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美しき異形達

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第五十話 明かされる真実その三

「駄目だよ」
「けれど薊ちゃんが暴力振るわれたら」
「やり返すよ」
 即答だった、この問いについては。
「その瞬間にな」
「そうよね、薊ちゃんは」
「ボコボコにしてやって性根入れ替えてやるよ」
「そもそも最初から付き合わないわよね」
「そういう奴って人相とか目の光に出るからな」
 そうしたものにというのだ。
「だからわかるからな」
「それでなのね」
「ああ、そうした奴とは付き合わないよ」
「浮気も駄目なのね」
「あたしもしないしな」
 薊は一途だ、だからそうしたこともしないのだ。
「だから相手の人にもな」
「浮気は許さないのに」
「自分にも許さないしな」
「だからお互いに」
「それで優しかったらいいよ、例えヒモでもな」
「いや、ヒモっていうのは」
「いいさ、あたしが外に出て働いてな」
 相手が例えそうした存在でもというのだ。
「家事をやってもらうから」
「つまりハウスハズバンドになってもらうのね」
「そうした人だとな」
「そうなのね、ただ」
「ただ?」
「暴力振るって浮気する人って」
 そうした所謂屑と呼ぶべき者はというのだ。
「大抵働かないわね」
「揃うよな、そうしたことが」
「何故かね」
「あとネットで吠えてるだけの奴も嫌いだよ」
「そういう人って荒らすのよね」
 ネットの掲示板等をだ、ウィルスを仕込んだり悪質な荒らしも中にはある。それがまた厄介なことであるのだ。
「掲示板でもブログでも」
「そういう奴も嫌いだよ」
「何か普通だけれどね」
 暴力も浮気も荒らし行為もしないというのがだ。
「その普通のことがね」
「出来ない奴いるよな」
「人間として最低限のことがね」
「そういう奴はアウトだけれどな」
「それ以上はなのね」
「別にな、いい人だったらな」
「いいのね」
「ああ、まあけれどな」
 薊は腕を組みつつ苦笑いになって述べた。
「あたしが結婚してお母さんになるとかな」
「絶対になるわよ」
「将来はか」
「うん、大丈夫よ」
「行き遅れとかならないよな」
「そんなに心配なら」
 ここで裕香が言うことはというと。
「大変だけれどお寺とか天理教の教会とか」
「宗教関係かよ」
「そこの奥さんに入ったら?」
「お寺のなあ」
「神社もあるわよ、キリスト教も」
「宗教関係多いな」
「こうしたところは男の人も女の人も引く手数多だから」
 つまり住職やその奥さんにというのだ。
「何かと人手もいる社会だし」
「お寺なあ」
「別に髪の毛剃らなくてもいいから」
 尼僧になる必要もないということもだ、裕香は話した。
「別にね」
「そうなんだな」
「そう、だからどう?」
「そういえば八条学園って宗教学部もあるな」
「仏教、神道、キリスト教、天理教ってね」
「イスラムとか道教も勉強出来るな」
「お坊さんや神主の資格も取れるわよ」
 キリスト教の神父や牧師、天理教の教会長のものもだ。八条大学宗教学部独特の制度の一つでもある。 
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