オズのベッツイ
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第十一幕その十
「比べたら駄目ですよ」
「そうなのね」
「はい、この宮殿も大きいですし。それに」
「それに?」
「奇麗ですよ」
「大理石がぴかぴかしているじゃない」
ハンクも言ってきました。
「だから充分過ぎる程ね」
「奇麗で充分だっていうのね」
「僕はそう思うよ」
「これだけ奇麗でしかもあんたが言う程小さくないから」
猫は宮殿の大きさについても指摘します。
「全然大丈夫よ」
「だといいけれど」
「それじゃあこれからよね」
またベッツイがアンに言いました。
「皆で」
「ええ、たっぷり食べてもらうわ」
「フランス料理にイタリア料理、ドイツ料理を」
「本格的な宮廷料理だから」
それをというのです。
「これから楽しんでもらうわ」
「それじゃあ」
こうしてです、皆は王宮の食堂の中にも案内してもらいました。そこもまた非常に奇麗な黄色の大理石のお部屋でした。
そのお部屋の中に入ってです、皆で。
次から次に運ばれて来る宮廷料理を食べます、宮廷料理といってもです。
パスタやソーセージもあります、神宝はトマトとガーリック、それに茄子のスパゲティを食べながら笑顔で言いました。
「いや、王女さんの言われた通り」
「美味しいわね」
「はい、とても」
こうアンに言うのでした。
「美味しいです」
「それじゃあね」
「このパスタもですね」
「食べてね、そしてね」
「その次のお料理もですね」
「遠慮なくて」
食べて欲しいというのです。
「是非ね」
「わかりました、それじゃあ」
「この茄子やトマトも黄色ですね」
ジョージはアンにこのことを尋ねました。
「ウィンキーの国だけあって」
「そうよ、見ての通りよ」
「そうですよね」
「けれど美味しいでしょ」
「はい、最高のお野菜です」
色は違えど、です。
「とても美味しいです」
「だからね」
「このお野菜もですね」
「食べてね」
「わかりました」
「お野菜のお料理もまだ来るから」
「さっきはサラダが出て」
カルロスも言ってきました。
「さらにですね」
「そう、お野菜のお料理はまだあるから」
「王宮ではお野菜もよく食べるんですね」
「果物もね」
こちらもというのです。
「よく食べるわ」
「姫様はお野菜と果物が大好物なのです」
ここで控えていた従者の人が言ってきました。
「好き嫌いなく召し上がられます」
「美味しいからよ」
そのアンがにこりと笑って言ってきました。
「それでなのよ」
「美味しいからですか」
「そう、だからよ」
それでだと言いつつ実際にそのお野菜もたっぷり入っているスパゲティをフォークを使って食べていきます。
「この通りね」
「召し上がられるんですね」
「いつもそうしているの、勿論お魚やお肉も好きよ」
そちらもというのです。
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