光明の魔導師〜眩き妖精の物語〜
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六魔将軍編〜ニルヴァーナを死守せよ!〜
大地の叫び "ニルヴァーナ"
「やべえな、こりゃ本格的にやべえ。」
何がやべえってもうすぐそこまで来てる。ニルヴァーナが。
魔力の充填も始まってる。
「おい!みんな!!今すぐここから逃げろ!ニルヴァーナが!!!!」
俺はありったけの声でギルドに向かい叫んだ。が、
「これが最初の一撃!!そこに形があるから無くすまで!!!ニルヴァーナ発射だあああ!!!!」
無慈悲な声が、木霊する。
同時、強大な魔力のビームが化猫の宿めがけて照射された。
「化猫の宿はやらせん!!!」
できるかどうかわからない。が、やるしかねえ!!
俺は右手を前に突き出し光皇護壁を出現させた、
「オオオオオオアアアァァァアア!!!!」
ダメだ!咄嗟に界法を組んだせいか不安定だ……
ドゴオオオオッ!!!!
直後、凄まじい衝撃波を残し、照射が終わる。俺の界法とニルヴァーナが相殺され、化猫の宿はなんとか守りきったようだ……が、
「持ってかれたか……」
〜ウェンディside〜
遺跡が振動したと同時、ギルドに向かって魔力が発射された。
「やめてええええええ!!!!」
どうして…私達のギルドを…!
「化猫の宿はやらせん!!」
声が。フーガの声が聞こえた。
「フーガ!!?」
無茶だよ!いくらフーガでもあれにぶつかっていくなんて!!
ドゴオオオオッ!!!!
衝撃波が止み、煙の向こうには無傷のギルドが見える。
「よかった……」
煙が晴れると、そこにはフーガがいた。
「っ!あれって……そんな……!」
フーガが呟いたのを、私は確かに聞いた。
「持ってかれたか…」
煙の先にいたフーガの、右肘から先が完全に消失していた。
〜ウェンディside out〜
痛え。頭がクラクラしやがる。
「自己再生は……可能だな。」
傷口の部分からパキパキと音がするので見てみると、骨がどんどん形成されていっていた。シュルシュルと筋繊維も絡みついていく。向こうの方でウェンディが物凄い驚いた表情をしていた。まあ無理もないだろうな、言ってなかったし。
「痛みもあんまり感じねえな、そういう仕様か?」
だがどうやらこの体、再生はできても血は作ってくれないようだ。
「やっべ、クラクラする…」
なんとか立つ事は出来たが貧血で目の前がチカチカする。
『みんな聞こえるかい!?誰か返事をしてくれ!』
頭の中に声が響いてきた。上空を見ると、天馬がよろよろと飛んでいた。
「俺だ、フーガだ。」
『フーガ君!大丈夫だったのかい!』
「なんとかね、右手は持ってかれたけど、修復は可能だ。」
『フーガ!!無事だったの!?ねえ!返事して!』
『あんたニルヴァーナ直撃してたでしょ!?いったい何があったの!?』
ウェンディとシャルルの声が念話を通じて入ってきた。耳がキーンってなるからやめて。
「防御魔法が不完全で防ぎきれなかった。ギルドは無事だ。俺の右手も再生中だ。つーか説明は後!急いでんだろ?」
『再生ってあんた…!』
「はいはい、詳しい説明は後な。で、ヒビキさんよ、どうかしたのか?」
『やっと見つけたんだ!ニルヴァーナの止め方を!!』
ついに見つけたか!いいタイミングだ!
『ニルヴァーナにある6本の足は大地の力を吸い上げ、それを中央のコアの魔水晶で動力にするんだ!』
「じゃあなんだ?中央のコアをぶち壊せばいいのか?」
簡単じゃねえか。
『いいや!足の付け根にある魔水晶と中央の魔水晶、全てを"同時に"壊さなければいけないんだ!』
「おいおい、同時にってどうやって…」
すると頭の中にゲージが現れた。
「20分?なるほど、これが…」
『そうだ。タイミングを計ってあげたいけどもう魔力がない。君たちならできると信じているよ。』
『無駄な事を…』
突如ノイズが入り、低く底冷えした声が響いてきた。
『誰だ!?』
「なんだ、死んでなかったのかブレイン。」
『てめえはあの時の金髪か。まあいい。俺はゼロ。六魔将軍のマスターだ。』
『六魔将軍のマスターだと!?』
『聞くがいい!魔導士たちよ!俺はこれより全てを破壊する!手始めにてめえらの仲間を3人破壊した。滅竜魔導士、氷の魔導士、星霊魔導士、それと猫もか。』
『そんな、ナツくんたちを…』
『6つの魔水晶とコアの魔水晶を破壊するとか言ったな!?俺は今そのどれか一つの前にいる!ハハハハ!俺がいる限り同時に破壊することは不可能だ!!』
ブツン、とゼロの念話が切れた。
『よくも仲間を……!!』
エルザの声が聞こえてきた。
『待って!今動ける魔導士が7人もいないわ!』
『わ、私破壊の魔法は使えません…』
確かにウェンディは使えないな。
『こっちは2人だ!』
右腕の方を見ると、あらかた修復は終えていた。皮膚はまだだが。
「手の修復は大体できた。俺もいけるぞ。」
『私がいるではないか。』
おお!おっさん!生きてたのか!
『まずい……念話が……』
「あと3人!誰かいねえのか!」
『グレイ、お前は誇り高きウルの弟子だ。こんな奴らに負けるんじゃない…』
リオンの声が聞こえる。
『私…ルーシィなんて大っ嫌い…ちょっとかわいいからって調子乗っちゃってさ……バカでドジで弱っちいくせに…でも死んだら嫌いになれませんわ…後味悪いから返事しなさいよ…』
シェリーもルーシィに呼びかける。
『ナツさん…』
『オスネコ…』
『ナツ……』
あんたらはこんなとこで倒れちゃいけねえ。だからさ、
「立ち上がれ!!妖精の尻尾!!」
『おう!!!!』
ナツの声が聞こえた。
『聞こえ……てる……』
『6つの魔水晶とコアを……同時に…壊す……』
続いてグレイも。
『運がいいやつはついでにゼロも殴れる……でしょ?』
ルーシィも続く。
『急がなきゃ……シャルル達のギルドがあるんだ………』
ハッピーもなんとか答えた。
『頭の中の地図に……番号を振った……全員どこへ行くか決めてくれ……』
そうだな、じゃあ
「俺はコアに行く。」
『1だ!!!』
『2!』
『3に行くわ!』
『私は4に行こう。ここから一番近いと香りが告げている。』
『教えているのは地図だ。』
いいツッコミだぜエルザさんよ。
『私は5に行こう。』
『では俺は、』
『お前は6だ。』
不意に誰かの声が聞こえた。誰だ?
ブツン!とヒビキの念話が切れてしまった。お疲れさん。後は俺らに任せな。
右手も回復したしな。
俺はひとっ飛びでウェンディ達のところへ行く。ジェラールとやらがいたが細かいことは気にしない。うん、後で事情を聞けばいい。
「フーガ!」
「心配かけてすまねえ。俺は今からコアへ行く。エルザ、それにジェラールだったか。ウェンディを頼んだ。」
「しかしフーガ、お前さっきの…」
「心配無用、むしろ暴れ足りないくらいだ。じゃ、行ってくる。」
と、強がっては見たものの、実際血が足りない。クラクラする。
「フーガ大丈夫なの?必ず帰ってこれる?」
「心配無用だっつってんだろ?大丈夫さ、問題はない。」
「コアは重要な部分だ。ゼロがいないにしてもなんらかの策を用意している可能性が高い。ノーガードではないだろう。」
と、エルザ。
「百も承知だ。今度こそ行く。」
そうして魔力を一気に開放した。
「フル・バーニアモード!!!」
ゴウッ!!!
全身が金色に輝き、魔力が吹き出した。
「ウェンディ達を頼んだ!」
そう言って中央の塔めがけ、他の人の目では到底見えない速度で飛んだ。
後書き
お久しぶりです!間があいてしまい本当に申し訳ございません!
今回のフーガの再生能力についてですが、イメージとしては鋼の錬金◯師のホム◯クルスのようなイメージです。(笑)
え?文字数が少ないって?……申し訳ないです。ここで切ったのには少し理由があります。次回、『ヤツ』が立ちふさがります。どうぞ、楽しみにお待ちください!
ご意見、ご感想等、とにかくジャンジャン寄せていただけるとありがたいです!今後の参考にさせていただきたいので『情け容赦ない』コメントをよろしくお願いします!
今回も読んでいただき、本当にありがとうございました!感謝の気持ちでいっぱいであります。それでは次回またお会いしましょう!
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