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1.東方神無異伝

作者:クシャル
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〜初企画〜 紅魔館に泊まろう! 後編

時は過ぎ、夜。

白夜は紅魔館門前にいた。

白(門番はいつも通りシエスタしてるし••••••。

食べ物とか置いてあったら気がつくかな?)

イタズラ気分で手作りのサンドウィッチを置く。

そして、門を飛び越えて紅魔館の正面扉を開く。

咲「お待ちしていました。

ご案内します、どうぞこちらへ。」

白「••••••言葉と行動があってないぞ••••。」

咲夜は手をわきわきと動かしながら近づいてくる。

咲「はっ!

お嬢様のご友人にご無礼を!

申し訳ございません、では今度こそご案内します。」



咲「お嬢様、ご友人をお連れしました。」

白「よっ、レミリア。」

レ「あら、いらっしゃい。」

フ「あっ、白!」

白「フランか、地下室以外に出してもらえるようになったんだな。」

フ「うん!

お姉様と仲直りしたからね!」

白「そうか、良かったな。

それより、二人で何してるんだ?」

レ「チェスよ。

部屋をあさってたら出てきたから一緒にやってるの。」

白「ほ〜、懐かしい••••••な••••。」

ーーー••••何で?

ーーー俺はチェスなんてやったことないし、ましてや聞いたこともないぞ••••••?

知らない言葉なのに、懐かしいと言葉をこぼす自分に白夜は困惑する。

フ「••••白?

どうしたの?」

心配そうにフランが白夜を見上げる。

白「あ、いや、何でもないんだ。

それにしても、フランはチェスができるなんてすごいな。」

フ「お姉様に教えてもらったの!」

白「そうか、良かったな。」

白夜は笑ってフランの頭を撫でる。

レ「あー、今更だけどいつまで立ってるの?」

白「忘れてた、座らせてもらうか。」

白夜が椅子に座り少しすると、咲夜がケーキと紅茶を持って入ってくる。

咲「失礼します、紅茶とケーキをお持ちしました。」

レ「ああ、ありがとね咲夜。」

咲夜はケーキと紅茶を並べると、戻っていった。

白「••••••••••。」

レ「どうしたの?

固まっているわよ?」

白「はっ、な、何でもないんだ。

ただちょっと、美味しそうだなーって思っただけで、もっと食べたいとは思ってないから!

別に激甘ケーキワンホール食べたいとか思ってないから!」

レ「甘いもの好きなの?」

白「大好きというか、なければ生きていけないというか、愛していると言っても過言ではないというか••••••。」

レ「好き••••なのね。」

困ったように微妙な顔をするレミリア。

レ「ま、まぁ気にしないで食べましょう?

夜食までは時間があるし、なくなったら咲夜がまた作ってくれるわ。」

ぱあああっと白夜が嬉しそうな顔をする。

白「やったね、それじゃ遠慮なくいただきまーす!」

フ(甘いものたくさん食べて、肥らないのかなぁ?)

美味しそうに食べる白夜に続き、レミリアとフランもケーキを食べた。




レ「さてと、さきにお風呂に入りましょう?」

フ「お風呂〜!」

白「お風呂って何?」

首を傾げて尋ねる白夜に、驚くレミリアとフラン。

レ「えっ••••••、知らないの?」

白「前に来たとき、メイド長がビデオカメラを装備してレミリアの入浴中に入って行こうとしたのは止めたけど。

もしかして、入浴の別称みたいなものか?」

レ「うんまぁ••••、そんな感じね。

っていうか咲夜は何してるのよ••••••。」

頭を悩ませるレミリア。

フ「白はお風呂入ったことないんでしょ?

今まで髪とか体はどこで洗ってたの?」

白「あー••••••、川の水かな。

いつも水で洗ってた。」

レ「下手したら風邪ひくわよ。

まぁ、この際入っていけば?」

白「そうだな、そうさせてもらうよ。」

フ「それじゃあレッツゴー!」




紅魔館の女湯前。

レ「あ、うん••••••。

貴女も女子なのね••••••。

ってそのまま入る気⁉︎」

白「いつも服着たままだったから••••。

違うのか?」

レ「お風呂は服着たまま入らないわよ?」

レミリアは白夜にいろいろ説明する。

白「なるほど••••。」

レ「外には温泉もあるんだって。

幻想郷にはないけれどね。」

フ「お姉様〜白〜入ろうよ〜!」

既に準備が終わっていたフランが、浴室内から呼びかける。

レミリアと白夜は呼びかけに応じると、準備を始めた。

白「••••••••••よし。」

白夜は腰にタオルを巻いて準備をし終わった。

同時に準備が終わったレミリアは、その姿を見てどこの男子だというツッコミをギリギリのところで飲み込んだ。

レ(まったく••••、どこまで男勝りなのかしら?

••••••••••あら?)

白夜の体には、おびただしいほどの数の生傷や古傷があった。

しかも、都合のいいことに服で隠れて見えないところだけ。

レ「ちょっと、その傷どうしたの?」

白「ん〜?

ああこれ、寝ぼけてていろんなところをぶつけたんだよ。

レミリアが心配するほどのことでもないし、しばらくしたら綺麗さっぱりなくなるから大丈夫だ。」

いや嘘でしょ、とレミリアはツッコもうと口を開いたが、すぐに閉ざしてしまった。

白夜の痛々しい笑顔が、これ以上聞くなと語っていた。

レミリアはため息を吐き、ツッコミを入れる代わりに風呂に入ろうと提案した。

フ「遅いよ〜。」

白「悪い悪い、レミリアにレクチャーしてもらってたんだ。

それにしてもでかいな。」

幻惑魔法で傷を見えなくした白夜は、大きな浴場を見渡す。

フ「お客様がたまに来るからね〜、シャワーだってついてるんだよ。」

白「吸血鬼は流水に弱いんじゃなかったか?」

フ「流水には弱いよ〜。

でもね、なんか特別な魔法がかけられてて、ここなら流水なんてへっちゃらだよっ!」

白「な、なんとも都合がいいな。

俺はシャワーでも浴びてから入るか。」

フ「あ〜、私も〜!」




フ「気持ちよかった〜。」

レ「風邪ひかないようにしっかり拭き取るのよ。」

白「あれ、俺の服がない。

••••••••そういえば、メイド長はどうしていないんだ?

こんなときこそ来るはずだろ、止めるやついないし。」

白夜はフラグを建ててしまった。

バンッと扉が勢いよく開かれる。

そこに立っていたのは咲夜だった、しかもビデオカメラを装備して。

白「あ、やっぱ残って止めればよかった。」

咲「素晴らしきお嬢様方!

ここが私のエデンッ••••••‼︎」

鼻血を出しカメラをまわしつつ親指を立てる。

いきなりのことに固まっていたレミリアは、意識を取り戻し赤面しながら咲夜にツッコむ。

レ「咲夜ああああ‼︎‼︎

カメラを今すぐ止めなさい‼︎」

咲「ふっふっふっ、いくらお嬢様でもその命令は受け付けませんわ!」

レ「ほんといつからこうなったの⁉︎

っていうか白夜、貴女も撮られてるのよ⁉︎」

白「へ?

意味がわからーーーいや、何で鼻血出しながらにじり寄ってくる?

おちつけメイド長、俺は違うだろ。

レミリアもフランもいるぞ?

俺は部外者だぞ?

俺にカメラを向けなくてもいいだろ。

だからにじり寄って来るんじゃない!」

何故だか分からないが、白夜の勘が『捕まったら終わる(いろんな意味で)』と警告していた。

咲夜がにじり寄ってくる度に、白夜は後退する。

しかし、このままでは壁に引っかかって game over なのは目に見えていた。

白「つうか、絶対俺の服とっただろ、このメイド長。」

レ「私たちの服まで丁寧にないわ。」

白「仕方ない、脱出する!

レミリアとフランはタオルを巻いたまま逃げるぞ!」

フ「鬼ごっこ?」

白「危険すぎる鬼ごっこだ、俺たちは逃げる側だがな。

レミリア、フラン、掴まれ!」

レミリアとフランが掴まったのを確認すると、玉座の間に転移した。

白「とりあえず、一番大事なのは服だな。

俺の服はどうにでもなるからいいけど、レミリアとフランは着慣れたもののほうがいい。」

レ「フランと私の服なら、私の部屋にあるわ。

私の部屋に行きましょう。」

フ「咲夜に見つからないように行かないとね。」

白「っていうか、時を止められたら困るんだが。」

レ「大丈夫よ、あの状態の咲夜は能力を使わないの。」

白「優しい••••••のか?

まあいいや、徘徊しているはずだし気をつけて行こう。」

作戦会議が終わると、白夜たちはレミリアの部屋を目的地として移動し始めた。




白「••••••よし、まわりには誰もいない。

今のうちに着替えてしまおう。」

レ「まさか自分の部屋に行くまで、一時間もかかるとはね••••••。」

白夜が気配をよんでいたので見つかることはなかった。

しかし道を拒むかのように咲夜が徘徊していたため、なかなかレミリアの部屋にたどり着けなかったのだ。

レ「これで安全ね、まさか咲夜があそこまで壊れていたとは思わなかったわ••••••。」

白「ま、まあな、それじゃあ戻るか。」

転移して玉座の間に戻ってきた白夜たち。

咲「お待ちしておりました、夜食の用意が整いましたわ。」

ちょうどいいタイミングで咲夜が入ってくる。

レ「そう、行きましょうか。」

さきほど、あんなことがあったにも関わらず、平然とした態度をとっているレミリアに白夜は感心した。

慣れって、大事だなーーーと。

その後、白夜たちは夜食を済ませて夜が更けるまでトランプなどをして遊び(罰ゲーム有)、夜更けと同時に眠りについたのだった。

もっとも、白夜は少し仮眠をとりレミリアとフランが熟睡したのを確認すると帰ってしまったが。

こうして、白夜のお泊まり会は幕を閉じたのだった。 
 

 
後書き
咲夜さんェ••••••、咲夜ファンの皆さん、申し訳ありませんでした!

咲夜さんにももっと出番を与えたい••••••••!

改行をたくさん使っていますが、見やすくするためなので気にしないでください。

それにしても、珍しく長編ですね••••••。

俺はもう、燃え尽きたぜ••••。

一話一話の話は短いですが、区切り的な問題もあるんですよね。

なので、どうしても短くなってしまいます。

その分話数でカバーしたいなぁと思ってたり••••••。

次は何にしよう。

こんな話はどうかな?という提案がありましたら、詳しく書いていただければ採用するかもしれませんね。

頑張って他力本願にならないようにせねば••••••。 
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