詩集「棘」
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来るはずもない手紙
来るはずもない手紙を待っている
郵便配達のバイクの音に耳を澄ます
梅雨の入り口 湿った風横切る
癖のある髪を撫でるように
毎日の同じ時刻に来る淋しさ
運んで来るのはいつも通り 軽いため息
あるはずもない君からの手紙 待っている
どうしてこうも無いと解って求めるの?
君から来る心の形 手にしたいのは
これも愛ゆえの…欲望…
強い陽射しが部屋へ差し込む
いつものこの時間 心なぜか強張る
ほんとは知ってる それでも期待してる
馬鹿らしい自分…笑ってしまう…
でも…噴き出す幼稚なこの想いを
タバコの煙りで片隅へと追いやって…
来るはずもない君からの手紙 待っている
なぜいつもこんなに心ざわめかせるの?
君から来る想いの形 触れたいのは…
これも愛ゆえの…切望…
来るはずもない手紙ずっと待っている
届くことがないなんて解ってるのに…
郵便配達のバイクの音に耳を澄ます
運んで来たのは…軽いため息だけ…
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