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美しき異形達

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第五十一話 二人の伯爵その十四

「それこそ」
「だよな、ないのお酒位か」
「お酒はね、ないわね」
「お酒と合うものばかりだけれどな」
 ファーストフード、ジャンクフードは実は酒にも合う。ビールや焼酎等所謂安酒と言われるようなものとだ。
「それでもな」
「お酒はないわね」
「小さな子供もよく来るしな」
 見れば親子連れもいて楽しんでいる。
「だからな」
「お酒はないのよね」
「まあそういうところって割り切ってな」
「次も食べよう」
 九人で楽しく話しながら様々なものを食べていった。そうして軽食を楽しんでから駅前の道に出たがここで。
 薊は足を止めてだ、こう言った。
「腹一杯食った後はな」
「ええ、腹ごなしにね」
 黒蘭が薊の横に来て言って来た。
「少し運動することになるわね」
「だよな、まあいつもだな」
「ここ暫くなかったけれどね」
「今はな」
 それこそというのだ。
「そうだったけれどな」
「けれどそれでも」
「出て来る時は出て来るんだな」
「そうね」
「じゃあやるか」
 薊は既にそのつもりだった、それで。
 すぐにその手に棒を出した、そして黒蘭も両手に新体操のクラブを出していた。そうしてまだ姿を見せていない相手に言った。
「こっちはいいぜ」
「何時でも相手を出来るわ」
 黒蘭も言った。
「だからな」
「出て来ていいわよ」
「よし、わかった」
「それならな」 
 二人の男の声が返って来た、そしてだった。
 怪人達が姿を現した、少女達の戦いは真実がわかっていっているその中でも続いていた。命を賭けたそれが。


第五十一話   完


                         2015・2・28 
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