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FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~

作者:山神
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シリルvs.シリル

エドラスのエルザと戦っているエルザは・・・エルザside

「「フンッ!!」」

私とナイトウォーカーの剣がぶつかり合い、近くにあった石像が壊れる。こいつ・・・強い!

ドガガガガガガ

『うわああああ!!』
「!!なんだ!?」

どこからか何か大きな音と声が聞こえてきた。今の声は・・・シリルか!?

「ほう・・・この魔力・・・奴も動き出したか」
「奴?」

ナイトウォーカーが何かを言っているが・・・奴とは一体・・・

「我がエドラスの最強の魔導士、シリル・ブランド。奴の使う魔法は強力だ。何人(なんぴと)たりとも、勝つことはできない」
「何!?」

シリルは今、エドラスのシリルと戦っているのか?エドラス最強の魔導士・・・そんな奴にシリルが勝てるのか?

「どうした?スカーレット。気が散っているようだが?」
「黙れ!!」

私はナイトウォーカーに斬りかかり、ナイトウォーカーはそれを受け止める。
私たちの力は互角・・・シリルを助けにいくのは、時間がかかりそうだな。
負けるなよ!シリル!!















シリルside

「水竜の・・・咆哮!!」

俺がブレスを放つと、ブランドは杖を使って魔方陣を書き上げる。

第二水魔法(セカンドヴァッサァマジェス)洪水(フラッド)!!」

今度の魔方陣からは大量の水が流れてきて、俺のブレスと衝突する・・・けど・・・あっちの方が勢いがあるか?
勢いに押されて、俺に大量の水が迫ってくる。でも、水なら飲めばいいだけの――――

「ぐあああ!!」
「シリル!!」

俺が水を吸い込もうと口を開けたけど・・・吸い込むことができずに俺は水に飲み込まれる。
水に飲み込まれた俺をセシリーが引っ張り出してくれ、しばらくすると水が引く・・・なんで今の水を飲めなかったんだ?

「ふっ・・・なぜ?と、言った顔だな」
「俺は水の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)なのに・・・なんで今の水は飲めないんだ?」

俺はセシリーに降ろしてもらい、ブランドに向き直る。ブランドは前髪をいじりながら答える。

「俺も坑道にきたナツを・・・アースランドのナツを見て驚いたよ。まさか、炎を普通に食らうとはな」
「ナツさん・・・何やってんですか・・・」

みんなを助けるために、坑道に行ったんじゃなかったのか?

「それで、調べてみたら、アースランドの滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)は、自分と同じ属性の物を一瞬で食えるそうではないか。だから俺は、少し魔方陣を改良して、どんな魔導士であろうと吸収できない水魔法を作り上げた!」

魔方陣を改良って・・・そんなことできるのか!?
ブランドは杖を俺に向ける。

「そういえば、名前を聞いてなかったな。貴様の名は?」
「俺はシリル・アデナウアー。アースランドのお前だよ!!」
「!?」

ブランドはそれを聞くと、一瞬驚いた顔をする。しかし、すぐににやけた顔になる。

「ほほう。さすが俺!女になっても美しいのだな」
「俺は男だよ!!」
「何!?」

こいつも女だと思ってたのか・・・マジでショック・・・

「そうか、男か・・・ならば!」

ブランドはそういって魔方陣を作る。それにしても魔方陣を書く速度が・・・早い!!

第三水魔法(サードヴァッサァマジェス)津波(タイタルウェイブ)!!」

今度は津波が出てきた!!一体何種類の魔法があるんだ!?

「うおっ!!」

俺は津波を辛うじて避け、俺は全速力でブランドに突っ込む。
奴の弱点は魔方陣を書かなければならないこと!近距離での戦いなら・・・魔方陣を書く暇はないはず!!

「水竜の鉤爪!!」
「くっ!」

俺の蹴りをブランドは杖を使って受け止める。しかし、多少の効果はあったようで、後ろに下がる。

「はっ!」
「やぁ!」

ブランドは杖を持っていない右手で俺に殴ろうとし、俺もパンチを入れようとする。だけど・・・よく考えたら俺の方がリーチ短いから届かなくね?

「ぐはっ!」
「もういっちょ・・・お!)

ドンッ

「がはっ!」

ブランドの拳が顔に入ったあと、そのまま懐に蹴りを入れられる。俺はあまりの痛みに、尻餅をつく。

「シリル~!!」
「だ・・・大丈夫・・・」

心配したセシリーが飛んでくる。それにしても・・・遠距離だと魔法、近距離だと格闘・・・万能だな。

「ふっ。まだ立てるのか。ならば!!」

ブランドの杖がまた魔方陣を書き始めた!!だけど・・・魔方陣を書いてる最中のあいつは無防備だ!!

「水竜の咆哮!!」
第二水魔法(セカンドヴァッサァマジェス)洪水(フラッド)!!」

俺の魔法をギリギリで書き終えた魔方陣から出した魔法で受け止める。だけど!!

「ああああああ!!」
「何!?」

俺は目一杯叫びながらブレスを出し続ける。あまりの近距離でブレスを受けたため、俺の魔法がブランドの魔法を押し始める。
そして、俺の魔法がブランドを捉える!

「うあああああああ!!」

水に飲まれてブランドは宙を舞い、地面に叩きつけられる。

「はぁ、はぁ・・・」
「やった~!!シリルの勝ちだね~!!」

セシリーが俺に飛び付く。なんだ、対したことなかっ――――

「ふぅ・・・さすがアースランドの俺だな。アデナウアー」
「「!!」」

ブランドは傷を負いながらも、ゆっくりと立ち上がる。

「う・・・ウソ・・・」
「まともに食らったはずなのに・・・」
「おいおい。まさか、あれで勝ったと思っていたのか?」

ブランドはそういって杖を振る。

第一水魔法(ファーストヴァッサァマジェス)濁流(マッディストリーム)!!」
「「うわああああ!!」」

荒々しい大量の水に、俺とセシリーは飲み込まれてしまった。

















その頃・・・ウェンディたちは・・・ウェンディside

「あ・・・あいつら・・・」
「確か堕天の・・・」
「人間までいる」

私たちのようやく、エクスタリアに到着しました。でも・・・本当に猫ばっかり・・・

「人間だ人間だー!!」
「うわぁ!初めて見た!!」
「何しに来たのかなぁ・・・?」
「どうなってるんだ?」
「堕天が・・・」
「人間を連れてきたぞ!」

みんな私を見て驚いたり怯えたりしている。人間を見るのが初めてみたい・・・だけど、今はそれどころじゃないの!!

「女王様に会わせてください。このエクスタリアに危険が迫っています」

私が女王様に会わせてほしいと言うと、みんなざわめいてしまう・・・

「どいてどいてー!!ぼきゅを通して!!」
「あ!ナディ様!!」
「ちょうど良いところへ!!」

猫たちの群れの中を、黒いひょろ長い顔の猫が掻き分けてくる。その猫は私たちの前に、手を振りながらやってくる。

「君たち困るよ!!堕天と人間は、エクスタリアへの侵入は禁止だよ!」
「そんなこと言ってる場合じゃないの。あんたたち、命が惜しかったら言うことを聞きなさい!」
「君を追いかけたニチヤさんたちは、どこに行ったんだよ~!!」
「・・・王国軍に、魔水晶(ラクリマ)にされたわ」

シャルルが言うと、みんな固まる・・・だけど・・・

「「「「「プッ、あははははははははは!!」」」」」

すぐに大笑いに変わってしまう。まさか・・・信じてもらえてないの!?

「我がエクスタリアの近衛師団が、人間なんかにやられる訳がねぇ!!」
「寝言言ってんじゃないよー!!」
「本当なの!!王国軍は次に、ここを攻撃する!!」
「どうでもいいね」
「女王様がすべて魔法でぶっ飛ばす!」
「そうだそうだ!!」

みんな信じてくれてない・・・このままじゃ、みんな危険なのに!!

「みんな!!逃げなきゃ大変なことになるのよ!!」
「黙れ人間!!」
「きゃっ!!」
「ウェンディ!!」

一人のエクシードが、私たちに向かって石を投げる。それを皮切りに、みんなが一斉にこちらに石を投げてくる。

「女王様の魔力も知らねぇくせに!!」
「俺たちはエクシードだぞ!!」
「人間より偉いんだ!!」

次々に投げられてくる石、私とシャルルは頭を隠す。

「人間と堕天は出てけ!!」
「ここは女王の納める国、エクスタリア!!」
「人間には負けない!」
「女王様がいる限り!!」

みんな休むことなく石を投げてくる・・・このままじゃ・・・シャルルがケガしちゃう・・・

「そんなに・・・そんなに人間が嫌いなら、私を好きにして!!でもシャルルは違う!!あなたたちの仲間でしょ!?シャルルの話を聞いて!!お願い!!」

私は力いっぱい叫んだ・・・だけど・・・みんなは石を投げるのをやめない・・・私はシャルルを守るため、シャルルを抱き締める。

「どうして・・・どうして・・・」

シャルルはみんなにわかってもらえない悲しみで、涙を流してる・・・どうすればいいの・・・シリル・・・助けて・・・
私も何もできない悔しさと信じてもらえない悲しみで、涙を流した・・・



















『シリル・・・助けて・・・』
「!!」

俺は声が聞こえて、体を起こす。

「どうしたの~?」
「今・・・ウェンディの声がした・・・気がする・・・」
「え~?そんなバカな~」

俺は辺りをキョロキョロと見回す。だけど、エクスタリアにいったはずのウェンディがここにいるはずないし・・・

「気のせい・・・かな?」
「なんだ?勝負の最中に女のことを考えるとは・・・ずいぶんと余裕だな、アデナウアー」
「!!」

いつのまにかブランドはこっちに接近してきていた。俺は立ち上がって距離を取る。

「アースランドの俺が気になる女か・・・どんな奴か気になるなぁ」
「ウェンディだよ。知ってるだろ?エドラスのお前とウェンディも、付き合ってるって聞いたぞ?」
「ウェンディ・・・?知らんなぁ、そんな奴」
「!!」

ウェンディを知らない・・・だと?こいつ・・・なんでウェンディを忘れてるんだ?

「覚えて・・・ないのか?」
「ああ・・・覚えてないな」
「てめぇ!!」

俺はブランドに殴りかかる。ブランドはそれを受け止める。

「ブランドーー!!」
「どうした?怒りは体に良くないぞ?」

ブランドはまったく気にした様子がない・・・許せない!!ウェンディを忘れてるなんて!!

「ウェンディは・・・エドラスのウェンディは!!お前のことをずっと待ってるんだぞ!!」
「そんな誰だか知らん女に待たれてもなぁ・・・」
「水竜の鉄拳!!」
「ぐはっ!」

俺の鉄拳が顔に決まって、ブランドはよろける。

「許さねぇ・・・お前は絶対許さねぇ!!」
「いいパンチだな・・・だが・・・うっ!」

ブランドは突然苦しみ出して、頭を抱える。どうした?

「誰だ・・・お前・・・来るな・・・」
「な・・・なんだ?」
「洗脳・・・シリル~!洗脳じゃないの!?」

セシリーが俺のズボンの裾を引っ張る。そういえば、ブランドは洗脳されてるんだっけ?もしかして・・・いや、絶対それのせいでウェンディのことを忘れてるんだ!!

「さっきシリルが殴った衝撃で、記憶が戻りかけてるんじゃないの~?」
「そうなのか?」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・」

ブランドは落ち着いたのか、肩で息をしたあと、大きく深呼吸をしてこちらを向く。

「ふぅー・・・やれやれ・・・俺としたことが、取り乱してしまったな」
「ウェンディでも出てきた?」
「さあ・・・俺にもよくわからん・・・」

ブランドは首を横に振る。エドラスのウェンディの特徴って確か・・・

「藍髪のスタイルのいい女の人でしたか?」
「なっ!?なぜわかる!!」

どうやらエドウェンディのようだ。洗脳で記憶をなくしても、潜在的にウェンディのことを忘れている訳ではないんだな。

「それがお前の恋人だよ」
「バカな・・・なら、なぜ俺はこいつの名前を思い出せない!?」

ブランドは頭を抱える。そりゃあ洗脳されて記憶がないんだからな・・・

「その女の人がお前をずっと待ってるんだぞ」
「黙れ!!俺は・・・永遠の魔力のために・・・」
「永遠の魔力と恋人と、どっちが大事なんだよ!!」
「・・・」

ブランドは黙ってうつむく・・・迷っているようだな。もう一押しでいける!!・・・んじゃないかな?

「思い出せ!!ウェンディのことを!!仲間のことを!!」
「うるせぇ!!」

ブランドは魔方陣を書き、そこから洪水が出てくる。その水が俺を飲み込む。

「シリル~!!」
「ふっ・・・これなら・・・!!」

ブランドは俺を倒したと思ったようだけど・・・俺はほとんど傷もなく立っていることができた。

「さっきまでの威力がなくなったな。どうやら、お前自身が迷っているんだな」
「くそっ・・・俺は・・・」

ブランドは後ろに下がると、さっきまでの魔方陣とは少し違う魔方陣を書き上げる。なんだ?あの魔方陣。

煉獄砕波(アビスブレイク)!?」
「知ってるの?セシリー」
「アースランドで禁忌魔法になってる魔法だよ!!すごい破壊力のある魔法らしいよ~!!どんなのか見たことはないけど~・・・」

セシリーが慌てながら言う。禁忌魔法って・・・なんでそんなの使えるんだ?

「俺は、永遠の魔力のために、負けられない!!」

ブランドが魔方陣に魔力を溜める。

「シリル~!!避けないとヤバイよ~!!」
「いや・・・あえて勝負してやる」
「な・・・なんで~!?」

セシリーは当然のように驚く。だけど、俺には勝算がある!!

「あんなに精神が乱れてる奴に、負けるわけにはいかない!!」

エドラスのウェンディのために!妖精の尻尾(フェアリーテイル)のみんなのために!魔水晶(ラクリマ)を止めようと頑張ってるナツさんたちのために!エクスタリアに危険を知らせにいったウェンディたちのために!
俺は・・・勝つ!!

「滅竜奥義!!」

俺は右腕に魔力を溜めて、ブランドに手を向ける。

煉獄砕波(アビスブレイク)!!」
「水中海嵐舞!!」

俺の滅竜奥義とブランドの禁忌魔法がぶつかり合う。水と闇、二つの魔法の力は互角のように見える。だが・・・

「なっ・・・」

俺の魔法が次第にブランドの煉獄砕波(アビスブレイク)を押していく。

「バカな・・・あり得ん!お前たちの世界の禁忌魔法なのだろ!?」
「そうらしいな。だけど・・・魔力だけでは、勝てないときもあるってことだーー!!」
「うわああああ!!」

ブランドは水に吸い込まれ、水が引いたときにはボロボロの姿に変わり果てて現れる。どうやら、気を失っているようだな。

「やった~!!今度こそ勝った~!!」

セシリーが喜んで走り回る。
俺はブランドに歩みよっていく。

「生きてる?」
「・・・なんとかな・・・」

意識を取り戻したブランドは上体をなんとか起こす。やり過ぎたか?だけど・・・これくらいやらないと、俺がやられてたからな。

「ウェンディのこと・・・思い出したか?」
「ああ・・・全部思いだしたよ・・・ありがとな、アデナウアー・・・いや、アースシリル」

エドシリルは口角を上げる。良かった~、これでエドラスのウェンディも大喜びだな。さて、本題に入るか。

「エドシリル、さっそくで悪いんだけどさぁ・・・俺たちの仲間を助けるの手伝ってよ」
「お前は鬼か!?」

エドシリルはよっぽど疲れたのか、もう少し休みたいといった顔をする。そりゃあ俺だって疲れたわ!だけど・・・

「早くしないとみんなが大変なことになるんだよ!!」
魔水晶(ラクリマ)とエクスタリアにぶつける作戦のことか?確かにぶつかってからでは取り返すがつかんからなぁ・・・」

エドシリルは俺の肩をつかんでゆっくりと立ち上がる。

「どうすればいいの?」
「ぶつけるのを阻止するには、鍵を手に入れるのが一番だと思うが・・・」
「鍵?」

エドシリルの言葉に俺は?マークを浮かべる。

滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)から奪った魔力は、竜鎖砲という物を動かすための動力源に使っている。要は鍵を壊してしまえば竜鎖砲を使えなくなり、魔水晶(ラクリマ)をエクスタリアにぶつける手段がなくなるのだよ」
「本当か!?」
「ただし、デメリットも一つだけ存在する」

エドシリルは人差し指を立てる。デメリット?

「滅竜魔法で魔水晶(ラクリマ)を元に戻せるのは知っているだろ?」
「うん。滅竜魔法で砕いて戻すって言われて、実際に戻ったからね」
「竜鎖砲は大量の滅竜魔法が集まった魔法なんだ。つまり、それを魔水晶(ラクリマ)にぶつけると、全員元の姿に戻れる・・・鍵を壊すと、それが出来なくなってしまうんだ」

それがデメリットか・・・だけど、こっちには滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)が四人もいるんだ。鍵なんかなくても大丈夫だろう。

「・・・まさか、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)が何人もいるから、鍵がなくても大丈夫・・・とか思ってないだろうな?」
「え?ダメなの?」

俺がそういうと、エドシリルは額を押さえてため息をつく。

「お前なぁ・・・元に戻すのに、一体何日かかると思ってるんだ?明日には魔力抽出が始まる、滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)がたった数人じゃ、全員を元に戻すのは不可能だ。時間的にな」

そ・・・そうなのか?となると、やっぱり鍵を手に入れて直接魔水晶(ラクリマ)に竜鎖砲と言うのをぶつけるしかないか・・・

「その鍵は誰が持ってるの?」
「おそらくバイロじゃないか?背の低いじじぃなんだが・・・」

背の低いおじさんか・・・よし!それならそいつを見つけるか!!

「だが、鍵は俺に任せろ。お前はエクスタリアに向かえ」
「え?なんで?」

いきなりやる気を削がれてしまう・・・せっかく乗ってきたのに・・・

「エクシードたちを避難させろ。コードETDが失敗すれば、王国軍はなりふり構わずにエクシードを魔水晶(ラクリマ)にしようとするはずだ」
「それなら大丈夫。エクスタリアにはウェンディが・・・アースランドのウェンディがもう行ってるから」
「何!?」

俺がそう言うと、エドシリルは俺の胸ぐらを掴む。どうした?

「ウェンディ一人でか!?」
「いや・・・シャルルも一緒に・・・」
「あの堕天と二人でか!?バカかお前!!」

エドシリルはものすごい表情でそう言う。何が悪いんだ?

「いいか!!エクシードたちは人間を劣等種だと思ってる!!おまけに堕天のことも皆嫌っている!!そんな二人がエクスタリアに行ったら、信じてもらえない上に、ひどい目に合わされるのが関の山だ!!」
「!!」

マジか!!ウェンディたちにひどいことなんて・・・そんなことさせられない!!

「アースシリル!!こっちは俺がなんとかしよう!!お前はウェンディの元に早く行け!!」
「わかった!!みんなのことをお願い!!行こうセシリー!!」
「うん!!」

俺はセシリーにつかんでもらってエクスタリアへと向かう。ウェンディ!シャルル!無事でいてくれよ・・・















エドシリルside

アースシリルがエクスタリアへと急いで飛んでいった。さて、俺は俺のやるべきことをするか。

「ウェンディのことを思い出させてくれたからな。俺は受けた恩は必ず返す」

とりあえず、アースランドのグレイとナツに事情を話そう。間違って鍵でも壊されたら取り返しがつかないからな。
俺は二人を探すために走り出した。






 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか。
頭の中でイメージしていたシリルvs.シリルとは、書いていくうちに違くなってしまいました・・・(涙)
ウェンディの声がなぜ聞こえたのかは、天狼島編でわかるようにする予定です。
次回はシリルとエドシリル、二人の目線で進めていきます。
次回も宜しくお願いします。  
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