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我輩は逃亡者である

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第二章 世界からの逃亡者三人。
  15.汚部屋は消毒ぅ!

帰国、戻って参りました日本。でもって何処かわからない。
例のごとく今回は光学迷彩が装備されているという人参型ロケットに乗って来たのだが着陸したところが山のなかなので何県かすらわからない。ただロケットに乗ってる間はくーちゃんが楽しそうだった、何でも乗るのは始めてだったそうな。


「で束先輩、マドッチのISつくるのもいいけど先ずは片付けようよ」
「そうです束様、ホテル生活が長かったせいかラボがゴミ置き場に見えます」
「ぐはっ。た、確かに汚いね……でもどうせまた散らかるんだし…」
「そういや前に寝床まで汚いみたいなこと言ってましたよね」
「束様、このラボの名前が我輩は猫である~名前はまだない~ じゃなくて 此処はゴミ屋敷である~寝床はもうない~になりますよ」
「ふぐっ…わ、わかったよ、やるよ!ただ話ながらでもやろーよ、かーくんくーちゃん」

いいですよ。それで束先輩が掃除をやろうとするなら上々である。




「それでかーくん前々から聞きたかったんだけどさ。前にバルスって言ったらISが一機落ちたっていってたけどどういうことなの」
「いや束先輩知ってると思いますけど密航しようとしてたらISの戦闘に巻き込まれかけたんですよ、そのとき心のなかでバルスっていったら一機落ちたってだけですよ」
「それいっくんなんだよ…」
「え…ホントですか?お、おれのせいですかね…?」
「いや銀の福音ってISに落とされたんだけど……一応ちーちゃんには言わないようにしよっか」
「そうします」

こんなこと知れたら叩き切られるかもしれない、束先輩曰く織斑千冬はブラコンみたいだし。

「流石かーくんさん、やはりどこか常識から外れてるだけあります」
「え?おれそんなイメージなの?」
「はい、男でISを動かせた時点でうかれて喜ぶくらいで普通と思うんですがかーくんさんは…」
「いきなりその場からエスケープしてるからねぇ」
「逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だ…逃げちゃ駄目だ!」
「いやかーくん逃げてんじゃんか!」
「あなたは捕まえれないわ、おれは逃げるもの」
「それちーちゃんに言ってみなよ、逃げれたら束さんはかーくんを崇めてもいいよ」
「すみません無理です」
「行きなさいかーくんさん!何のためでもない、笑いをとるために!」
「くーちゃんは笑いのためおれに死ねと申すか…!」

くーちゃんからの予想外の攻撃を受けたのであった。
ほら束先輩がくーちゃんがネット見るのほったらかしにするときがあるからくーちゃんがネタにまみれてく…

「ま、そんなことがあればまた束先輩を頼るから大丈夫大丈夫」
「清々しいほどの他力本願だ…」
「安心してください。最悪束先輩を囮にしてくーちゃんつれて逃げますから」
「それの何処に安心要素があるのさ!?…まあ生身でちーちゃんと渡り合えるのは束さんだけだし逆もまた然りだけど」
「束様も織斑千冬もまさに次元が違いますね」

次元といえば四次元袋である。タバえもんは何処でも扉とかつくれないのであろうか?

「んー、つくってみようとしたんだけど空間を短縮するってのが難しくてねー、生物を生きたまま通すとこが特にね。途中でやめちゃった。同じ秘密ツールの空気ガンはつくれたけど面白くないし使い道ないから捨てちゃった」
「え!空気ガンとか欲しかった…」
「因みに中国に拾われて第三世代に取り付けられてるよ」
「あ、やっぱりいらないです」
「人が撃つと撃った人間が飛んでいってしまいそうですね」
「飛ぶどころかバラバラに弾けそう…」
「これが束さんの全力全壊!」
「やめてください、束先輩の全力とか地球がヤバいです」
「軽く星を壊しそうですね…」

まったくである。なんかメカっぽい杖でぶっといピンクのビーム撃ってる束先輩が思い付いたのは何故だろうか?

「まあそうだよね、だって束さんはIS一機くらい生身でも勝てるし」
「え?」
「本当ですかーくんさん、前に追っ手のISを生身で解体してました」
「ISのバリアー的なのはどうしたですか、頑張れよバリアー」
「ふっふっふ、束さんの攻撃は防御貫通ダイレクトアタックなのだ!」

そもそも束さんが発明したものに束さんが勝てないわけないじゃんか。束先輩はそういったがそれはおかしいよ!納得しかけたけどおれが銃開発しても勝てないし…

「ISに!乗っていいのは解体バラされる覚悟のあるやつだけなのさ!」
「それはおかしい」
「まあ無差別には解体なんてしないよ!ただくーちゃんに銃を向けたから解体して蹴飛ばしただけだよ」
「束先輩よくやった!!」

それは仕方ない、恐らくオータムさんより飛んでいったであろう操縦者には汚い花火だ…とかお星さまになったんだよとかいいたかった。くーちゃんに銃を向けるとは命知らずな…

「それにしても束先輩くらいの天災なら世界から逃げなくても征服してしまえそうですけど何か理由あるんですか?」
「世界征服出来なくはないけどちーちゃんに勝てるか…そこが問題なんだよ。かーくん任せた、その間に地球征服しとくよ」
「それならおれが世界征服しますんで束先輩が相手してください」
「そこまでちーちゃんの相手したくないのか…って冗談はさておきズバリ宇宙に行きたいんだよ!」
「ああ、ISも元々そのためでしたね」
「そーだよ!だからそこが私にとってのISをつくってから変わらない目標なのさ!」

まあ、そのうち実現させたいよね。と束先輩は楽しそうに言う…片付けの手が止まってる、動かしてください。
しかし…



――束先輩が宇宙に行くとしたらそのときには連れていってもらえるだろうか?


似合わず少ししんみりしてしまったのであった。 
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