インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
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第一章
デートといえるか危うい物
前書き
オリジナルストーリーの始まりです。
文書力もそこそこですが、頑張ります!!
*部屋の時の呼び名と教室などの外に居るときの呼び名が異なっています。
これは二人ともまだ正体が学校の皆にばれてないからです。
あの日の後、部屋で床に正座させられた俺は仁王立ちになったシャルロットに散々けなされた。
「だから、あれはしたのでは無くてされたんだって」
「でも、キスしたんでしょう?」
拷問中もニコニコと笑っているシャルロットがこの世の何よりも怖かった……。いや、本当に……。涙が出るほど怖かったんだから……。だって、目は笑ってないだよ?
「………すいませんでした……」
最後は謝り倒して、何故か明日買い物に付き合わさせる羽目になり……。………………。……本当、シャルロットは何がしたかったんだ?
☃☃☃
「シャルル。行きますよ?」
「うん、待って」
私は部屋でバタバタと忙しく動いているシャルルを見る。そして、やっと準備が整ったのか部屋から出てくるシャルルのためにドアを開いておく。出終わったら、鍵を閉めて玄関に向かって歩く。
「優里の私服って初めて見る」
「そうですか?」
そうシャルルに言われ、自分が着ている服を見る。
白いフリのついた半袖のカッターシャツに淡いピンクのカーディガンを合わせる。下はデニムのショートパンツに黒いニーソックスを履いている。
実を言うとこの私服は父親が持っていけと渡してくれたもので何と無く開けたくなかったので開けなかったのだが、今日は着るものが丁度なくこれを開けることになってしまった……。
しかし、そんな私の心を知らずかシャルルは顔を少し赤くさせて、私を見ていた。にしても、何故顔を赤くしているのだろうか?風邪でも引いたのだろうか?
「でも、凄く以外。ピンクのカーディガンなんて持っていたんだね?」
「ッ………父がこれを持っていけというので……。くぅ……、元を辿ればあの男が俺にこんな格好をさせるからこんなことになるわけで……殴りに帰ろうか?そうだな、そうしよう」
歯を噛み締め、里親のあの男の事を思い出す。両手を握りしめ、ワナワナしていると
(なんか、イライラしてきたな……)
「優里、素が出てるから……」
小声でシャルルに言われ、ハッと我に返る。そして、完璧に腹いせだが少しトゲトゲしくシャルルのコーデを見る。
「そう言うシャルルこそ。完璧な変装ですね……」
「変装って……、もしかしてまだ根に持ってるの?」
苦笑いを浮かべるシャルルは私と同じデニムの長ズボンに白いTシャツに橙のパーカー。
シャルルは背が私より高いのでなんでも似合うがこのコーデはシャルルの魅力をちゃんと分かっていると思う。
「シャルもお父さんに言われたんですか?」
複雑な顔で言う私をチラっと見て、シャルルは笑いながら 違う違うと手を横に振る。
「この私服は僕が選んだ物だよ。こっちで一夏に遊びに誘われるかもしれないから。ジャージでもいいと思ったけど、一着くらいは持てないとね?」
そう言って、私にウィンクするシャルルに何故か背筋に寒気が走る。打って変わって、苦笑いを浮かべる私。
「そう……ですね………」
(シャルロット・デュノア。抜け目のない奴……)
☃☃☃
「それで今から何処へ行くのですか?」
「うーん、どこ行こう?」
顎に右手を添えて、考えるシャルル。それを見て、ため息をつく私は
「買い物に行くんじゃないんですか?」
「あっ、うん。そうだね、買い物に付き合ってもらうんだった」
そのいかにも忘れてましたという口調に少しとは言わずイラっとする私は知らぬうちに横を歩くシャルルを睨んでいたらしい。シャルルは私を見て、愛想笑いを浮かべる。
「…………」
「そんなに睨まないでよ。優里」
「睨んでなどいません」
急に早足で歩き出した私を小走りで追いかけるシャルル。
☃☃☃
「沢山買いましたね」
「うん!」
私は両手に持っている荷物を眺めると満足そうなシャルルに
「シャルル……その、私……お腹空いたんですが……」
時計を見るシャルルは驚いた顔になった。
「もう、こんな時間なんだね。何処か寄ってご飯食べようか?」
「はい。シャルルのおごりで」
「そんなわけないでしょ」
ガクッ。
さりげなく言ったつもりなんだけど、思っていた以上にシャルルは耳が良かったらしい。
☃☃☃
「あら、そこにいらっしゃるのは那珂様ではありませんの?」
「……」
オムライスを口に含みながら、その声がする方の逆に顔をゆっくり動かす優里を僕は不思議そうに見ると、その声がした方から栗色の長い髪をフワフワとしたカールさせた いかにもお嬢様といった風の少女が歩いてきた。僕達が座っている所に歩いてくると優里を見て目をキラキラさせる。
「あっ!やっぱり、那珂様ですわ。こんな所で出会えるなんてやはりワタクシたちは赤い糸で繋がれたんですのね」
「……」
モグモグと声をかけられているのにオムライスを食べ進める優里の顔がだんだん青白くなるのを見て、僕は直感的にこの少女と優里の間に何かがあると悟った。しかし、こんなに話しかけられているのに見事なスルーとは優里も相当酷い人なのかもしれない。
「もしかして、照れているのですの?もう……」
「照れるわけないでしょう!!」
頬を赤らめ、不穏な事を言う少女に思わずツッコミを入れてしまった優里はこの世の終わりといった顔をしていた。その横を見ると打って変わってニコニコキラキラと乙女オーラ全開で、いつの間にか優里の隣に座って注文していた。注文を待つ間、優里の腕に自分の腕を絡めたりと凄く幸せそうだった。
「………なんで、ののさんがここに居るんですか?」
諦めたようで話題を振る優里。
「なんでって、那珂様に会いに来たに決まってますの」
「……………。良し、シャルル帰りましょう」
「えっ?えっ?」
「ほら、早く。早くしないとシャルルが全部払わないといけないですよ」
「えっ?でも……あっ、待ってよ。優里」
席を立ち、乱暴に通路に出た優里は腕に絡まっているののさん?の腕など構うことなく半ば引きずるように出口に歩いていく。僕はそんな二人を見て、戸惑いながらも優里に従うことにした。
「分かりましたの!本当はタダの観光で連れてきてもらったのですの!」
早口で自分がここに来た理由をいったののさん?は
「なので、行かないでくださいの。那珂様〜」
目をウルウルさせて、優里を見たののさん?を見た僕はあまりにもののさん?が可哀想だったので優里を引き止める。
「ねぇ。優里、もう少しここにいてもいいんじゃないのかな?」
「…………シャルルが言うなら」
と席に戻った優里だが、そのののさん?の隣に座ることは無く、僕の隣に腰を掛ける。
「改めて、那珂様の恋人。志真埜 雪乃ですの」
ぶぅー!!
飲んでいたジュースを思わず吹き出し、ごほんごほんと咳き込む僕。その横はすごい剣幕でののさんを睨むと素早くつっこむ。
「クラスメート。た・だ・の・クラスメートですよ、シャルル。たく、恋人なんて嘘をそんなにどうして堂々と言えるんですか……」
「そんな。那珂様ったら、酷い。あんなに愛し合った仲ですのに……」
「愛し合ってなどいません。貴女が勝手に愛し合っていただけです」
「もう〜那珂様の照れ屋さん♪」
「……えっと……」
僕が馴染みきれず、二人を交互に見ていると優里はこっちを見て
「こちらは今の学校のクラスメートのシャルル・デュノアさんです」
「よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げるが、相手は僕を睨んだままでピクリとも動かない。そして、突然僕を指すと
「那珂様。こんな優男の何処かいいですの!?」
と叫んだ。途端、ポカンとする僕と優里。
「こんな優男よりワタクシの方が那珂様を愛していると思いますのに!!」
「シャルルは優男などではありませんよ。ののさん、シャルルは夜叉ですよ。私が何もしてないのに、追い詰めるんですよ?そんな人が優男なわけありません」
「なら、尚更ですの!!ワタクシと……」
「フフフフ………」
「「!?」」
僕を見て、言い訳を始める優里。
「あの……、シャルル……さん……?なんで、いつにも増してニコニコしてるんですか?それにその後ろのどす黒いオーラは……?」
しかし、時は既に遅し。
「……ごめんなさい。ののさん、ちょっと優里と席を外すけどいいかな?」
「なぜ、貴女がののさんって気安く……」
今まで僕に食ってかかっていたののさんは僕見て震え出すとどうぞと通路を指差す。
「いいかな?」
「いいですの…………」
「……ありがとう」
僕は隅へと優里の手を握り、連れて行く。
後書き
という訳で、オリジナルキャラ ののさんこと志真埜 雪乃さんの登場です。
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