む


街中に浮かぶ魔水晶やバトルに参加したルーシィたちを心配していた



「でも、なんとかなるよね・・こっちにはまだエルザとナツ、ガジルにミストガン・・・何よりアルトがいるんだもんね!」


拳を握り、アルトたちに期待の念を込めるレビィ


するとギルドの入り口から少し老いた女性がレビィに向かって歩いてきた



「こんな時に誰かしら」


そう言って歩いてくる女性に視線を向ける


その女性はフェアリーテイルに馴染みの深い人物だった



「マカロフはどこ?」


「ポーシュリカさん!?」


女性の正体はフェアリーテイルの顧問治癒魔導士のポーシュリカであった


その姿を見たレビィは驚き、目を見開いた


ポーシュリカは素っ気ない口ぶりで言葉を発した



「どこかって聞いてんだよ」


「お・・奥の医務室です」


「フン」


おどおどと答えるレビィにかまいもせず、ポーシュリカは奥の医務室へ向かう



「あ・・あのっ!!ちょっと今は・・・」


「知ってるよ!だから来たんだ」


「え?」


予想外の返答に目を丸くするレビィ



「もしかして治療しに来てくれたんですかっ!!」


歓喜の笑みを浮かべポーシュリカに目を向ける



「・・・・・」


しかし、ポーシュリカはそれを無視してマカロフが眠っているベッドに歩み寄る


すると複雑な表情を浮かべ言った



「ラクサスをつれてきなさい」


「え?」


「祖父の危篤も知らずに遊び回っているあの子をつれてきなさい」


その言葉を聞いたレビィが顔を引きつらせる



「き・・危篤って・・そんなおおげさな・・・」


無理やり口元を吊り上げ、震えた声で言う


すると、ポーシュリカは振り返って真剣な表情をレビィに向ける




「いいからお願い、この人はもう長くない」


ポーシュリカの瞳には涙が浮かびあがっていた



レビィは血の気が引いた表情を見せた
















カルディア大聖堂


大聖堂の柱の根元に腰をかけ、ラクサスは俯いていた



『ラクサス・・・おまえはファンタジアには参加せんのか?』


昔、マカロフが言った言葉が頭をよぎる



『ジジィ・・・どの口が言ってやがんだ・・・? ア?』


暴力的な言葉をぶつけるラクサス



『オレは ガキの頃から〝アンタの孫〟ってだけで周りから色メガネで見られてんだぞ!!何をやってもマカロフの孫だから、フェアリーテイルのマスターの孫だからと正当な評価はもらえねえ!!!』


怒りまかせにマカロフを怒鳴りつけるラクサス


それを黙って聞いていたマカロフは頬を数回掻き、困ったように呟く



『そりゃあ おまえ、気の持ちようじゃろう・・・世の中に正当な評価を得てる者などはたしているものか・・・』


『ただでさえ居心地悪ィってのに、さらに〝あんな恥〟かかせやがって』


『それは・・・』


『アンタには情ってものがねえのかよ』


ラクサスから視線を外し、ため息をつくマカロフ



『・・・・・』


『なんで親父を破門にしやがったァ!!!!』


自分の父親がギルドから破門され、ラクサスは怒りを露わにしていた


するとマカロフは少し考えた後言った



『・・・奴はギルドに害をもたらす』


『確かにバカな事ばっかやってる奴だがな、それでもあんたの息子だろ!!!!家族だろ!!!!』


『たとえ家族であっても仲間の命をおびやかす者は同じギルドにおいてはおけん、先代もそうやってギルドを守ってきた、それがフェアリーテイルじゃ』


真剣な様子で答えるマカロフにラクサスはさらに怒鳴る



『だったらオレもクビにするのかヨ?そしたらオレは親父の立ち上げたギルドに入ってアンタを潰す』


『ギルドを立ち上げた? 』


ラクサスの言葉にマカロフは小さい反応を見せる



『お・・おまえ、奴が今どこにいるのか知っておるのか?』


『興味もないくせに・・・今さらしらじらしい』


そう言うとラクサスはマカロフに背を向けて、部屋の外へと向かう


それを引き留めるかのように、マカロフが声を上げる



『ま・・待て!!奴はこのフェアリーテイルの不利益になる情報を持ったまま ここを出た!!!!見つけ出さねばフェアリーテイルが危ないんじゃ!!!!』


『自分で追い出しておいてよく言う・・・』


『ラクサス!!』


『オレはいずれアンタを超える、親父の為じゃねえ、オレがオレである為に・・・』


そして振り返ったラクサスがマカロフを睨みつけ言う




『一人の男である為にだ』
















【神鳴殿 発動まであと6分】


「降参する気はねえってか・・・相変わらずの頑固ジジィめ」


空中に浮かびあがる文字を見て、ラクサスが呟く


それと同時に、カルディア大聖堂内に武器を背負って顔を布とマスクで隠した一人の男がやってきた



「来たか」


ラクサスはその男を見て口元を吊り上げる


武器を背負った男はラクサスの前に立ち、対峙する



「ミストガン、まさかお前がこのゲームに参加するとは思ってもいなかったぜ・・・」


「今すぐ神鳴殿を解除すればまだ余興の範疇でおさまる可能性もある」


ミストガンは冷静な口調で言った


それを聞いたラクサスは笑いながらミストガンに近付く



「おめでたいねぇ・・・知ってんだろ?フェアリーテイル最強は誰か・・・オレか お前か噂されてる事は」


「興味はないが、私はギルダーツを推薦しよう」


「あいつはダメだ、帰ってこねぇ・・・同じくエルザもいい線いってるが、まだ弱い」


すると、ミストガンは鼻で笑って答えた



「エルザが弱い? とんだ節穴だな、お前の目は」


「オレはお前を認めてんだよミストガン、今 このフェアリーテイル最強の座はオレかお前のどちらかなんだ」


鋭い眼光でミストガンを睨むラクサス


何がどうあってもミストガンとの勝負を臨んでいるようだ



「そんな事にしか目がいかんとは・・・おめでたいのはどっちだ」


「白黒つけようぜ、最強の座をかけて・・・ミストガン・・・いや・・・」


ラクサスはミストガンの名を口にした後、それを否定した



「アナザー」


「!!!」


次の瞬間、ラクサスが言葉を発すると同時に驚いた様子のミストガンが背中の武器をとり、ラクサスに攻撃を放つ


一方のラクサスも右手から雷撃を放ち、ミストガンの攻撃を相殺する


双方の魔法のぶつかり合いは凄まじい爆発を生み、大聖堂の窓ガラスは全て砕け散った



「その事をどこで知った」


「さあね・・オレに勝てたら教えてやろうか?」


ラクサスは余裕の表情でミストガンを挑発する


それを聞いたミストガンは武器を構え、鋭い視線をラクサスにぶつける



「後悔するぞラクサス、お前は未だかつて見た事のない魔法を見る事になる」


「来い、格の違いを見せてやる」


 
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