魔法少女リリカルなのは〜破壊者DCD〜
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StrikerS編
第十四話「最終戦 後編」
前書き
十四話目です。
もう少し続きます。
〜はやてsede〜
各々の戦いが始まってから数分、既に空に上がったゆりかごと、それを守護するように配置された大量のガジェット。それらを市街地に向かわせないために配属された多くの空戦魔導師達の姿が空に見受けられた。
(ゆりかごの速度からして完全に軌道上に上がるまではあと2時間近く。クロノくん達は間に合うと思うけど、問題はなのはちゃんとヴィータやな。)
迫るガジェットを撃墜しつつ、ゆりかごの中に潜入したなのはちゃんとヴィータを案じた。しかし、その雑念を払うように首を振った私はシュベルトクロイツを構えた。
(いや、余計な心配は捨てるんや。あの二人なら絶対間に合う。それに…)
はやてはフェイトから彼がなのはちゃんの援護に向かったと報告を受けてさらにゆりかごに向かう車が見えていた。
「……頼んだで、翔君。」
小さく告げた後、私は目の前の敵を真っ直ぐと見据えた。
〜なのはsede〜
私はレイジングハートストライクフレームを展開しながら、ゆりかごの船内を突き進んでいた。途中何体ものガジェットが道を塞ごうとなのはを妨害するが、お構いなしに突き進む。
(外はどうなってるのかな?スカリエッティのアジトへ踏み込んだフェイトちゃんや翔君、地上で戦ってるスバル達も気になる。)
心の中でそれぞれの顔を思い浮かべながら、私は歯噛みした。しかし、すぐに顔を横に振ると大きく息をついた。
「大丈夫。みんなならきっと勝つ。私も今は自分がやるべきことをしなくちゃ。」
私はそう呟いて進んでいると戦闘機人が一人居た。
彼女は私に砲門を向けるが、撃つ気配がなく彼女は武器を捨てて両手を出して来た。
私はバインドをかけて通り過ぎようとすると、
「あの子ならここを真っ直ぐ行った玉座の間にいるよ。私が言えたことじゃないと思うけど、あの子を助けてあげて。」
と教えてくれて、私は頷き先に進んだ。
聖王の間に着いた私が見たのは大人姿のヴィヴィオだった。
〜ディエチsede〜
私はイノーメスカノンを構えて待ち構えていた。
まだ管理局員の姿は確認できていないが、既に補足はしており、展開してあるモニターはその人の現在地を知らせていた。
しかし、私は撃っていいものかと顔を曇らせていた。
現在、玉座の間にはクアットロとヴィヴィオがいる。クアットロの言われた通りその人を撃墜するべくやって来たはいいものの、どうしても玉座に座らせられているヴィヴィオの事が気になって仕方がないのだ。
うわごとのように「ママ」や「パパ」といった言葉を繰り返すヴィヴィオは見るに耐えないほど痛々しかった。
「私が討とうとしてるのは、あの子のお母さんなんだよね。」
俯きながら呟くが、そこへクアットロが見計らったかのように通信を入れてきた。
『はぁい、ディエチちゃーん? 準備はいいー? そろそろ、陛下を取り戻そうなんて考える馬鹿な女がそこに来るからぁ。容赦なくぶっ放してぶっ殺しちゃってね~』
「……了解」
笑みを浮かべながら言うクアットロだが、今の私にはその笑みが恐ろしくて仕方がなかった。
元々私はあまりクアットロのことを好いてはいない。任務で一緒に行動することは多かったものの、あの何を考えているのかわからない言動や態度が気味が悪くてしょうがないのだ。
私は通信をこちらから断ち切り、イノーメスカノンを構えなおす。既に魔力の充填は完了しており、いつでも打ち出せる状態だ。だが、まだ迷っていた。
(私達がやっていることは本当に正しいことなのかな? たくさん人を傷つけてあんな小さな女の子まで利用して。)
苦悩する私の目尻には僅かに涙が溜まっていた。そして、その人が現れた。私もそれを迎撃しようと砲門を向けるが、引き鉄を引くことが出来ない。
私は構えを崩し、イノーメスカノンに充填されていた魔力を霧散させると、それをその人の方に放った。
ガランと音を立てて床に転がるそれを私は見つめた後、その人に両腕を差し出した。その人はその意図を理解したのか、私の手とカノンにバインドを施した。
私ははその場に膝をつくと、俯いたままその人に対し、ポツリと呟くように告げた。
「あの子ならここを真っ直ぐ行った玉座の間にいるよ。私が言えたことじゃないと思うけどあの子を助けてあげて。」
私の言葉にその人頷くと小さな声で、
「ありがとう」
と告げ、その場から去って行った。
その人が消え、私は壁際に膝を抱えるようにして座った。
「ゴメンみんな。だけどさ、私に撃てないよ。」
他の姉妹達へ謝罪しながら私は俯むいた。
〜視点〜
玉座の間では、なのはと聖王化したヴィヴィオが激戦を繰り広げていた。
一度は追い詰められたなのはであるが、今はヴィヴィオと戦うことが出来ている。しかし、それでも劣勢は劣勢のようで、彼女の頬を汗が伝った。
「はあああああ!!!!」
「くぅっ!!」
容赦ないヴィヴィオの拳がなのはを襲うが、なのはそれをぎりぎりのところでよける。
( あと少し! あと少しで探知が終わる!)
なのははここにくる道中で仕掛けてきたサーチャーの探知があと少しで終わることを確信していた。
だが、それにより、一瞬の隙がなのはに生まれてしまった。ヴィヴィオはそれを見逃さず、なのはに強烈な蹴りを放とうとした。
しかし、
「うわぁぁぁぁ‼︎」
〜ドンガラガラ〜
その声と共に、玉座の間の壁が壊れて赤い車がヴィヴィオとなのはの間を貫いた。
「イッテ〜‼︎ トライドロンの操作ミスった。」
車から出てきたのは、なのはが好いており、辛い時に助けてくれた人物。
「翔君?」
〜翔sede〜
なのはに呼ばれて念話で話す。
〈なのは、ヴィヴィオの相手は俺がする。お前はサーチャーを使って此奴を操っている奴を探せ…てか、此奴だれだ?〉
〈え、ヴィヴィオだよ姿は変わっちゃてるけど。〉
〈ヴィヴィなの彼奴‼︎とりあえずは元に戻しますか。〉
〈了解なの。〉
なのはと俺は頷き合うと、なのははヴィヴィオから後退しヴィヴィオとなのはの間に俺が割ってはいる。
すると、ヴィヴィオは俺の顔をまっすぐと見て目じりに涙を浮かばせる。
「パパ?」
「俺のことはまだ覚えてんのか?」
どうやらヴィヴィオの記憶の中にはまだ俺の記憶が微かに残っていたようだ。しかし、そんな一縷の希望すらも奪う悪魔の囁きがヴィヴィオと俺達に響く。
『あらぁ? 陛下ぁ、なぁに動揺しちゃってるんですかぁ? そいつも貴女の本当のお父様なんかじゃないんですよ?』
「うぅ。」
『貴女は目の前の二人を倒すことだけ考えてください。その後のことは私がいろいろ考えてあげますからぁ。』
「ぐぅ……! ああああっ!!」
ヴィヴィオは頭を押さえ苦しげにうめく。なのはがそれに反応し立ち上がろうとするが、俺はそれを制する。
「ヴィヴィオ! 俺のことを覚えている今だから言うぞ! 絶対俺が助けてやる、だからお前もお前の中で戦え!!」
「……パ……パ」
その言葉を最後にヴィヴィオから虹色の魔力があふれ出した。その魔力は衝撃波ととなって二人を襲うが、俺は激気を纏いそれを片手ではじく。
魔力の奔流が止むと、ヴィヴィオは光のともっていない虚ろな瞳で俺を見ていたが、彼女の目からはとめどなく涙があふれている。
だが、彼女は態勢を低くして戦闘態勢をとった。
俺も天火星と獣拳を混ぜた
『天火獣拳』を構えながらヴィヴィオではなく恐らくゆりかご内の奥深くでヴィヴィオを操っているであろう其奴に言い切った。
「最初に言っておくぞ、お前を倒すのは俺じゃないからな。」
俺が言い切った瞬間、ヴィヴィオが殴りかかる。俺もそれに反応すると、自身もフロアを蹴りヴィヴィオの拳に自身の拳をぶつける。
そのぶつかり合いで二人の拳から紅と紫電が飛び散り凄まじい衝撃を生んだ。その影響かフロア全体に亀裂が入り、さらに二人の下のフロアは大きく陥没した。
すると、二人が弾かれた様に後方に飛ばされる。しかし、俺とヴィヴィオは互いに壁を蹴ってもう一度拳をぶつける。
だが今度のぶつかり合いは一つではなく、二人の猛烈な拳のラッシュだった。
「でりゃぁぁぁ!!」
俺は気合の咆哮をあげながらヴィヴィオと激しくラッシュを繰り広げる。それによって生まれた余波は先程の比ではなく、玉座の間のいたる所に衝撃によって生まれた亀裂や陥没が生じていた。
なのはは二人の戦闘を見て思わず息を呑んでしまった。
(これが翔君の力。)
今まで自分達の前ではディケイドの力しか見たことがなかった。しかし今の彼は変身せずに戦っている。彼の攻撃を受け止めるヴィヴィオも凄まじかった。
ほんの数秒二人の戦いに目を奪われていたなのはであるが、彼女はすぐに首を横に振り自身が今やるべきことに専念する。
(あと少し、あと少しでサーチャーが最深部までたどり着く!)
サーチャーの情報に目をやると、あとは最深部を残すだけとなっていた。恐らくだがあと一分もかからずに終わることだろう。
だが、そこで翔がなのはの近くを通り過ぎた。いや、ヴィヴィオに打撃をもらい吹き飛ばされたのだ。
「ま〜じ〜か〜‼︎」
「翔君!!」
悲痛な声を上げるなのはだが、翔は叩き付けられてめり込んだ壁から頭から大量に出血した翔が顔を出した。
「ったく、戦えば戦うほど学びやがる。だけどそんな風にやられるつもりもねぇ、娘に負けたなんて父親として恥ずかしいもんなぁ!!」
頭から流れ出る血を乱暴に拭いながら翔は追撃をしてくるヴィヴィオの攻撃を避けると、彼女のわき腹に蹴りを放つ。
ヴィヴィオはすぐに返されるとは思っていなかったのか、苦悶に顔をゆがめて吹き飛ばされた。
〈なのは、後どのくらいだ‼︎〉
〈残り三十秒で最深部‼︎〉
〈上等!!〉
翔はヴィヴィオを追ってもう一度彼女と拳をぶつけた。
〜クアットロsede〜
二人が戦う様子をゆりかごの最深部で妖艶な眼を向けながら観察しているクアットロは先程の彼に言われた言葉をくだらないと思っていた。
「いくら貴方が私を倒さなくて誰か私を倒すのよ?」
ほくそ笑みながらモニターを見ていたクアットロだが、ふと彼が笑みを浮かべているのが分かった。
しかもただ笑っているだけではない、クアットロが監視用に置いておいた自身のサーチャーに向かって笑みを浮かべていたのだ。
(なに? サーチャーはシルバーカーテンで見えなくしているはずは、まさかそれを見つけたというの?)
彼女が疑問に思っていると、モニターの中の彼は声には出さずに口の形だけでクアットロに伝えた。『ミツケタ』と。
瞬間、クアットロの全身に戦慄が走った。同時に彼女は自身の背後に浮かぶ桃色のサーチャーに気がついた。
「まさか……!?」
クアットロが驚愕の声を上げた瞬間、新たにモニターが表示された。そこにはなのはが移されており、彼女は言い放った。
『見つけた。』
「ここに来る間にサーチャーを飛ばして進んできて、あの子と戦いながら操作し続けていたと言うの!? だ、だけどここは最深部、玉座の間からここまでたどり着くことがそう易々とできるわけ‼︎」
そこまでいったところで彼女の言葉をあざ笑うかのような彼の声が聞こえた。
『おいおい、何か忘れてんじゃねぇか? ここにいる高町なのは一等空尉なんて呼ばれてる?』
「エース・オブ・エース。」
『大正解。じゃあそのエース・オブ・エースの得意な魔法は?』
「砲撃……ま、まさか!?」
彼はニヤリと不敵な笑みを浮かべた。そしてモニターを見ると悪魔は壁の一角まで足を運ぶとデバイスを構えブラスターシステムを起動させる。
『あきらめろテメェは終わりだなんてったって、うちのエースを怒らしちまったんだからな』
ヴィヴィオと掴みあいながら告げた彼の声はもはやクアットロに聞こえているのかいないのか。彼女は相当な恐怖を味わっていた。
『ブラスター3!!』
悪魔が言うと同時にブラスタービットがデバイスの砲身の周囲に展開し、デバイスからも合計六枚の桃色の翼が広がる。
同時に砲門に悪魔の魔力が収束し、魔力の塊が形成されていく。
悪魔はカートリッジを二つ使いすべてをリロードする。それだけで先程まで小さかった魔力の塊が何倍にも膨れ上がった。
『ぶっ放せ、なのはぁっ!!』
『ディバインバスターーーーーッ!!!!!!」
悪魔が叫ぶと共に、収束していた魔力が超極太の魔力砲となり玉座の間を貫き、最深部までの壁を破壊し、貫通していく。
私は先程までの余裕は何処へやら。冷や汗を浮かべ、歯をガタガタと震わせ恐怖をその身で体現していた。
「いや……いや、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
恐怖の絶叫を上げ逃走しようとするが、足がもつれてしまい思うように動けない彼女を容赦のない桃色の魔力が呑み込み、私はその圧倒的な質量に押しつぶされ、一瞬で意識を失った。
〜視点〜
「目標沈黙……!」
なのはが言うと、レイジングハートから溜め込んでいた蒸気が噴出し冷却された。
すると、翔とつかみ合っていたヴィヴィオがもう一度苦しげにうめくと、彼女の瞳に光が戻り、翔の事を認識した。
「パパ……?」
「目が覚めたか?」
翔が笑顔で掴んでいた彼女の手を離し、拘束を解くが、その瞬間ヴィヴィオが叫んだ。
「ダメッ!! パパ逃げて!!」
「なに? うそぉ!?」
ヴィヴィオが言った瞬間、彼女の声に反して拳が放たれ、翔の右肩口に強い衝撃が走った。
「翔君! ヴィヴィオ!!」
翔の後ろでなのはが息を呑む音が聞こえた。ヴィヴィオは涙を流しながら二人に首を振った。
「自己防衛モードなのだから二人とも逃げて、これ以上二人を傷つけたくないよ!」
ヴィヴィオの悲痛な叫びになのはも瞳を潤ませる。しかし、翔の瞳はまだあきらめてはいない。
「私がなのはママ……ううん、なのはさんや翔さんに懐いたのは『傍にいて力を学習させてくれる人』だったからなんだよ。この聖王の鎧がそうさせたんだよ! だから私は、存在しちゃいけない子なんだよ!! 私ごとこのゆりかごを破壊すればすべてが終わるんだよ!!」
「ふざけんじゃねぇ!!」
ヴィヴィオの叫びに対し、翔がその双眸に僅かに涙をためながら恫喝した。
「お前が存在しちゃいけないだと!? それ以上ふざけたことぬかしたらぶん殴るぞヴィヴィオ!! いいかヴィヴィオ、声にして言ってやるよ。お前には生きる意味しかねぇ!!」
「で、でも! 私は二人を利用して。」
「だからなんだ! 第一お前がただ単に俺達を利用したって言うんなら、俺と戦ってるときに涙なんかながさねぇだろ!!」
その言葉にヴィヴィオがハッとした様に顔を上げた。翔はそんなヴィヴィオをまっすぐ見据えて今度は打って変って優しげな声で告げた。
「ヴィヴィオ、お前は存在していいんだ。俺たちにはお前が必要だ。だってよ、お前は俺たちの子供じゃねぇか。自分の子供を守ってやれないほうがずっとずっと辛いんだ。」
「そうだよ、ヴィヴィオ。貴女は私やフェイトちゃん、翔君の大切な子供なんだから」
「パパ、なのはママ。」
ヴィヴィオは瞳から大粒の涙を流しながら二人を見つめた。その様子を見た翔となのはは互いに頷き合うと、翔がヴィヴィオに告げた。
「ヴィヴィオ、お前を助けるためにちょっとだけ痛い事をする。我慢できるか?」
「うん、出来るよ! だってパパの娘だもん!」
「いい子だ、いけるかなのは?」
「うん!」
なのはは頷くと、ヴィヴィオの体にレストリクトロックを仕掛ける。ヴィヴィオは一瞬痛そうな表情をするが、声を上げずに耐えた。
しかし、彼女の意思とは逆にヴィヴィオの体はそれを引き剥がそうとする。
「すごい力! だけどこれぐらいで!!」
ロックを維持しながら苦い顔をするなのはは、そのまま翔のほうを見る。翔もそれに頷くと、自身の右手に激気を収束させる。
「行くぞヴィヴィ!」
翔は宣言すると右手の激気を保持しながら床を蹴ってヴィヴィオの眼前に躍り出ると、彼女の胸部。ちょうど胸の中心に拳を放った。
「激技‼︎魂魂掌 ‼︎さらに天火星拳‼︎天火星稲妻炎上破 ‼︎」
声と共にヴィヴィオの胸に食い込んだ拳から魔力が放出され、ヴィヴィオは来る下に叫ぶ。しかし、その瞬間ヴィヴィオの背中からずるりと音を立てるように赤い宝石のようなロストロギア、レリックが姿を現した。
「壊れやがれぇぇぇぇぇ!!!!」
翔の声が響いた瞬間、ヴィヴィオの体内から吐き出されたレリックに亀裂が入り、一瞬にして砕け散った。
そして、その砕けた余波で爆発が生まれ玉座の間を光の奔流が襲った。
数秒の後、光の奔流が止むと玉座の間は大きく陥没していた。なのははふらつく足で陥没したフロアの中心に目を向ける。
そこには肩で息をしている翔と、フロアに倒れこんでいる先程までとは違う少女の姿をしたヴィヴィオの姿があった。
「ヴィヴィオ、翔君!!」
なのはが呼ぶと、それに反応するようにヴィヴィオの指がピクリと動いた。翔もそれに気がついたようで倒れているヴィヴィオに駆け寄ろうとするが、
「来ないで…。大丈夫、一人で立てるよ。」
ヴィヴィオはふら付きながらも足をしっかりと立てて立ち上がった。その姿が嬉しかったのか、翔はヴィヴィオに歩み寄り彼女をきつく抱きしめた。
「パパ、がんばったよ。」
「ああ、よくがんばった! おかえり、ヴィヴィオ。」
翔はヴィヴィオを抱きしめ彼女の耳元で告げた。ヴィヴィオもそれに頷くと、翔の背中に手を回し、彼に身を任せる。
二人が抱擁していると、なのはが駆け寄りヴィヴィオと翔もそれに顔を上げた。すると、なのはは大粒の涙を流しながら顔をくしゃくしゃにゆがめて二人を抱きしめた。
「よかった、本当によかった。」
「あぁ、本当にな。」
なのはの背に手を回しながら翔も大きく息をつきながら全身の力を抜いた。
〜翔sede〜
ヴィヴィオを抱え、なのはと共に陥没した床から上がると同時に、ゆりかご内部にアラームが鳴り響いた。
「なのはちゃん、翔君、ヴィヴィオ 無事か?」
とはやてが気絶している戦闘機人を引っ張って現れた。
三人はこの状況を話し合う。
どうやら、聖王がいなくなった事により魔力封鎖が始まったらしい。
するとオーロラが現れ俺はなのは達の前にでで警戒していたするとガイが出て来た。
「久しいなディケイドよ。」
「アポロガイスト。」
月影が言っていた通りやはりショッカーは分かれていたか。
「ディケイド、貴様のせいで我等の計画が台無しだ。ここで貴様に死んでもらおう。…スーパーアポロスチェンジ‼︎」
と言って怪人体となった。よく見るとパーフェクターがつき武器が幾つか増えていた。
俺はブースタートライドロンになのはとはやて、ヴィヴィオを乗せて
ライドブースターレッドに戦闘機人を落ちないように括り付けた。
「はやて達は先に戻っていろ俺は此奴を倒してから戻るから。」
と言うとなのはが
「駄目だよ翔君一緒に逃げようよ。」
「それは無理だ彼奴を倒さないと終わらないからな。……トライドロン頼む‼︎」
〜なのはsede〜
翔君はここに残ってあの怪人を倒すらしい。
私は止めたが彼は聞かずに車を発進させた。
車は動きだし最初に現れた穴から脱出した。はやてちゃんがハンドルやブレーキを操作するが効かず、
私が最後に見たのは、翔君がディケイドに変身して怪人に立ち向かう姿だった。
後書き
次回
「さらばディケイド。」
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