精霊使いの剣舞~憑依聖剣を振るうもの~
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五話、仲良くなります
前書き
其ではどうぞ!!
~ユウト視点~
ーーエルステイン公爵と母さんの二人が客間を出てから数分……
俺はぼんやりと広い客間を見渡していた
「(豪華だな~、流石帝国有数の貴族……調度品の趣味も良いし……)」
俺は部屋を見渡していたが飽きてしまった……
「(……暇だ、そして……)」
俺は部屋のある一画を見る
「…………」
その視線にはクレアがカーテンの陰に隠れていた
気まずいな……
「(……仕方がない……)」ゴソゴソ
「……?」
俺はあるものを作るために紙を一枚、ポケットから出し、折り始める
其を見たクレアは不思議な顔をして見る
俺が折ったのは紙飛行機、クレアは頭に?を浮かべている。まあ、そうだろうな
単純な玩具だが、この世界では紙飛行機は無いらしいし……
「頼むぞ、S,O,T、S,O,R、S,O,W」
そう言いながらそっと紙飛行機を投げて空を飛ばしてみると、クレアは目を丸くして、部屋の中を飛んでいく紙飛行機を視線で追っている
掴みは良かったようだ。 高度が落ちてきた所で、S,O,Wが作った風で上昇気流を生み出してUターンさせ、クレアの視線と同じ位の高さで客間を旋回させるように飛ばしてみる
更にS,O,Rが空気中の水分で作った水の泡を空中に浮かべて、その間を縫うように飛行させる。この辺でクレアの視線が釘付けになっているのが解った
ふふふ……これで終わりと思うなよ?
紙飛行機の描く軌跡の後ろを泡に追わせ、更にそこにS,O,Tで作った光で、様々な色の輝きを散りばめる
……思っていたより幻想的になってしまった。なんかイリュージョンみたいだな……
これはこれで良いかも知れんが
暫くそうやって部屋の中を飛び回らせてから、最後に紙飛行機を俺の手の上に不時着させ、もう一方の手で指を鳴らせば、煙と同時に水の泡と光の煌めきが、嘘のように消失する
「? ……おおう!!?」
視線を感じたので見るといつの間にかクレアが近づいてこちらをきらきらとした目で見ていたので、苦笑しながら紙飛行機を手渡した
「あげるよ。精霊魔術なんか使わなくても短い距離なら飛ばせるから」
クレアは手元の紙飛行機と俺の顔を交互に見比べ、そこで初めて嬉しそうな笑顔を見せてくれた。紙飛行機を大事そうに胸に抱いて、俺の事をじっと見る
「有り難う!!」
とてもいい笑顔だな~♪
「あ、あのね!!」
「ん?」
気を許したのかクレアが凄い真剣な顔をして話し掛けてきた
「(まぁ……始めての男の子との会話だろうしな……)」
「お話の本……好きですか?」
「お話の本?」
俺は思わず聞き返す、まぁ……貴族だし読めても可笑しくないな
「本好きなの?」
「うん!!」
目が凄い輝いてる!!?
その後、クレアは山積みの本を抱えてきた
「凄いな……」
「これとかこれとか、これなんかも凄く面白いの!!」
「そ、そうか……」
その後、気になることを聞いた
「そう言えば母さん達の会話、どのくらいかかんだ」
「夕飯までかかるって、おっしゃってたわ」
「……マジで?」
顔がひきつるのが解る
「うん、マジで……あ/////」
クレアが俺の言葉につられ、赤くなる……
「だ、だから一緒に本読もうよ!!///」
誤魔化した……だと!?
本ね~、そうだ!!
「面白い話ならいいやつ知ってるから聞かせようか?」
「え?、良いの!?」
クレアは満面の笑顔で頷いてくれる。 早速前世で覚えている話を聞かせようと頭のなかでピックアップさせる
読み聞かせは得意なのだよ……前世の経験舐めんなよ
さて、何が良いかな?
クレアの好み的(持って来た本で予測)に『シンデレラ』『ロミオとジュリエット』あたりがベストだろう。 紅茶を飲んで喉を潤し、クレアに話しかけるように、ゆっくりと『シンデレラ』を聞かせた
「それでは早速……昔々、あるところにシンデレラという少女がおりました――」
●○●○
『シンデレラ』を聞いたクレアは、目を輝かせ手を叩いた。
どうやら気に入った様だ
楽しませているのはあくまで童話の作者で自分ではないのだが、喜んでくれるのは嬉しい
なんか赤ん坊に絵本を読み聞かせている感覚だな
「……失礼なこと考えてません?」
「……いえ別に」
鋭いな、クレア……
続いて、『ロミオとジュリエット』の話を聞かせた
『ロミオとジュリエット』の話を聞いて、クレアは大きな瞳に涙を溜め込んでいた。
失敗した!?
と焦ったが、どうやら話に感動 して瞳を潤ませたらしい
……エルステイン公爵に誤解されてたら地獄行き確定だった!!
メイドさん(途中で気になったらしく見に来た)が差し出したハンカチでそっと涙を拭く
「では、お話はこのあたり で。ユウト様もお疲れのようですし、お父様方もお話を終わらせますよ?」
メイドさんがそう言って終らせようとする
「最後にもうひとつだけ聞きたいんですけどダメですか?」
クレアはそう言いながら、席を立つとオレのすぐ側まで自分から迫ってきた。その行動を見てオレは微笑み、メイドさんはクレアの行動を見て驚いた顔をしていた
「ねぇ、良いでしょ?」
クレアはキラキラとした目で聞く
「良いよ、じゃあ……」
"あれ"が良いよな、クレア、どうやら猫が好きらしいし……
「"猫の恩返し"の話をしようか?」
それを聞いてクレアが目を輝かせた
後書き
感想待ってます!
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