FAIRY TAIL~水の滅竜魔導士~
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竜からの宝物
前書き
ブルーミストラル読んでみて思いましたが・・・7年後の世界でウェンディとヨシノが遭遇したらどうなるのでしょうね?
ウェンディが成長してないのにヨシノが驚くのかな?「私の方がお姉さんになったね!」って勝ち誇るのでしょうかね?
7年後の世界で一回くらいヨシノ出してみようかな?w
「・・・私、あの子知ってる・・・」
ヨシノちゃんが竜の宝から映し出される映像を見て言う。俺はその映像を見て一つ気づく・・・女の子の髪が・・・なんか見たことあるような・・・
ジャリ・・・
俺がそんなことを思っていると何か音が聞こえたのでそちらを見る。そこにはヨシノちゃんのお父さんがいた。
「こ・・・これは一体・・・」
「お父さん!!どうして!?ケガは?」
「それが・・・さっき不思議な光を浴びたら痛みが消えたんだ」
ヨシノちゃんのお父さんは俺たちが家を出てくるまで巻いていたはずの包帯をしていない。不思議な光って・・・
「ウェンディの魔法ね」
「い・・・いつの間に~?」
「ご・・・ごめんね?」
「いや・・・謝ることではないでしょ?」
俺たちが竜の谷に向かう前にウェンディがお父さんの治療をしていたようだ。
よく気が回る子だこと・・・
「それよりこれは?どうしてサキハおばあちゃんが!?」
「サキハおばあちゃんって?」
お父さんは竜の宝から映し出される映像を見て言う。ヨシノちゃんは誰?って顔をしている。
「お前のひいおばあちゃんだよ。家に肖像画があるだろ?」
「あ・・・!!」
お父さんに言われてヨシノちゃんはハッとする。なるほど、だからヨシノちゃんは見覚えがあるのか。そういえば髪にヨシノちゃんの触手みたいなのがあるな・・・跳ねが小さいけど・・・
「あれがサキハだって!?」
「伝説の魔導士の!?」
「伝説の・・・」
「魔導士・・・?」
村の人たちが騒ぐ。ウェンディと俺は伝説の魔導士という言葉に?マークを浮かべている。
「どういうこと?」
「・・・お前に話すのは初めてだな。あのドラゴンを倒したのは、サキハおばあちゃんなんだよ」
「「「ええっ!?」」」
お父さんに言われて俺たちは驚く。でも・・・ドラゴンと仲良さそうにしてるのに・・・どういうこと?
「サキハおばあちゃんがまだ今のヨシノくらいのころだ。
両親を亡くしたサキハおばあちゃんはこの村へやってきた。しかし、魔導士だったサキハおばあちゃんは受け入れてもらえず、村の外れで一人で暮らしていたんだ・・・当時の村人には魔法は怖いものだったんだろう・・・
だが、サキハおばあちゃんは魔法でドラゴンを倒し、長年ドラゴンに怯えていた村人たちはサキハおばあちゃんを英雄として村に迎え入れたそうだ」
「・・・それが私の家、村で唯一の魔導士一族なのね?」
お父さんの話を聞いてヨシノちゃんはそう言う。すると映像から突然声が聞こえてくる。
『お願い!早くここから逃げて!!』
ドラゴンに向かって叫ぶサキハおばあちゃん・・・ん?やっぱり猛烈な違和感・・・
「え・・・じゃあこれって・・・サキハおばあちゃんとドラゴンの話なの?」
俺たちはその映像を食い入るように見る。
『村のみんながあなたを倒すって集まってるの!もうすぐここにくるわ!』
『・・・フン!私は逃げも隠れもせぬわ』
『で・・・でも』
どうやら当時の村人たちがドラゴンを倒すために集まっているのをサキハおばあちゃんがドラゴンに教えているところのようだな・・・
だけど、ドラゴンは全然動じていないようだ・・・
『・・・構わぬ。どうせ私はもう寿命なのだ』
『・・・そんなこと、言わないで・・・』
『サキハ。この石を覚えているか?』
ドラゴンはそう言うと一つの小さな石をサキハおばあちゃんの前に差し出す。あの石って・・・竜の宝か?
『これ・・・あなたの足に挟まっていた・・・?』
『そうだ。私たちが初めて会ったとき、お前がとってくれた・・・人の優しさを教えてくれた石だ』
ドラゴンはサキハおばあちゃんに笑顔を見せる。
『まさか私が人間と仲良くなるとは・・・思ってもみなかったよ』
サキハおばあちゃんとこのドラゴンは仲良しだったんだ・・・じゃあなんで・・・ドラゴンはサキハおばあちゃんに倒されたんだ?
『・・・どうして急にそんな話・・・』
『サキハ。お前は本当は村の人々と暮らしたいのだろう?
お前が隠れて泣いていること・・・知っているぞ』
ドラゴンは一拍置いてから話を続ける。
『いいかサキハ。私の命を使え。悪いドラゴンを倒した魔導士として村に行くのだ』
『そ・・・そんな・・・』
サキハおばあちゃんは手を握りしめプルプルと震え出す。
『あなたを悪いドラゴンになんてできない!!できるわけないでしょ・・・』
『・・・頼むサキハ。私の最期の願いを聞いてくれ。私の命をお前の幸せのために使ってほしいのだ・・・』
ドラゴンはサキハおばあちゃんに頬擦りをする・・・サキハおばあちゃんは目に涙を浮かばせている。
『倒せ!!』
『今日こそドラゴンを倒すぞ!』
するとドラゴンを倒そうと斧を持った村人たちが押し寄せてくる。
『村の人が・・・』
『チッ・・・頼んだぞ、サキハ』
『待って!いかないで!』
ドラゴンはそういって翼を羽ばたかせ、村人たちの前に降り立つ。
『ドラゴンだ!』
『怯むな!いけ!!』
村人たちがドラゴンに向かって行くが、ドラゴンはそれを一瞬で凪ぎ払う。
『うわっ!!』
するとドラゴンは一人の村人を食べようと口を大きく開けて見せる。
『うわああ!!』
『・・・だめっ、やめてぇ!!』
サキハおばあちゃんはドラゴンに向かって魔法を放つ・・・ドラゴンはその魔法によって地面へと倒れる。
『ドラゴンが・・・!』
『少女がドラゴンを倒した!!』
村人たちはサキハおばあちゃんがドラゴンを倒したことに驚き、そしてその声は次第に歓喜の声へと変わっていく。
『今の魔法お前が・・・!?』
『えっ・・・』
『すごいぞ!!この子は英雄だ!!』
『わ・・・私・・・』
サキハおばあちゃんはドラゴンを倒してしまったことに動揺して、首を振る。しかし、サキハおばあちゃんはドラゴンの手に竜の宝があるのを見つける。
きっとドラゴンは・・・サキハおばあちゃんに幸せをつかんでもらえて幸せだったんだろう・・・その顔は少し・・・俺には嬉しそうに見えた。
サキハおばあちゃんは顔を覆って、涙を流していた・・・
スゥ・・・
そこで竜の宝から映像が見えなくなってしまう・・・俺とウェンディはそれを見て思わず立ち尽くす。
「・・・そうか。そういうことだったのか!」
「お父さん?」
お父さんはその映像を見て何かに気づいたようだ。
「子供の頃、お前のお母さんと一緒にサキハおばあちゃんからよく聞かされたんだ。
“竜の谷にはすごい宝があって、私の願いを叶えてくれたんだ”って」
「それが願いを叶える魔法の石として伝説になったのか・・・」
「全然知らなかったわ!」
シユウさんも村人たちもその話を聞いて驚く。
「・・・優しいドラゴンね」
「うん」
「めっちゃいい話・・・」
「感動したよ~」
俺たちもその話を聞いて涙を流す。ヴァッサボーネもグランディーネも優しかったけど・・・このドラゴンもすごく優しいな・・・
「・・・やだ・・・こんなの悲しすぎるよ!!」
するとヨシノちゃんはそれを聞いて大きな声を出す。
「私たち・・・ずっとこのドラゴンは悪い奴だって思ってた・・・おばあちゃんを助けてくれたのに・・・
なのに・・・なのに・・・ドラゴンは悪いことしてないのに・・・こんなのドラゴンがかわいそうだよ!!」
ヨシノちゃんはそういって涙を拭う。ウェンディはそんなヨシノちゃんの手をそっと握る。
「ヨシノちゃんはおばあちゃんと同じ、優しい心を持っていたから、竜の宝が反応したんだね」
「これからはこんなことが起こらないようにしような」
「お父さん・・・」
「そうね!」
「私も頑張るー!!」
「みんな・・・」
気がつくとお父さんさんも村人たちもみんなこの話を聞いて、ドラゴンに対する認識が改まったようだ。
「ヨシノがいれば大丈夫ね」
「またここに来るのが楽しみだよ」
「ウェンディ・・・シャルル・・・」
ウェンディとシャルルもヨシノちゃんに声をかける。俺もヨシノちゃんに近づいていく。
「ドラゴンさんの思いをこれから大切にな」
「ヨシノちゃんたちならきっと大丈夫だね~!」
「シリル・・・セシリー・・・うん!!」
ヨシノちゃんは笑顔になって、ドラゴンの方を向く。
「悪いドラゴンだと思ってて・・・ごめんね!私たち、もっともっといい村にするよー!!」
ヨシノちゃんはそういってたくさんの花を咲かせる。それはまるで、ドラゴンを着飾るようにたくさんの花がドラゴンを囲んだ。
「きっとナナル村はいいところになるね~」
「これからますます・・・な」
セシリーと俺はそう話、その様子をしばらく眺めていた。すると
「あー!!」
「「「「!?」」」」
突然ルーシィさんが大声を出す。どうしたんですか!?
「もう汽車がでちゃう!これ逃したら今日中に帰れないわよ!!」
「マジか!?」
「いくぞウェンディ!!シリル!!」
「えっ!?」
「うわっ!!」
ナツさんに首を捕まれ走り出す。もうちょっと感動に浸らせてくださいよ!!
「あ!私たち、ヨシノちゃんちに荷物が・・・!!」
「そういえば!!」
ウェンディのウサギのカバンと俺の財布とか入ったバック!!ヨシノちゃんの家に置きっぱだ!!
「あきらめろ。めんどくせぇ」
「えぇ~!?」
「いやですよ~!!」
ナツさんのまさかの発言に涙目のウェンディとガッカリの俺・・・
するとその様子を見ていたヨシノちゃんは笑っていた。
「またね!!ウェンディ!シリル!ありがとー!!」
ヨシノちゃんたちは俺たちに笑顔で手を振ってくる。
「うん!またね!ヨシノちゃん!!」
「シユウさんとお幸せにな~!!」
「ちょ!!シリル!!」
俺たちも笑顔で手を振り返す。俺の一言でヨシノちゃんは顔を赤くしていた。でもあの二人ならきっといい感じになると思うんだよなぁ。またいつか・・・会えるといいな
帰りの列車にて・・・
「よくやったな、シリル!ウェンディ!」
「お疲れ~♪」
「これ食いな」
「わぁ!!」
「ありがとうございます!」
帰りの列車の中ではルーシィさんたちが用意してくれていたお菓子が俺たちの目の前にどんどん乗せられていく。それはもうびっくりするくらいの量が!!
「こいつら、ずっと心配だ心配だって騒いでたんだぜ!!」
「本当ですか!?」
グレイさんがエルザさんとルーシィさんを見ながらそう言う。そういえばこの間のオニバスの時もルーシィさんはめっちゃ心配してたな。結局足手まといで終わったけど・・・
「う・・・ウェンディ・・・酔い止めの魔法かけてくれ・・・」
「ナツさん!?」
「大丈夫ですか!?」
ナツさんは案の定乗り物酔いで顔を真っ白にしていた。まさかこっちに来るときもこんなんだったんじゃ・・・
ぎゅむ
「オイコラ・・・」
「こんなところで寝てんじゃねーよ」
するとグレイさんがナツさんを踏み二人はにらみ合う。すぐにナツさんが酔って吐きそうになってるけど・・・
「ふふっ。なんかこういうのひさしぶりだね」
「そうだね。なんか皆さんと一緒にいるときが一番楽しいよ!」
「私も!!」
俺とウェンディは二人でそんな話をしている。ナツさんたちはハチャメチャだけど、すごい優しくて、頼りになって・・・本当に憧れちゃうや・・・
「ん・・・」
するとウェンディが突然俺の肩に頭を乗せてくる。どうしたのかと思ってウェンディの顔を見ると、ウェンディは気持ち良さそうに眠っていた。
「寝ちゃった?」
「ルーシィさん!」
横に来ていたルーシィさんが声をかけてくれる。その後ろではエルザさんとグレイさんがナツさんを押し付け合ってるけど・・・そんなことしたらナツさん吐いちゃいますよ~。
「ウェンディ、気持ち良さそうね」
「疲れちゃってるんですね」
ウェンディは静かに寝息を立てて眠っている。今日は色々ありすぎたからな・・・ゆっくり寝かしてあげよう。
「シリルも眠かったら眠った方がいいからね」
「はい!ありがとうございます」
ルーシィさんはそういってエルザさんたちを止めにいく。少し窓が壊れつつあるけど・・・大丈夫かな?なんか列車壊しました~、とか言いそうでちょっと怖いわ・・・
しばらくすると・・・
「う・・・寝てた・・・」
俺はいつのまにか眠っていたらしく、気がつくとナツさんたちも眠っていたようだ。なぜかナツさんは荷物置きの上で眠ってたけど・・・と、そこまで思って猛烈な違和感・・・
「あれ!?ウェンディがいない!!というか窓が壊れてる!?」
俺は立ち上がって辺りを見回す。なぜか隣にいたはずのウェンディがいなくなっている・・・
まさか・・・窓から落ちたのか!?
「シリル~・・・」
「セシリー!!」
俺があたふたしているとセシリーがなぜか壊れた窓の外からやってくる。何してたんだ?
「シリル~!!すぐにこっちきて~」
「え?ちょっと!!」
セシリーはそう言うと俺をつかんで壊れた窓から外に出る。何してるんだこいつは!?
「おい!!セシリー!?どういうこと!?」
「うーんとね~・・・実は・・・」
――――――少し遡って・・・第三者side
「ん・・・ねちゃった・・・」
ウェンディは目を擦りながら周りを見る。するとそこには列車の車窓が見るも無惨に砕けてなくなっている光景が広がっていた・・・
「ええええ!?なんで窓が・・・あれ!?こっちも!!壊しちゃったんですか~!?」
ウェンディは自分達がわの窓も壊れていることに気づいて動揺する。するとその声でシャルルが目覚める。
「あんた、よく寝られたわね」
「シャルル!!どうしよう・・・せめてお片付けを・・・」
「ムダよ」
ウェンディはそういいながら窓の破片を広い始めるが・・・風が強すぎて思わず落ちそうになる。
「ちょっと・・・いくらあんたでも汽車から落ちたりしないわよね・・・」
「そこまでドジじゃないよ!!」
ハラハラと言うシャルル。ウェンディはそれに対して反論しようとし、窓を掴んでいた手を離してしまう。つまり・・・風に流され電車の外に出てしまうわけで・・・
「きゃああああああ!!」
「ウェンディ!!」
「ん・・・」
落ちてしまうウェンディとそれを助けにいくシャルル。二人の大声でセシリーが目を覚まし、列車の外を見る。
シャルルがウェンディを見事に掴むが・・・二人はなぜかそのまま落ちていく。
「シャルル!!ウェンディ!!」
セシリーはあわてて二人を助けようと列車から飛び降りる。しかし
「来ちゃダメよセシリー!!」
「な・・・なんて~!!?」
シャルルがセシリーを止め、セシリーも思わず止まってしまう。
「シリルたちに言って助けに来るようにお願いして!!私たちは大丈夫だから!!」
シャルルはそう言うとなんとか軌道を修正して下にある屋敷に向かって落ちていく。セシリーは思わず二人を追いかけようとするが・・・あることに気づく。
「あれ?魔力が~・・・」
力が抜けていく感じをセシリーは感じた。シャルルが飛べないのは、もしかしてこれが原因なのか、とセシリーは考え、その場な留まる。
「必ず助けにいくから~!!」
「お願いね!!」
「わぁ!!落ちる~!!」
セシリーは落ちていく二人を悔しそうに見てから、魔力が足りないながらもゆっくりとゆっくりと列車に向かって戻っていく。列車に近づいていくと、魔力が元通りに戻ってきたのをセシリーは感じた。
「魔法が戻ってきた・・・なんだったんだ・・・さっきの・・・」
セシリーはシャルルたちの方を見ると、シャルルたちは森の中の大きなお屋敷へと落ちていった。
「もしかして・・・あの屋敷に魔法を使えなくする何かがあるんじゃ・・・」
セシリーは急いで、シリルたちの元へと戻った・・・
後書き
いかがだったでしょうか。
呪いの屋敷編は簡潔にやらさせていただこうと思います。
次回もよろしくお願いします。
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