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新妹魔王の契約者~龍剣使いの神皇帝~

作者:黒鐡
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2巻
  焼肉パーティー再開×長谷川先生との相席

「それについては問題ないが、まだ『契約』の状態となっているからいつでも『誓約』の状態に出来る。それについては、澪無しでは出来ない話だから相談して決めるさ」

「それにお前には本当の妹もいるんだから、一真っちがいない状態になっても深雪姫が守ってくれるだろう。同じ神族だというくらいしか知らんが、強さは一真っちと同じだと俺はそう考えている」

深雪の事かと思ったが、深雪自身も強いし禁手化や大天使化が出来る。まだ魔族側にはバレたくないので、戦闘になった時はISを纏って戦うか聖剣エクスカリバーで戦うだろうが、俺の妻と同じように近接戦を得意としている。俺は記憶操作を出来るので、正体がバレたとしても心配はないがそろそろこの話は終わりとしておやっさんを呼んでから焼肉を食べる事を再開した。

「魔界側との密談は終わりましたか?織斑様」

「ああ。終わったから、希少部位の肉を頼む」

「希少部位もあるのか?そりゃ驚きだぜ」

「承知しました織斑様」

俺らの話が終わった所で、焼肉の続きとして焼き始めたおやっさんだった。希少部位の肉を食べるのは、流石の滝川でも初めてだったのか焼いた肉を皿に置くと即効食べていた滝川だった。牛肉には庶民で食べられる部位とここでしか味わえない部位がある事は、俺らのようなイレギュラーな者しか味わえないからだ。ソフトドリンクの烏龍茶をオーダーした後に、喉を潤した時だった。

「失礼します、この店にやってきた人物が来たのでこちらにと連れてきました」

「おう。ご苦労さん、とっとと連れて来い」

「その声は織斑兄か?驚いたな、いきなり店員が二階に上がるように催促されたので何事かと思ったよ」

店員の一人が声をかけてきたと思えば、ここに来るであろう人物が来たらここに来させるように店員に言っといて正解だったな。一階から二階に上がってきた長谷川先生の声は色っぽい女性の声だったが、俺は食べながら前を向いていたが滝川はここに来るのが予想外のような顔つきで後ろを見た。俺や滝川が通う聖ヶ坂学園の養護教諭である長谷川千里だった。口調は男っぽいが、綺麗に整った顔に大人の女性には思えない程のプロモーションである。年頃の高校生男子には、教育上よろしくない美しさと色気を自然と出していると思う。

「織斑兄に滝川・・・・お前達二人だけか?それにここは完全予約制で会員制だと聞いているが」

「そうですよ。俺の親父が蒼い翼関連に働いているんで、自然と顔パスで行けるのですよ」

「なるほどな、なら丁度良いが相席させてくれないか?実は友人と待ち合わせていたのだが、たった今用事が入ってしまったと連絡があってな。ホントは一人で食事をしようと思ったのだが、先程から他のテーブル席にいる男性客が入れ替わりで『自分達と一緒に食べませんか?』と声を掛けてきてな。女の一人焼肉というのは、そんなに寂しそう見えるものなのか?」

「ああ、それは違うと思うぜセンセー」

「俺も滝川と同意見ですな、単に先生みたいな綺麗な人と一緒に食べたかったじゃないんですか?」

滝川が先に言ったので、俺も意見を言った。

「とりあえず余りにもしつこかったのでもう食事は諦めて帰ろうとしたんだが、ここの店員から二階席にと案内すると言われてな。二階席は完全予約制というのは知っていたが、私を見たら呼ぶようにと二階席にいる客が呼んでいたので二階席に来たらお前達がいた訳だ。生徒のお前らからしたら、教師と一緒に食事というのは嫌かもしれないが、呼んだのが織斑兄なら私は自動的に相席してもいいという解釈でいいのか?」

俺がここに来るように店員に言ったのは俺であり、もしかしたらここの焼き肉店には前々から食べたかったのでは?と俺の勘があったからだ。もちろんストーリー原案は見ているから、俺と滝川がここで食べる事も知っていたが先生と一緒に食べるというのはレアなケースだ。

「元々ここに呼んだのはこの俺ですから、相席と言わずに食べたいモノがあれば言って下さい」

「一真っちの言う通りですよ。それにここで食べたとしても、ウチの学校で生徒・教師を問わず長谷川センセーと飯を食いたい野郎が何人いると思っていますが、ここは一真っちの顔パスで入れる場所ですからバレません」

「そうか。それに今食べている肉は、一階席ではなかなか見ない肉ばかりではないか」

俺が立ち上がった後に、店員が長谷川先生を案内しようとしたが、おやっさんが口だけで下がらせた。そんで自然的に俺の隣に来たが、飲み物は何にします?と聞いた後にドリンクが来たら先生が値段の事を聞いてきた。

「ここは完全予約制で高級牛肉を出すと聞いているが、値段的にはどうなんだ?」

「心配はいりませんよお客さん。ここは織斑様が顔パスで来られる所でありますし、勘定も全て織斑様が払いますから心配はいらないですよ」

「そうなのか?一目見ただけで、軽く一万は行っていると思うが『俺にはこれがありますからノープログレムです』そのカードを高校生で持つ事が許されるのか?いくら織斑兄でも年齢制限で引っかかると思うのだが」

肉を焼いてくれるおやっさんの説明と俺が箸を置いてから財布から取り出したブラックカードを見せたら、長谷川先生は思考の海に入ってしまったが俺の親が蒼い翼だと言った事で強引に納得させた。長谷川先生はお任せ状態となった肉を何枚か皿に置いた後、一枚食べただけで無口になるほど美味しかったようで。ま、滝川も同様におやっさんが焼いた後の肉を俺らの前に置いたらすぐに食べるので、会話は落ち着いてからかなと思った程な勢いとなっていた。今頃深雪達は、朱音達が作ってもらっているだろうと思いながら俺も食べる。

「それにしても、この店は学生用の食べ放題メニューがあったというのは知っていたが、まさか二階席に行ける学生がいたとは思わなかった。ウチの生徒は一階席で食べていても、織斑兄妹が食べていても気付かないだろうな。一般生徒はよくここで食べに来ているのか?」

「どうですかね。学校からは駅を挟んで結構な距離がありますから。味を考えれば食べ放題の金額は安いくらいですけど、それでも高校生が気軽に来るには少々高いと思いますが。俺らがここで食べているという事自体が知らされていない情報だと思いますよ」

「だな。俺も今日、一真っちに連れて来てもらうまで知らなかったのですが、完全予約制で二階席がある事も初めて知りましたから」

「では織斑兄妹は前々から知っていたという事なのか。以前からよく来ていたのか?」

「俺らはこの付近に引っ越してから、よく来ていましたよ。ここは蒼い翼関連のチェーン店だという事をお忘れなく、それにこの前までいた同居人と一緒に食べていましたからね。同居人の職業はプロのカメラマンで、蒼い翼の社長やここのオーナーが同居人のファンらしいと聞いています。一度同居人に写真を頼んだ事がありまして、店の入り口にデカい風景写真が飾られているんですが、あれは同居人の東城迅が撮影したもんなんですよ」

俺ら織斑兄妹がこの外史に来た後に、色々と案内されてからこの焼き肉店に入ってから二階席の事を知った迅だった。普段は一階席で食っていたそうだが、俺が蒼い翼本社社長兼CEOだと知っている店長から顔パスで行けるようにしてもらった。そのお礼との事で、迅が撮影した風景写真を見た俺とここのオーナーが気に入ったので店長自ら焼く事になった。

「ほう・・・・こんな店にも『JIN』のファンがいたとはな。それにしても同居人だったという事も初耳だな、それを知ったファンがいたら絶対に居場所を聞いてくるな」

「そんなに凄いんですか?」

「まあそこまで熱狂的なファンはいないが、私も彼の撮る写真は好きだよ。雑誌か何かで評論家も言っていたが、彼の写真には他の人間には決して撮れない一瞬があるとかでな。被写体が本来の魅力を放つ刹那が写し出されていて、あれは芸術と言って良い程な作品だとな。私のような素人が見ても、惹き付けられるんだからな」

「迅さんは今海外へ行ってますから、帰ってきたらそう言っときます」

そんで焼き終えたばかりの肉を食べていたので、様々な肉を網の上で上手に焼いて行くおやっさんの腕を見る滝川と長谷川先生だった。見た目はただの店長なのに、肉の焼き加減が素人と焼いた肉が違うと言っていた。俺らがこの世界に来た時には、既にカメラマンとしての道をしていたが勇者だった時の腕は鈍っていなかった。当時は世界を救う勇者としてだったが、俺らが来ると予知したかのように動いてくれた迅は里から追放後、分身体と合流するまでは親子として過ごしてきたのだろうと改めて思った。 
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