天使舞う、この世界
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NO.16 凶禍楽園
前書き
独自解釈があります。
前回の感想で主人公がモブいと言われました。
・・・・・・どうしよう?
とりあえずグレモリーズに絡むまで頑張る。
バトルちょっと長め。というわりには脳内会話ばかり。
霊力の奔流に吹き飛ばされた俺だが、すぐに空中で体制を立て直す。
「問題はここからなのよね・・・・・・」
今までは『霊結晶』に色と番号があったから、ある程度対策ができた。
だが今回はどちらもわからなかった。鬼が出るか蛇が出るか。
霊力が収まりジャンヌの姿が見えてきた。
ジャンヌの服装は予想通り変わっていた。全身を青色と白を基調色としたローブで包んだ、魔術師のような呪術師のような出で立ち。目はやっぱり虚ろ。
・・・・・・あれ?あれって何て言う『天使』だったっけ?覚えているはずなんだが・・・・・・。
何だっけ?『氷結傀儡』じゃないし『破軍歌姫』はアーシアちゃんだ。
そのとき、ジャンヌが感情が籠っていない声で言った。
「『凶禍楽園』」
エデン・・・・・・E☆DE☆N!?
てことは!?
「おまっ!ルーラーかよ!?」
何故ここでFate要素が出てくるの!?
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ジャンヌ・ダルク=Fate/Apocryphaのルーラー=デート・ア・ライブ凛祢ユートピアの園神凛祢の識別名ルーラー
・・・・・・って!
「そんな方程式があってたまるか!?」
俺は『滅光槍』を作り出しながらそう吠えた。
いやだって!別の作品でジャンヌがルーラーとして呼ばれたっていう共通点でこいつ『凶禍楽園』宿したの!?もう何がなんだかさっぱりわからん!
ええい!考えるのは後!今はジャンヌを静める!
「吹っ飛べ!」
気合いをいれて槍をジャンヌに向かって投げつける。しかし、ジャンヌは一歩も動かずに
俺の槍を霧散させた。
「・・・・・・は?」
何が起きた?今の槍はそう簡単に消せるようなショボいものじゃない。それ相応の霊力を込めた。
にも拘らず、俺の槍はあっさり消えた。
何が起こったかわからない。それが怖い。
俺は恐怖を振り払うように二激目を放つ。今度は広く、多く。
「『日輪』!!」
『絶滅天使』を円環状に繋ぎ、無数の破壊効果のある光の粒を雨のように降らす。
しかし、やはり効果はなかった。どこに降ろうが、ジャンヌを中心として目測で半径5メートル以内に入った瞬間、先程の槍と同じように霧散する。ジャンヌを守るように張られた不可視のドームがあるように。
「・・・・・・」
俺は考える。そもそも、『凶禍楽園』の能力は、「世界を一から作り直す」という能力だったはずだ。
だとしたら、あの半径5メートル以内は暴走しているジャンヌの領域。彼女の世界だ。
・・・・・・八方塞がりだ。「領域」内のジャンヌに攻撃する術はない。あの「領域」がどんな世界かわからない以上、迂闊に入ることもできない。
今までの『天使』とは比べ物にならないくらい厄介だ。
ふと、俺は疑問に思った。何故ジャンヌは『凶禍楽園』を拡げないのかと。
確かにオーフィスにつくってもらったこの空間は広いが、ゲームでは町一個を丸々包み込んでしまえる代物だ。
・・・・・・もしかして、『拡げられない』のか?
仮説だが、『凶禍楽園』は霊力をとんでもなく消費するものだと仮定しよう。
「世界を一から作り直す」能力だ。そんな神のような能力を使うのなら、霊力の消耗が激しくてもおかしくない。
霊力の消耗を抑えるために、範囲を半径5メートルにまで狭め、こちらに手出しをしないのではないかと。
それなら、やりようがある。なるべく霊力を消耗させてやればいい。まずは仮定の確認も兼ねて、挑発してみる。
「そっちからはこないの?」
・・・・・・・・・・・・無反応。
なら、
「『砲冠』!」
俺の最大威力を誇る砲を放つ。ただし、加減して。消耗戦になりそうだから、あまり消耗しないように。
『砲冠』を放ったが、やはり「領域」に入った瞬間霧散する。
・・・・・・この手はあまり使いたくなかったんだが・・・・・・
「ルフェイ、今良いかしら?」
『ふえっ!?レイナーレさん!?』
「貴女に手伝って欲しいの」
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念話でルフェイちゃんをよんだ。できれば俺一人で終わらせたかった。『天使』持ちを仲間に、できれば家族になんていうのは俺の自分勝手だ。その自分勝手にルフェイや黒歌、オーフィスを巻き込みたくない。
俺が始めたのだから、俺が責任を持つべきだ。自分に嫌気が出る。
「ごめんねルフェイ。私一人じゃどうにもならなさそうだから、貴女に手伝ってもらいたくて」
「いえ、大丈夫です」
はあ。こんな健気な女の子に自分の蒔いた種の刈り取りを手伝わせるなんてな。
「本当にごめんなさい。私一人でやるべきことなのに。私の自分勝手に巻き込んでごめんなさい」
「・・・・・・巻き込んだことはいいんです」
え?
「実は私、ちょっと嬉しいんです。レイナーレさんに頼ってもらえたことが」
「ルフェイ?」
「レイナーレさん、私達は家族ですよ?
家族が助け合うのは当たり前です」
・・・・・・・・・・・・ありがとう。
こんな俺に付き合ってくれて。そうか。家族が助け合うのは当たり前か。
「そう・・・・・・それじゃあルフェイ、改めて手伝って?」
「はい!」
俺は皆、大好きだ。
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ルフェイちゃんと話をして、心に余裕ができたが、依然として状況は変わらない。
でも、不思議と不安はなかった。
「さて、それじゃあ私の被害者を助けましょうか」
「変なマッチポンプです。『贋造魔女』!『神威霊装・七番《アドナイ・ツァバオト》』!」
ルフェイちゃんが限定霊装と『天使』を顕現する。
「それで、レイナーレさん。ジャンヌさんは今どうなっているんですか?」
「以前ルフェイの『天使』を顕現したときみたいに、暴走しているの。ジャンヌを中心として半径5メートルぐらいはジャンヌの『天使』、『凶禍楽園』の領域」
「『凶禍楽園』・・・・・・それがジャンヌさんの『天使』の名前ですか。効果は?」
「『世界を一から作り直す」というものね」
「・・・・・・創造神か何かですか?」
「今なら『新世界の神になる!』とか言っても冗談だと思えない」
うん。改めて考えてみるとこれなんてムリゲー?園神凛祢を攻略した士道くん。マジスゲェ。
「ある程度は考えてるわ。霊力を消耗させるの」
「なるほど、ガス欠にするんですね」
その認識で間違っていない。しかしどうやってやるかだ。
「とりあえず攻撃してみます」
そう言うとルフェイちゃんは
自らの左右に100や200を越える魔方陣を構築し、
「一斉掃射!!」
魔方陣から魔力砲を放った。
ドドドドドドドッ!!
凄まじい轟音が連続で鳴り響く。なんか俺より面制圧力ありそう。しかも魔方陣から連射してる。
暫くするとルフェイちゃんは魔力砲の連射をやめた。それに伴って音も止んだ。煙がすごいけど。
さらに暫くし煙が晴れると、そこには相変わらず無傷で佇むジャンヌ。
「結構自信あったんですけど・・・・・・」
油断してはいないが、少し沈んでいた。
「霊力と魔力を混ぜて以前より三倍近く威力上がってるんですけど・・・・・・」
え?そんなに強くなってたの?あれ一発当たっても俺ヤバイんですけど。安定の紙装甲です。
「まあ、収穫がなかった訳じゃないからよかったですけど」
「収穫?」
「はい.分かりにくいですけど、僅かに「領域」が狭くなっています」
ルフェイちゃん、なんで分かるの?それはそれとして、
どういうことだ?俺の『砲冠』、『日輪』を当てようともビクともしなかっったハズだが?
俺とルフェイちゃんの違いはなんだ?威力に大差はない。では何が?
「ルフェイ、一発だけさっきと同じのをうってもらえる?」
「分かりました」
もう一発放たれた魔力砲。やはり霧散した。
「今度はレイナーレさんが撃ってください」
そうだな。なら、ルフェイみたいに霊力と光力を混ぜた『滅光槍』を作り、久しぶりに光の弓をも作り、『滅光槍』をつがえ、放った。
空気を唸らせながら一直線に向かっていった俺の槍は、
「領域」を半分まで進み、そこで霧散した。そして、ジャンヌの霊力が減った。
「少し効きそうだったわね」
「はい。「領域」がまた狭くなっています」
光力を混ぜたら効いた。なら、もう一回、槍を作りつがえ、放った。
が、今回はまた霧散した。一回効いた攻撃は効かない?違う攻撃しか効かないってことか?
それでも減っている。なら、今度は『氣』も込めて、最大威力をぶっぱなす。
「『砲冠』!」
霊力も光力も氣も混ぜ混んで収束して、ジャンヌの頭のフードだけをはね飛ばすように放つ!
あのフードが『天使』の核みたいだ。一番霊力多く集まってる。ジャンヌ傷つけたら元も子もないし。
「私の魔力も使ってください」
ルフェイちゃんから魔力ももらう。
「発射ァ!」
一直線にフードに向かっていき、フードを吹き飛ばした。
ついでに髪の毛をちょっと焦がしてしまった。
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「おぉわったぁぁ!」
キッツい。マジキッツい。ここまで霊力やら何やら使いきったのはオーフィスと初めてやりあったとき以来だ。
知性が普段通りあったら負けてた。
「つ、疲れた・・・・・・」
ルフェイちゃんも疲れたみたいだ。
「レイナーレさん、『天使』が顕現するたびにこんな苦労してたんですか?」
「いえ、もっと楽よ。ここまで疲れたのは初めて」
さてと、ジャンヌを連れてこの空間をでる。引きずるのは仕方無い。
「はあ、昼寝しましょう。調度天気もいいみたいだし」
「勿論、皆でですね」
「ええ」
「なんで私は全身が痛いのに引きずられているの?」
おう、おはよう。すまん。俺もルフェイも背負えるだけの体力がない。
そして断空結界を出て、布団しいて皆で寝る。
やっぱり俺は、皆が大好きだ。
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「レイナーレ、起きるにゃ」
ん?黒歌か?いきなりなんだ?
「ちょっとシャレにならない状況にゃ」
黒歌がそこまで言うなんて、どんな状況だよ。
「堕天使のコカビエルがこの町にいるにゃ。グレモリーの領地にわざわざ来るにゃんて、何か企んでるに違いないにゃ」
コカビエル?・・・・・・聖剣事件のクライマックス!?
「それは確かに不味いわね」
「白音がそこにいる。今すぐいくにゃ」
俺はその言葉を聞きながら、変装用の仮面をとってきた。
「それじゃあ行きましょう」
「にゃ」
オーフィスは正体が露見したら危ない。ルフェイとジャンヌは今だ疲労困憊。
俺も完全に回復したとは言えないが、それでも二人よりはましだ。
「それはオーフィス、二人をお願い」
「ん。任せる!レイナーレ、黒歌、いってらっしゃい」
「ええ(にゃ)、いってきます」
俺達は夜空を飛んだ。
後書き
ギャグなのかシリアスなのかわからなくなってきそうですが、一応この小説はシリアルを目指しています。
主人公不在なんて言わせたくない。
ジャンヌさん、マジチート化。
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