転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0988話
『我々はこれまで幾度もBETAに対して苦汁を舐めさせられてきた。だが、その忍耐の時もシャドウミラーという存在が現れ、それが節目となったのは知っての通りだ。無数のBETAがアラビア半島に攻めて来た時に行われたアラビア半島防衛戦では、BETAからアラビア半島を守り切るだけではなく攻めて来たBETAを1匹残らず殺しつくした。そして鉄原ハイヴの攻略、アンバールハイヴの攻略、リヨンハイヴの攻略と、これまで我々が幾度となく挑んでは、その度に攻略を失敗したハイヴを瞬く間に……それこそ1年で3つも攻略に成功した』
その演説は、あからさまに俺達シャドウミラーを褒めている。その意図としては、俺達に対する気遣いというのもあるが、どちらかと言えば兵士達の士気高揚だろう。
何だかんだで、俺達シャドウミラーはこのマブラヴ世界の住人にとっては色々な意味で目立つ存在だし。
ブダペストハイヴ攻略を担う欧州連合軍、国連軍のフォローの為にここに存在しているシロガネのブリッジにいるのは、艦長のマリュー、ブリッジクルーの円、美砂。そして俺、レモン、スレイ。
ちなみにウランバートルハイヴにはイザーク、アウル、スティングの3人が、ブラゴエスチェンスクハイヴには、エキドナ、オウカ、ムラタの3人が。……そして今回中国地方の中で最も激戦になるだろうと言われている重慶ハイヴには、ニヴルヘイムを指揮するエザリア、コーネリア、ギルフォード、ムウ、レイ。
勿論この分担はあくまでも幹部だったり、有人機だったりであり、他に量産型Wが操るシャドウが100機単位で、無人機のメギロートやイルメヤに限っては数千機から数万機単位で各戦線に存在している。
……これだけの部隊を配置するのには、当然普通に移動とかじゃなくてニーズヘッグのシステムXNを使ったんだけどな。
こうして考えると、あくまでもフォロー役であるブダペストハイヴには人数が多すぎたかもしれないか? 所詮予備であり、前回のリヨンハイヴ攻略作戦の時に比べると欧州連合軍の戦力が上がっている以上、ここまで揃える必要はなかったかもしれないな。
そもそも、BETAの数自体が恐らくは前回よりも少ないんだし。
そんな風につまらない演説を右から左に聞き流していると、やがて佳境に入ったのだろう。演説の声にこれでもかと力が入る。
『故に! BETA共に踏み躙られた故郷の多くを取り戻すために……オペレーション・ルシファーの開始をここに宣言する!』
その言葉と共にオペレーション・ルシファー、即ちハイヴ4ヶ所同時攻略作戦が発動した。タイミングを合わせるように、シロガネもまた戦域へと到着。
そんなシロガネのブリッジにある椅子に座り、ハイヴ攻略の第1段階である軌道上からの爆撃を眺める。
軌道上から降り注ぐ砲撃は、対レーザー弾頭弾であるAL弾頭……ではなく、通常の砲弾だ。本来なら軌道上からの爆撃の時はAL弾頭をメインにするのだが、今回のブダペストハイヴと重慶ハイヴではAL弾頭は使われていない。
理由は至極単純であり、純粋にAL弾頭の数の問題だ。今回のオペレーション・ルシファーでは、4つのハイヴを同時攻略するのだから、その分AL弾頭も大量に消費する事になる。
当然それだけのAL弾頭を用意するのは難しく、AL弾頭を使うのはウランバートルハイヴとブラゴエスチェンスクハイヴの2つのみとなっている。
ではブダペストハイヴと重慶ハイヴでは光線級、重光線級の対策をどうするのか。それは既に言うまでもないだろう。
「マリュー、シロガネの状況は?」
「400近いレーザーが照射されてるけど、Eフィールドで完全に遮断しているわ。Eフィールドを抜いてG・テリトリーまで到達したレーザーは一切なし」
「だろうな。光線級や重光線級のレーザーでEフィールドを抜けるとは思えないし」
そう、空中に浮かんでいるシロガネだ。光線級、重光線級の習性でもある、空中に浮かんでいる相手を優先的に狙い、更にはより高い技術を使っている機体の優先度が高くなる。
その結果、シロガネがそこにいるだけでその戦域にいる光線級や重光線級は、他に目もくれずに攻撃を集中させる。
ここにニーズヘッグでもいればそっちにも攻撃が集中しただろうが、生憎とニーズヘッグはシロガネの格納庫の中だ。シロガネの周囲を飛んでいるシャドウやメギロート、あるいは地上で待機しているイルメヤに対しては全く何の反応も示さず、ただひたすらシロガネへと攻撃している。
勿論地上では突撃級がこっちに向かってきているだろうが、そこには軌道上からの爆撃が降り注ぐ。
この光景に関しては、ニヴルヘイムのいる重慶ハイヴでも見られているだろう。
……他2つのハイヴでは、特化戦力がないからAL弾頭が降り注いでいるんだろうが。
いや、特機とかのバリアを考えればレーザーは防げると思う。だが、シロガネやニヴルヘイムと違い、特機はハイヴ内部へと突入する必要がある。
そうなった場合、地上にいるマブラヴ世界の戦力がレーザー照射を受ける事になる為の措置だ。
自分達だけでブダペストハイヴを攻略したかった欧州連合軍にしても、さすがにレーザーへの対処はこちらに任せるしかないと理解していたのだろう。
「海軍からの砲撃も始まったわね。これで第2段階、か。……ねぇ、アクセル。正直、どう思う?」
ブダペストハイヴへと向かって地中海に浮かんでいる無数の戦艦から放たれた砲撃が、地上にいるイルメヤ目掛けて向かってくる突撃級へと次々に命中する。
本来であればここでもレーザーによる迎撃があるのだが、光線級、重光線級から放たれるレーザーは未だにシロガネのEフィールドへと命中し続けていた。
先程のマリューの言葉から考えて、Eフィールドを突破されそうな心配はまずないんだろう。
地中海からブダペストまではかなりの距離があるのだが、幸いこの世界の軍艦からの砲撃はハイヴ付近へと届いているらしい。
突撃級に降り注ぐ砲弾の雨の如き光景が映し出されている映像を見ながら、レモンに先程の問い掛けに答えるべく口を開く。
「どうだろうな。戦力的に考えれば、問題はないと思う。やっぱり最大の問題は、この前の大氾濫でBETA側がどれだけの戦力を消耗したかだが……」
そこまで告げ、改めて映像に映し出されている光景へと視線を向ける。
突撃級の向こうからは要撃級や戦車級を始めとして、更に背後には背の高い要塞級の姿も幾つか見える。
「こうして見る限りだと、BETAの数が減っているようには思えないんだよな」
「けど、BETAは元々無数にいたでしょ? なら最初のうちはやっぱりこれまでと変わらないんじゃない? 寧ろ、ハイヴの中にいるBETAの数を考えると、なるべく多く出てきて貰った方がいいと思うけど」
「……まぁ、確かに」
レモンの言葉にそう同意するが、それでも不安は残る。
念動力が反応していない以上、あるいは単純に俺の考えすぎかもしれないが……ただ、BETAというのは、こっちの常識が全く通用しないんだよな。
そういう意味では門世界の帝国に関しても同様だったが、それでもあっちは軍隊が大きな被害を受ければ撤退するといったように、人間として考えれば理解出来る行動を取る。
だが、BETAはそもそも人間ではない以上、その辺の考えが全く読めない。
もしかしたら、1匹残らず自分達が死ぬまで戦い続けるという選択肢もあるのだ。
反応炉を破壊すれば他のハイヴに避難するという習性だけは変わらないと思うが……
「何かあったとしても、アクセル君がいる以上このオペレーション・ルシファーが成功するのは確定だと思うけどね」
美砂のその言葉に、レモンとマリュー、円までもが小さく笑みを漏らす。
その信頼が重い……とは言わない。実際、そのくらいの戦力はこっちでも用意してあるのだから。
そんな風に話をしている間にも地中海に展開している海軍からの砲撃は続けられており、次から次にBETAは死骸へと変わっていく。
そんな状態が続く事、約20分。それでも尚BETAの数が途切れないのは、やはりハイヴの中にはまだ相応のBETAが存在しているからか。
もっとも、ブダペストハイヴはフェイズ5である事を考えれば、それ程不思議な事ではないのかもしれない。
そうして、ブダペストハイヴ攻略作戦は次の段階へと移る。
地中海に展開している戦艦や輸送艦といった母艦から戦術機が次々に出撃したのだ。
当然戦術機だけではなく、リニアガン・タンクやガン・ルゥも同様に出撃している。
だが、今出撃した部隊の目的はあくまでもハイヴから出撃してきたBETAの……それも可能であれば光線級、重光線級の駆逐。
実際にハイヴへと突入するのは、まずは地上に出てきたBETAの数を減らしてからとなる。次の段階、軌道降下してきた戦術機部隊……いわゆる、オービットダイバーズが姿を現してからがハイヴ攻略の本番だ。
……正直、この段階で俺達を出してくれれば、それ程苦労せずに地上の敵を殲滅し、更にはハイヴの内部へも突入できるんだが。
そんな風に思っていると、それを読み取ったかのように入る通信。
映像モニタに映し出されているのは、欧州連合軍の指揮を任されていると作戦が始まる前に挨拶があった人物。
『アクセル代表、では私達はこれよりブダペストハイヴへの攻略を開始します。リヨンハイヴ攻略作戦の時には、シャドウミラーの手を借りる羽目になりましたが、今回はこの世界の戦力だけで攻略してみせます』
そい告げ、敬礼した後で小さく肩を竦める。
『もっとも、BETAの中でも最大の脅威でもある光線級と重光線級の攻撃を一手に引き受けて貰い、更にはそちらから輸入した戦車に、ライセンス生産のガン・ルゥ。これを考えると、とてもではないですが、この世界の戦力だけでのハイヴ攻略とは言えませんけどね』
苦笑を浮かべるその軍人は、色々と思うところがあるのだろう。
それでも命じられた以上は役目を全うしようと考えている辺り、有能な軍人なのだろう。
「リヨンハイヴの時もそうだったが、BETAの数が手に負えなくなったらすぐにこっちへ応援要請してくれ。ここで無駄に戦力を減らしたくはないだろう?」
『……助かります』
最後にそう告げ、敬礼をして通信が切れる。
「この作戦を采配する立場でも、中間管理職的な立場なのね」
しみじみと呟く円の声に、レモンは小さく笑みを浮かべて口を開く。
「シャドウミラーはああいう人達と違って、随分と風通しがいいと思わない? 無理なことは言わないし、させないんだから」
「それは……まぁ、確かに」
「そもそも、そうじゃないと私も実働班に入ろうとは思わなかったしね」
「……美砂、あんたもしかして技術班や政治班にでも入ろうと思っていたとか言わないわよね?」
「えー、別にそんな事は思ってないけど……でも、そうね。どうせなら内助の功って感じでアクセル君の帰りを待っている役とか?」
その言葉を美砂が口にした途端、円のジト目の他にレモンとマリューの苦笑が向けられる。
「ちょっ、何よ。何か変!?」
慌てたように告げる美砂に、その場が笑いに包まれる。
……シロガネの外では生きるか死ぬかの戦いが続いているってのに、随分と慣れたよな。円と美砂は純粋に話に集中して外の様子を忘れているだけかもしれないが。
そんな風に会話をしている間にも、事態は次々に進んでいく。
EF-2000を中心とした戦術機部隊が、次々とこの戦場に到着して戦闘に入ったのだ。
最優先撃破目標は、当然光線級と重光線級。
そのどちらもが、限界までシロガネにレーザーを撃っては休み、それでまたレーザーを発射するという事を繰り返している。
それは、欧州連合軍や国連軍の部隊の戦術機が近づいてきても変わらないのだから、どれ程BETAがシロガネに……そしてシャドウミラーの機体に対して執着しているのかを意味している。
いや、BETAに対して執着という言葉は似合わないか。どちらかと言えば、そう決められているからこそ、それ以外の行動を取る事が出来ないと表現すべだな。
だがそれは、あくまでも空中にいる相手に対して攻撃手段を持っている光線級と重光線級に限定しての話だ。
その他の……空中に対する攻撃手段を持っていない他のBETAは違う。
特に、重光線級を守っている要塞級は戦術機で戦うには一定以上の技量がいる。
それでも戦術機部隊は次から次へとBETAへと襲い掛かっていくのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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