オズのベッツイ
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第十一幕その一
第十一幕 ウーガブーの国
銀の菖蒲を手に入れた一行は真実の池からウーガブーの国に向かいました、そのアンの祖国にです。
そのウーガブーの国に向かいながらです、カルロスはアンに尋ねました。お花はハンクの背中にコップと一緒にあります。
「昔はオズの国の端と端でしたね」
「ウーガブーの国と真実の池はね」
「そうでしたね、ウィンキーの」
「そうだったわ、けれどね」
それでもとです、アンはカルロスに笑顔で答えました。
「今は違うから」
「どちらもウィンキーの国の真ん中ですね」
「ええ、ウーガブーの国は北西の真ん中で」
アンはカルロスに応えてそのそれぞれの位置をお話しました。
「真実の池、一夫の村は南西の真ん中よ」
「それぞれですね」
「そう、それぞれの方角の真ん中にあるのよ」
こうカルロスにお話するのでした。
「今ではね」
「それだけオズの国が広くなったんですね」
「そうよ、それでね」
「それで、ですね」
「昔は端から端に行くことだったけれど」
「今は真ん中から真ん中にですね」
「行くことになったのよ」
ウィンキーの国の中で、です。
「そうなったのよ、ただね」
「その歩く距離はですね」
「変わらないから」
それ自体はというのです。
「端と端を行き来することにはならなくなったけれどね」
「歩く距離は一緒ですね」
「そう、そしてね」
アンはさらに言いました。
「ウーガブーの国も真実の池も変わっていないわ」
「最初の時からですね」
「ウーガブーの国は小さいわよ」
今もだというのです、アンの国は。
「村みたいなものよ」
「そうなんですね」
「そう、つまり私は村長だったのよ」
笑ってこうも言ったアンでした。
「そして今は村長の娘なのよ」
「王女様じゃなくて」
「ええ、そんなものよ」
「何かそう言われますと」
「田舎娘みたいだっていうのね」
「そう思えてきました」
「そうね、私は田舎娘よ」
自分でも言うのでした。
「長い間外のことは何も知らなかったね」
「田舎娘だったんですか」
「そうよ。本当に外のことは何も知らなかったわ」
オズの国を征服しようと思うまではです、本当にアンは何も知らない女の子だったというのです。けれど今はです。
「けれど今はね」
「違うんですね」
「そのつもりよ。まあ王女といってもね」
「そんなにですか」
「畏まる必要はないから、それにここはオズの国でしょ」
この国だからというのです、この不思議の国だからだと。
「オズの国には王女様が一杯いるじゃない」
「そうですね、確かに」
カルロスはベッツイを見ました、ここで。他ならぬこの娘も王女様です。そしてそれはドロシーやトロットも同じです。
「オズの国の中にも色々な国があって」
「そうでしょ、特別なものでもないから」
「そのこともあってですか」
「お友達よ、私達は」
王女やそうした立場に関係なく、というのです。
「ましてや貴女達はオズの国の大切なお客様だから」
「だからですか」
「私も大切にね」
「お友達としてですか」
「お付き合いしたいわ」
こう笑顔出言うのでした。
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