ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第十幕その八
「このテーマパークはいいね」
「うん、じゃあね」
「これが終わったらね」
「その後はね」
「またあの子達をね」
「見守ろう」
「さて、お静さんはどうしてるかな」
先生は自分達からかなり前の列にいるお二人を見つつ言うのでした。そこにいる筈のお静さんも観ています。
そしてです、こうも言うのでした。
「一体」
「大丈夫だと思うよ」
老馬がその先生に答えました。
「お静さんだからね」
「そのことはだね」
「しっかりとしてくれているよ」
「お静さんだからだね」
「本当にしっかりとしてるから」
そうした猫さんだからだというのです。
「ちゃんとやってくれているよ」
「それじゃあ」
「お二人の恋路はね」
「お静さんに任せて」
「そしてね」
そのうえで、というのです。
「僕達はね」
「見守ることだね」
「そうしよう」
こうお話してでした、先生達はお二人を見守りいざという時に備えるのでした。そして劇が終わってからです。
お二人は小劇場を出ました、ガラの悪い人達もです。
外に出ました、ガラの悪い人達はといいますと。
「ああ、別の方に行くね」
「お二人とはね」
「正反対の方に行ったね」
「あっちは射的場だよ」
ガラの悪い人達はあちらに行ったというのです。
「そっちに行ったよ」
「お二人はミラーハウスに行ったよ」
「そっちの方にね」
「そう、ミラーハウスなんだ」
先生はそう聞いてでした、少し考えてからです。
皆にです、こうも言ったのです。
「それじゃあね」
「僕達もだね」
「ミラーハウスに行って」
「それでだね」
「見守るんだね」
「そうしよう、それじゃあ行こう」
そのミラーハウスにです、こうお話してでした。
先生達はお二人について行ってミラーハウスまで来ました、そして中に入るところで。
先生は老馬とオシツオサレツにはです、こう言いました。
「申し訳ないけれど君達はね」
「あっ、この中にはなんだ」
「入られないんだ」
「そうなんだ」
「うん、大きいからね」
体格の問題で、というのです。
「だからね」
「そうなんだ、それじゃあね」
「今はだね」
「この出入り口で待って」
「それでだね」
「二人を見守るんだね」
「そうしてくれるかな」
こう老馬とオシツオサレツに言うのでした、三つの頭に対して。
「ここは」
「うん、わかったよ」
「それじゃあね」
「僕達はここで待ってるよ」
老馬とオシツオサレツも頷いてでした、そのうえで。
二匹が出入り口で待って、ただ目立つので木の陰にそっと隠れてです。お二人が出て来た時に見つからない様にしてです。
先生は二匹に一時のお別れを告げてからでした、他の皆と、ミラーハウスに入りました。そのミラーハウスに入りますと。
中は鏡貼りの迷路でした、先生達は自分達の姿を見ながらそのうえで迷路を進んでいきます。その中で、です。
先生の傍を飛んでいるチープサイドの家族がです、こんなことを言ってきました。
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