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我輩は逃亡者である

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第一章 ただいま逃亡中ぼっち。
  05.l can fly! え、切符じゃ無理?

どうも上代翔です。現在空港にいます、飛行機に乗って高飛びでもしようかと思ったんだけど駄目だったね。
パスポートってのがないと海外には出れないとは。電車みたいに切符かチケットで乗れるものかと思ってたから受付のお姉さんに切符売り場を聞いたときの表情ったら……穴があったら入りたい!思い出すだけで恥ずかしいし顔が暑いよ!仕方ないじゃん、今の今まで海外に行こうとか思ったこともなかったし!つい最近まで中学生だったんだし。14歳だし知らなくたっておかしくないさ、ああきっとおかしくないに決まってる。今時電車に乗れない人だっているんだもの…
とか自分で自分に言い訳していたところ


ふと銀髪眼帯の少女と目が合ったのですがそのまま離せません、いや彼女が美人で目が離せないとかとういう類いのものでなくあれは獲物を見る目だ…目を離した途端に襲いかかられそうな錯覚に陥る、氷のように冷たい目だ。
--なまじ美少女なもんでちょっとゾクッと来るね!冷や水を背中にツーっと垂らした感じ!
しかしいつまでもこの状態で入られないので熊から逃げるかのように目線を外さずゆっくり刺激しないように下がれば襲われずに済むのではないだろうか?いやそもそも襲われる確証もないんだけどね。それでは始めのいーっ「おい」ぽ

「……はいどうしましたか?」

一歩目にて失敗…!い、いや普通に話しかけられただけだ。別に問答無用で襲いかかられる訳でもなさそうだ。

「お前上代かけ」
「いやー!お嬢さん日本語がお上手ですね!見たところ日本の方ではないようですがどこから来られたのですか?」
「ドイツだ、それとこんな身長だが恐らくお前とほぼ同年代だ。お前上代か」
「そうでしたかそれは失礼しました!ドイツの方ですか!ドイツと言えば黒ビールが有名ですが残念!私は未成年なので飲めません、いつか飲みたいですね。いやいやしかし他にもウインナーやポテトが有名ですが何かオススメの料理はありますかね!」
「む…そうだな、ウインナーやポテトを使ったものならポピュラーだがポトフがいいのではないか?あとドイツでは豚肉も好まれて食されているのだがアイスバインといった料理もオススメだな、訪れる機会があれば食べてみるといい。お前上し」
「そうですか!ありがとうございます、ドイツに行きたくなってきましたねぇ!それでは、えー貴女のお名前は…」
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ、ドイツはいい国だ。来たければ来るといい。お前上」
「そうですかボーデヴィッヒさん!私は金城芳です!それではさようなら!」
「ああ、ではな。……カネシロカオルか、人違いだったか」

い わ せ な い よ !あと最後にボソッと言ったの聞こえてるよ。それにしてもあんな小柄だったのに恐ろしくプレッシャーというか何というか…話しかけられる前のおれを見る目なんて睨み付けられているようで息子が少しシュンと萎縮しちゃったよ。

「しかし目線だけじゃなく雰囲気も冷たい感じだったけどドイツについて聞いたときには雰囲気が柔らかくなったなぁ。やっぱ自国が好きなのかな?」

アイスバインなんて豚肉を使うってことと名前だけ聞いたら冷凍されたままの豚肉しかイメージ湧かないけど…まあせっかくあんな綺麗な娘こにオススメされたんだ、機会があれば是非食べてみたいと思う。

--さて、冷たい雰囲気の銀髪少女ラウラ・ボーデヴィッヒとの会話も切り抜けられたし海外にいく飛行機にはパスポートがないと乗れないことはわかったしどうするかなぁ。




▼▼▼▼


かなり喋る変な奴だったな。というのがカネシロカオルと言う男に対する感想だった。

「ふむ、2人目の男性操縦者に似ている気がしたのだが……やはり日本人の顔は見分けがつきにくいな」
他国の人間、私にとってはアジアの人間や黒人などは同じ顔に見えて仕方がない。まあカネシロはドイツに興味を持っていた、恐らくいい人間だろう。
しかし上代翔という男は何故逃亡しているのだろうか、国内中に指名手配されている状況で未だに逃げ続けているとは中々気骨のありそうな奴だが
--ISだって操縦者出来るのだ、自分で発見した際には私達の部隊シュヴァルツェ・ハーゼへと勧誘してみたかったのだが…そう思って顔が似ていると思い話しかけた人間は別人であった。彼は何か必死になっているようでもあったが。

「上手くいかないものだ…まあいい。今の私の目標は織斑教官をドイツへと連れ戻し教官の威光を傷つけた織斑一夏を完膚無きまで叩きのめすことだ……!」
待っていろよ織斑一夏……!










「ハックションッ!」
「わっ、一夏どうしたの。風邪でも引いた?」
「いや大丈夫だシャルル。ハハッ、誰かに噂でもされたのかもな」
いきなりくしゃみが出たせいで同室の同じ男の操縦者であるシャルルに心配される…そう男なのだ!
いやー本当に3人目があったまま見つかるとは思わなかった。これはもしかしたらもっと増えることもあり得るのではないだろうか?

「あはは、そうかもね。一夏は有名人だし」
「あーそうだな、俺も上代翔もテレビとかでかなり出されてたからな…はぁ、俺もシャルルみたいにこっそりとやってほしかったぜ」
「は、はは。そ、そうだね」
ん、シャルルの反応が少し変だがどうしたのだろうか。男性IS操縦者としてテレビにでも出て有名になりたかったのだろうか?いいことなんてないんだけどなぁ。
あーあ、男だけで中学のとき…弾や数馬たちと遊んでたときみたいに騒ぎたいぜ。シャルルも入学したんだ、上代翔も入学して3人で遊べたらなと思うこの頃だ。




--このとき織斑一夏は知らなかったのだ。明日出会い頭の裏拳ビンタ一閃を食らうなんて…そして未だにIS学園には一人しか男子生徒がいないことに……! 
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