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美しき異形達

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最終話 ピクニックその四

「そこにスカウトされてるから」
「凄いよな」
「相当にね」
「だよな、やっぱり」
 薊も言う。
「あの人すげえ頭いいんだな」
「そうですね、あの人は別格です」
 桜も言う。
「ですから入試は」
「そうなるんだな」
「何でも毎日かなり勉強しておられるとか」
「その勉強の仕方が気になるな」
 薊はここでこうも言った。
「どうやったらあそこまでの成績になるんだか」
「そうですね、そのことは私も気になります」
「あたしももうちょっと成績上になりたいな」
「薊ちゃんそんなに成績悪くない筈だけれど」 
 菫は薊に彼女自身の成績のことを話した。
「大学に進学も出来るでしょ」
「まあそうだけれどな」
「医学部行きたいとか?それか法学部とか」
 八条大学のとだ、菫は問うた。
「そうなの?」
「いや、そこまでは考えてないよ」
 全く、という口調での返事だった。
「ただもう少し上がったら志望先への合格が確実になるんだよ」
「だからなの」
「八条大学文学部な」
 薊が行きたいところはここだった。
「文学部の国文学科な」
「国文なの」
「関西行って色々回ってさ、文学にも興味持ったんだよ」
 だからだというのだ。
「国文科行こうって思ってさ」
「それであと少し、なのね」
 鈴蘭も薊に問うた。
「それでなのね」
「そうなんだよ、あと少しでいいんだよ」
 薊はその少しを切実に望んでいた。
「本当にさ」
「そうなのね」
「勉強しないとな」
 また言うのだった。
「あたしも」
「それで先輩の勉強の仕方を知りたいのね」
 黒蘭も薊に問うた。
「そうしたいのね」
「ピクニックの時に聞こうかな」
「そうしたらいいわね」
「だよな、そうした意味でもピクニック楽しみだよ」
「本当にね」
 こうしたことを話してだ、そしてだった。
 少女達はその休日にピクニックに行った、その時薊と裕香は寮を出る時に伯爵に連絡をした。するとだった。
 いい返事が来た、薊は自分の携帯へのその返事を見て笑顔で言った。
「来てくれるってさ」
「そう、よかったわね」
「ああ、先輩もだよな」
「ええ、来てくれるわ」 
 裕香も笑顔で薊に話した。
「あの人も」
「楽しみだな、本当に」
「そうね、じゃあ行こう」
「お弁当も作ったし」
「水筒も持ったしな」
「何も心配なくね」
「行けるな」
 ピクニックにとだ、二人で話してだった。
 二人でリュックを背負って出発した、そうして駅前で皆と待ち合わせをした。
 まずは智和がラフな服装で来た、そして。 
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