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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1002話

『では、プロミネンス計画の成功を祈って、挨拶を終了する』

 映像モニタの中で喋っているお偉いさんがそう告げると、ようやくカリンダ基地の改装終了とプロミネンス計画の開始を告げる記念式典が終了した。

「何だってお偉いさんってのは、こうして無意味に話が長いのかね」

 オーストラリアにあるシャドウミラーの基地で、ムウがフライドポテトに手を伸ばしながらそう告げる。
 ちなみに、本来ならあの記念式典に関しては俺に出席要請が来ていたのだが、当然の如くそれはスルーして、政治班へと任せる事になった。 
 その結果が、シャドウミラー代表として映像モニタに映し出されているあやかと千鶴だったりする。
 まさか本当にあの2人にシャドウミラーの代表を任せるとは思わなかったが。いや、それに関しては半ば予想していたが、てっきりレオン辺りでもつけると思っていたんだよな。
 だが、結果として式典に出ているのはあやかと千鶴のみ。
 それでも2人はこの手の式典には慣れているのか、平然とした顔をしている。
 恐らく、若い……いや、若すぎるとして色々と好奇心の目で見られているんだろうが。
 その辺に関しては、シャドウミラーでやっていく以上はしょうがない。
 いや、それ以前に時の指輪を嵌めた以上は、あやかや千鶴は今の年齢で固定される。つまり、これから数年、数十年、数百年を生きたとしても、外見的にはこのままの年齢な訳だ。
 そうである以上、侮られるように見られるというのは色々と慣れておく必要があるだろう。

「で、式典が終わったし……そろそろか?」
「だろうな。ようやくだ」

 ムウの言葉に頷き、俺もまたフライドポテトへと手を伸ばす。
 何故俺とムウの2人のみがマブラヴ世界のオーストラリアにある基地にいるのか。その理由は、これから起きる出来事に関係している。
 即ち、レイの搭乗したシャドウとプロミネンス計画の為にカリンダ基地にやって来た各国の戦術機部隊との実弾演習を見る為に。
 こうなった理由は簡単だ。これからプロミネンス計画……つまり、先進戦術機技術開発計画を進める上で、当然その目標は第3世代戦術機……以上の力を持っているシャドウミラーの機体となる。
 勿論シャドウミラーでメジャーな機体と言えばメギロートだろうが、イルメヤも含めてその2機種は無人機だ。
 である以上、現在シャドウミラーの主力量産機であるシャドウに注目が集まるのは当然だろう。
 そして、よりプロミネンス計画に参加する者達のやる気を煽る為に用意されたのが……実弾演習という名の、エキシビションマッチな訳だ。
 更には、シャドウミラーから出撃するのはこの春に実働班に配属になったばかりのレイただ1人。それに対するのは、プロミネンス計画に参加している国々から派遣されてきた選りすぐりの精鋭達、36人。
 実に1VS36という戦いな訳だ。
 色々と人数差が多すぎる戦いではあるが、このくらいの性能差はしっかりと見せておいた方がいいしな。
 レイにしても、原作通りに操縦センスに関して一級品なのは、この前行ったシミュレータでの対戦で理解している。
 まぁ、そもそもがクルーゼと同一人物だって時点で、パイロット技能に優れているのは殆ど確定しているんだけどな。
 ……けど、ムウとレイの関係って考えるまでもなく複雑だよな。SEED世界の戦争で宿命のライバルだった自分の父親のクローンを保護者として引き取り、共に暮らしている。血縁関係だけで考えれば、関係が完全に逆転している親子という訳だ。
 更にそこにはムウの恋人のナタルが同棲している訳で……色々な意味で複雑極まりない人間関係となっている。
 それでもムウ自身はレイの事を自分が保護者……あるいは息子として認識しているらしく、いたって仲のいい3人といった具合なんだが。
 ムウにしてみても、最初はレイに対してクルーゼの――正確にはアルダ・フラガの――クローンだというのに思うところはあった筈だ。
 レイの方もレイの方で、クルーゼの仇とかそういう目ではなく、純粋に父親代わりとして慕っている様子が見える。
 ……まぁ、もしクルーゼの仇云々って言うのなら、それはムウじゃなくて俺に向けられるんだろうが。
 だがレイはそんなのは既に気にしていないとばかりに、オーブでの学校生活を楽しんでいた。原作通りにシンが友人になり、そしてシンの妹のマユといい雰囲気で、アウルやスティング達とも関係が良好らしい。
 ステラにいたっては、親友のシンの恋人という扱いだからどう接していいのか分からないらしいが。
 ともあれ、そんな複雑な人間関係であるにも関わらず、ムウは親馬鹿に近い感じになっている訳だ。
 親馬鹿であって馬鹿親じゃないというのはせめてもの救いか。

「どっちが勝つと思う?」

 そう尋ねれば、ムウは当然という風に断言する。

「そりゃレイだろ。機体のスペック的にも、純粋な技量的にもレイの方が圧倒しているし。……ただ、もしもレイが苦戦するとすれば、それは経験によるものだろうな」
「確かにその点では劣っているか」

 本人の資質や高度な訓練トレーニングにより、レイ自身の操縦技術はかなり高い。それこそ、アウルやスティングとの間にある差を急速に縮めていく程度には。
 だが、相手はこのマブラヴ世界で生き残ってきた百戦錬磨のベテランパイロットだ。純粋に経験という点においては、レイよりも遙かに上を行く。

「けど、それでもレイが勝つのは間違いないんだろ?」
「当然だ。何てったって、俺が鍛えてきたんだからな。家でもきっちりと戦い方を教えてきたし、ナタルからも色々と教わってたみたいだな。他にもレイの友達の、シンとか言ったか? オーブ軍に入ったあの坊主ともそれなりに練習しているみたいだしな」
「へぇ、努力家ではあるんだな」

 そう言葉を返しつつも、原作でのムウとシン、レイの関係を思うとよくもまぁここまで歴史が変わったものだと思う。
 いや、俺が生きているこの歴史こそが俺にとっては本物である以上、特にどうこう言うつもりはないけど。
 そんな風に喋っている間にも、映像モニタでは実弾――正確には模擬弾――を使った演習の準備が進められていく。
 ある意味、記念式典よりもこちらの演習の方が今日の目玉と言ってもいいだろう。シャドウの実力を直接その目で確認出来るのだから。
 ちなみに、シャドウミラーがこの世界に関わる以前は実機を使った演習というのは殆ど行われていなかった。 
 大きな理由としては、やはり物資不足がある。
 BETAとの戦いだけでも弾薬やバッテリー、あるいはその他諸々のあらゆる物資が不足していたのだ。そうなれば当然節約できるところから節約するのは当然であり、その結果が統合仮想情報演習システムのJIVESだった訳だ。
 もっとも、そのおかげであそこまでリアルなシミュレータになったんだろうが。
 ただ、今は違う。ハイヴを幾つも取り戻し、更にはゴミでしかなかったBETAの死骸を俺達シャドウミラーが引き受け、資源として向こうに渡している。
 更には門世界から得た各種資源に関しても、テコ入れという名目で格安でマブラヴ世界に渡している。
 そこまでしても物資不足の完全な解決にはならないだろうが、シャドウミラーが関わっているプロミネンス計画は色々な意味でこの世界の希望だ。当然物資やら何やらもふんだんに投入されており、その結果が今目の前で行われようとしている光景な訳だ。

「レイが勝つのは分かったけど、どう勝つと思う?」

 そんな俺の質問に、ムウはフライドポテトをコーラで流し込みながら口を開く。
 ……マブラヴ世界の住人には、とてもじゃないけど見せられない光景だよな。

「そうだなぁ。この前のアクセルとのシミュレータ訓練から考えれば、ビームガトリング砲とM950マシンガンみたいに弾幕を張っていくだろうな。ただでさえ戦術機は防御が脆いんだし……お、始まったぞ」

 映像モニタでは演習が開始され、36機……大隊規模の戦術機と、シャドウ1機の戦いが始まったところだった。
 まず先制したのはシャドウ。放たれたのはムウの予想した通りにビームガトリング砲の一斉射撃。
 威力を極限まで低くしてあるビーム弾が無数に飛んでくるその一斉射に、36機の戦術機はそれぞれが思い思いの行動を取り……早速その数機が撃墜判定を食らう。
 大隊規模であるといっても、その中身は全て各国からの選りすぐりだ。……つまり、精鋭ではあっても他国の部隊と連携を取るのは難しいという訳であり、それが如実に出た格好だな。
 それと、演習を行っているのがカリンダ基地から離れた場所にある荒野であるというのも影響しているだろう。
 もしもここが街の廃墟とか森であったとすれば、それらを盾にする事も出来たのだろうが。
 ……まぁ、BETAによって自然が大きく破壊されているマブラヴ世界だ。演習で森を破壊するような事は絶対にさせないだろうが。
 ともあれ、ビームガトリング砲によって数機の戦術機が撃墜扱いとなり、演習場から移動していく。
 それを見ながら次に放たれたのは、こちらもまたムウが予想した通りにM950マシンガン。
 演習だけに弾頭はペイント弾になっているが、それでも戦術機の突撃砲の36mmと比べると95mmのM950マシンガンは威力が高い。その上で、連射速度に関しても戦術機が使っている突撃砲に勝るとも劣らない上に、射程その物も長い。
 機先を制するかのようなそんな攻撃に、再び数機が脱落。
 それでも戦術機は諦めず、それぞれが左右から挟み込むように移動する。
 短い打ち合わせで、多少なりとも連携出来るのは精鋭故か。それと、実戦経験の賜物だろう。
 普通の戦いであれば……演習の相手がシャドウでなければ、その作戦は正しかったのだろう。だが今回に限って言えば、それは失策だった。
 映像の中で、シャドウがビームガトリング砲の砲身を右から迫ってきている戦術機に、M950マシンガンの銃口を左から迫っている戦術機に。……そして離れた場所から援護射撃を行っている場所には胸部からクロスマッシャーが放たれたのだ。
 ……どこのフルバーストだ、と思わず俺が呟いたのは決しておかしくないだろう。
 レイのカスタム化されたシャドウには、いわゆるマルチロックオンシステムが搭載されているのは知っていたが……
 ただそれでも、まだ十分に使いこなせているとは言えないらしい。
 事実、ビームガトリング砲やM950マシンガン、あるいはクロスマッシャーの弾幕を潜り抜けてきた戦術機が少なからずいる。
 ここでグラビティキャノンを放たなかったのは、そっちまで撃つとなるとシステムの方はともかく、レイ自身がまだ処理しきれないからか。
 ともあれ、今の一撃で生き延びたのは全部で10機程度。そのうち後方からの援護射撃を行っているのが3機、右で生き残っているが1機、左が6機。
 右が極端に少ないのは、やはりビームガトリング砲の射撃が圧倒的だったからだろう。
 事実、演習場から去って行く戦術機はどこか呆然としたような挙動を機体にさせている……ように見えた。
 ともあれ、弾幕の中を生き延びてきた戦術機がそれぞれ近接用の武装を手に取る。
 その殆どが重斬刀を装備している辺り、何気にSEED世界からの輸入は多いらしい。
 勿論重斬刀を装備していない戦術機もいる。個人として合わなかったりする奴、あるいはアメリカのように近接戦闘に重きを置いていない国の戦術機とかは、ナイフを取り出してシャドウへと襲い掛かっていた。
 ……近接攻撃を得意としていないのなら、別にそっちに回らなくても遠距離からの射撃組に入れば良かったと思うのは俺の気のせいか?
 ともあれ、振り下ろされた重斬刀やナイフがシャドウに命中する前に、テスラ・ドライブを使ってフワリと空中に浮き上がるシャドウ。
 マッシブな外見だが、シャドウはグラビコン・システムによりかなり重量が軽減されている。だからこそ、あれだけ空中を軽快に動きながら紙一重で攻撃を回避しつ、横を通り抜け様にプラズマバックラーやプラズマステークで攻撃出来る訳だ。
 勿論本気で使えばリオンよりも脆い戦術機はあっさりと破壊されてしまうので、軽く触れるだけだ。それで向こう側が大破判定となる。
 攻撃を回避しつつ撃破していき……それが数度続くと、既に近接戦闘を挑んだ戦術機は全機が撃破判定を食らう。
 そうなれば、もう射撃する為に離れていた機体はシャドウにとっては餌でしかなく……グラビティキャノンにより放たれた重力波砲で撃墜判定を食らうのだった。

「ま、機体性能を考えればこんなものか」
「だな。にしても、レイも随分と腕を上げてたな」

 フライドポテトに手を伸ばしながらそう告げると、ムウが自慢げに笑みを浮かべる。
 親馬鹿が。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1167 
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