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我輩は逃亡者である

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第一章 ただいま逃亡中ぼっち。
  02.二次元への扉(現実逃避)

どうも上代翔です。ラーメン屋の大将に通報されてから警察とのリアルケイドロを行うこと半日とちょっと…徹夜で逃亡しようやく振り切りました!清々しい朝だよ!
いやーケイドロなんて小学校以来だったよ、まああっちは本物のポリスメンだけどこっちは泥棒ではないけど。普通の高校生さ!
しかし何だよ、しつこかったね。粘着ストーカーよろしく追っかけられたし人生で一番面白くないケイドロだったと断言できる…こちとら徹夜で逃げてるもんだから意識が朦朧とするわ、足がガクガクいってるし…そういや変な人に追いかけられたら交番に駆け込みましょうって習ったなぁ。助けてお巡りさん!追いかけられてるの!

--でも追いかけてくる人たちもお巡りさんなの!なんだよ駄目じゃんか!それに途中で投げつけられたペイントボールが…すごく臭いよ、腐ったチーズみたいな臭いがする!
おうぇ、気持ち悪い…しかもペイントボールの本来の役割として当てられた背中もといリュックが真っ赤になってるおかげで街中を移動すると注目されて仕方ないので郊外まで逃げるしかなかった。

それこそ犯罪者を見る目を向けられるしね…違うよ!ただの高校生(仮)だよ!これはあれだね、村の人にハブられて家に逃げ帰るしかなかった泣いた赤鬼の気持ちがわかるよ。赤鬼も住み処の山いえに帰りたくなるよ。ん?そんな話じゃない?細かいことは気にしない!
ふ…人とは違うってのはいつの時代も受け入れられないものなのは一緒だしね、何はともあれ家に、山に帰ろう。そう目の前に広がる大きな山へッ!!
…何だろうまた止まれだのサイレンの音が聞こえる気がするけど気のせいだよね。そんなことより今は山に帰って眠るんだ、もう疲れたよパ○ラッシュ。
「ただいま山よ、俺は帰ってきたぞぉぉぉ!」





▼▼▼▼


ところ変わってIS学園


『3日前に発見されて以来消息不明だった男性IS操縦者、上代翔さんがついに発見されました。がしかし警察が夜を徹して必死の追跡をするも遂に振り切られてしまいました…現在当TV局はヘリにて上代翔さんが逃亡したと予想される郊外を空から捜索中です……』


「なあ一夏、この上代翔という男はいったい何故逃亡しているのだ?」
「そうですわね。日本の警察は優秀と聞きますがその彼らを振り切って逃げるとは何か強い理由があるのでしょうか?」
「わからねぇよ、ただ悪いけど捕まれば一緒にIS学園に通えるし俺としては捕まってほしいんだけどなぁ」

ニュースを見ながら箒とセシリアと現在逃亡中の上代翔について話している。千冬姉から男性IS操縦者が見つかったが逃亡したと聞いたときには驚いたが、一晩中警察に追いかけられながらも振り切ったってニュースを見て更に驚いたぞ

「ホントに何がそこまで駆り立てるんだろうな…あっ!?」
「どうした一夏…ん?」
「一夏さんどうかしましたか?…え?」

『あれは…上代翔さんです!あのペイントボールで真っ赤な背中は間違いありません!警察に連絡をいれながら空から追跡を続けたいと思いま…あ、あれは富士さ、いえ!樹海です!上代翔さんは何故か樹海に向かって走っていきます』
じゅ、樹海!?なんでそんなとこに…ってか距離があるせいか画質が悪くて見にくいけどアイツなんか目が血走って見えるんだが…

『上代翔さん止まってください、ホント止まってください!ああ!?樹海へそのまま入ってしまいした…追跡を続けたいのですが樹が邪魔をして空からの追跡は困難です。一度地上へと降り警察の方々と合流したいと思います!』

「……」
「……」
「……」
えぇ…本当に入ってしまったぞ。樹海って確か一度入ると出れないって言われてなかったっけ?

「一夏、残念だが諦めろ。なに二人目が見つかったのだ、三人目だってきっと見つかるさ」
「そうですわ、彼のことは残念でしたがそうお気を落とさないでください」
「おいおい!?箒もセシリアも諦めるの早すぎるだろ!?確かに空からの捜索も難しいだろうし、かといって地上をしらみ潰しに捜索するのも難しいかもしれないけど他に方法が…そうだ!ISを使えば探し出せるだろ!」
方位磁石などは狂うかもしれないがISのハイパーセンサーを使って探せば見つかるに違いない!
そうと決まればこうしちゃいられない。

「善は急げだ、千冬姉に相談してくるぜ!」
待ってろよ、上代翔!




▼▼▼▼



おはようございます、目が覚めるとそこは緑に囲まれた森の中でした…あるぇー?どこだここ?
徹夜で警察から逃げ切ったとこまでは何となく覚えてるんだけどなそれ以降のことが…あっ!?思い出した!徹夜特有のおかしなテンションになって目の前の山に向かって闇雲に全力疾走したんだった。でひたすら走ったあと遂に体力が果てて眠っちゃったんだ。
まあ、あの山って間違いなく富士山だったよね。初日に見たやつ。
--でも山に入る前にすでに森みたいなとこに突っ込んだんだよなぁ。例えるなら樹の海みたいなとこ…樹の…海?


「樹海じゃんここ!?」
まさか樹海に迷い混むとは…何だよただいま山よ、俺は帰ってきたぞ(笑)って。徹夜のテンションって怖いね…
しかしどうしようかな、樹海って方位磁石使えないとか聞いたことあるけどそもそも方位磁石とか持ってないし。これは生きて帰るのは絶望的なのか…?

--いや、こう考えるんだ上代翔。あのまま逃げてたとしても捕まってしまってたのがオチに決まってる。そしてそのまま解剖とか実験とかされてたに違いない…そう考えると一か八か樹海に逃げ込んだのもありだよね!
風の噂によると樹海には二次元への扉があると聞いたことがある。それを見つけてISなんてない普通の自由なスクールライフが送れる世界へ行けば…!

【▽カミシロカケルはポジティブシンキングを修得した!】

おお!希望が見えてきた!そうと決まれば扉を探そう、待ってろよ俺のスクールライフ!








▼▼▼▼


『上代翔さん止まってください、ホントに止まってください!!』
私、織斑千冬は教師をやり始めてから年月は浅いがある程度いろいろな性格や癖のある生徒を見てきたつもりだった。中には一時期軍で指導をしていた際に落ちこぼれて諦めていた奴を鍛え上げたこともあった…まあアイツには常識的なものを教える暇なく指導が終わってしまったのだが。
…とにかく!私は短い教師生活のなかである程度所見でも生徒の癖や性格を掴めるようになっていた。
--なっていたのだが何だアイツは。全く性格が掴めん…何故か目が血走っているし画質は悪いが口の動きからして[ただいま山よ、俺は帰ってきたぞぉぉぉ!!]と言いながら樹海に突っ込んでいったぞ。

「…ここまで奇妙な行動をとるのは束の奴以来だな」
願わくば上代翔は束のほどやっかいな性格でないことを『失礼します!千冬姉!』む?
「どうした織斑、あと先生と呼べ」
「それどころじゃないんだよ!上代翔が樹海に突っ込んでいったんだ!」
「ああ知ってるぞ。今ちょうどニュースでやっていたしな。口の動きを見るに[ただいま山よ、俺は帰ってきたぞ]みたいなことを叫びながら飛び込んでいったな、上代翔あいつは」
「ああ、千冬姉も見て…ええ!?そんなこと叫んでたのか…何で?ニュースでやってたアイツの家って樹海じゃなかったぞ」
私が知るか。
「…いや、そうじゃなくて!樹海に入り込んだなら普通の捜索じゃ見つかりにくいし下手をしたら見つけられないままかもしれないけどISのハイパーセンサーを使って探せばすぐに見つけられると思うんだ。どうにか出来ないかな千冬姉…?」
ふむ…確かにISなら普通に探すより断然容易に見つかるだろう。それに世界で2人の男性操縦者だ、上の許可も降りやすかろう。

「頼む千冬姉!せっかく見つかった同じ男でISに乗れるやつに会えずじまいなんてな嫌なんだ!」
「ふん、わかった。上に伝えて捜索の許可くらいもぎ取ってやる…あといい加減織斑先生と呼べッ!」
「ぶるすこふぁ!?あ、頭が割れる…!」

「山田君!政府からISで上代翔の救助を行う許可を申請してくれ!…口答えするようなら私と変われ、ハイかyesしか言えないようにしてやる」
「はい!わかりまし…えぇ!?」
さてこれから忙しくなるぞ。 
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