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ドリトル先生と二本尻尾の猫

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第九幕その七

「これって」
「それじゃあ」
「うん、ここはね」
「先生もね」
「是非共」
「如何でしょうか」
 日笠さんは先生にまた言いました。
「日曜の夜に」
「そうですね、お静さんの状況次第ですが」
「お静さん?」
「猫の方です」
 流石に猫又とは言えないのでこう表現するのでした。
「その方からお願いをされていまして」
「猫の飼い主の方からですか」
「飼い主の方のことを」
「?猫からですか」
「はい、そうです」
「何かよくわかりませんがとにかく日曜は」
「あっ、夜は多分大丈夫です」
 それは、というのです。
「学生さんのデートなので」
「何か余計にお話がわからなくなりましたがとにかく大丈夫ですね」
「はい、お食事でしたら」
「ではお願いします」
 微笑んでそうして答えた日笠さんでした。
「日曜の夜に」
「それでは」
 こうしたことをお話してなのでした。 
 日笠さんは先生とお食事を一緒にすることになりました、トミーはこのお話もお家で聞いてそして言うのでした。
「あっ、それはいいですね」
「うん、折角のお誘いだからね」
 先生もトミーに笑顔で答えます。
「だから日曜の夜はね」
「晩御飯はですね」
「いらないよ」
 そうだというのです。
「あちらで食べるから」
「イタリア料理ですね」
「イタリア料理いえばね」
「パスタやピザですね」
 トミーはこの二つのお料理を挙げました。
「他にも美味しいものは一杯ありますが」
「この二つが特にだね」
「有名ですね」
「それじゃあ」
「その二つを楽しまれますね」
「そうなるかな」
「そういえばお店は何処ですか?」
 トミーは先生のそのことも尋ねました。
「それで」
「駅前だったか」
「駅前のイタリアンレストランですね」
「確かそうだったよ」
「ああ、あそこですか」
 トミーはこれだけ聞いて頷きました。
「あそこなら砕けたお料理です」
「フルコースとかじゃなくて」
「フルコースもありますけれど」
 それでもというのです。
「あそこは居酒屋みたいな感じで楽しめますよ」
「気楽にだね」
「好きなお料理を注文して」
「それでワインだね」
「そちらを楽しめます」
「いいね、それじゃあ」
 先生はトミーのお話をそこまで聞いて頷きました。
「行って来るよ」
「楽しまれて下さい」
「是非ね、いやイタリア料理はいいね」
 今度はこんなことを言う先生でした。 
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