今まさに君に恋してる
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始まる恋
前書き
短いので、是非とも最後まで読んでって下さい(ゝω・)
「うっわぁ~制服ぶかぶかじゃん、試し着してなかったからなぁ~失敗。」
少し大きめの制服が、自分に似合っているかなんて。
正直、どうでも良かった。
今年の桜は、散るのが早いらしい。
一週間後にはもう綺麗に散るそうだ。
___ピンポーン!
地味に高いピンポーンと言う音が、家中に響き渡る。
「あっ!はーい!!ちょっと、待ってー。」
鞄を肩に掛け、髪に櫛を通す。
急ぎ足で玄関に向かい「行って来まーす!」と大きめの声で言った。
「お待たせー!」
扉を開けると、少し暖かくなっている風が入って来た。
「おせぇ。」
久しぶりに聞く、声変わりした低い声。
視界に入ってきたのは、幼馴染みの浅野 龍悟(あさの りゅうご)。
朝は一緒に登校するという約束だったのだ。
「ご、ごめん!」
両手を合わせ頭を下げる。
龍悟は小さな溜め息を吐くと、軽く私の頭を叩き「もう遅れんなよ?」と言った。
幼稚園の頃からずっと一緒で、クラスも変わらない。
腐れ縁何だろうが、そう嬉しくも無かった。
「ってか汐李、制服ぶかぶか過ぎんだろ。」
腕をどんなに伸ばそうとしても、指先しかでない袖。
それを今どきの子は『萌袖』と言うらしい。
にしても男子と言う生き物は、どうしてこんなにもデリカシーが無いのか。
「龍悟だって、ズボンの裾折ってんじゃん。」
龍悟の身長は160センチで、私の身長は150センチ。
2人とも威張れるような身長じゃない。
10センチの差はかなりきついけど。
「うっせぇーよ、チビ!!」
「は!!?そこキレなくても良くない!!?」
龍悟は必ず一言余分だ。
そんなこと、言わなくていいのに。
そうこうしているうちに、学校に着いた。
「あっ、クラス分け!」
「汐李は4組か・・・・・・。」
「うん、そうみたい・・・・・・ん?」
汐李『は』?
龍悟は下を向いたままだ。
目で龍悟の名前を探す。
「龍悟・・・・・・1組なんだ。」
「あぁ、クラス・・・・・・仲良くやれよ。」
カッコつけて居るのが伝わってくる。
私に向けられた背中は、寂しいと言っているようにも見えた。
1-3
「あった!3組・・・・・・し、失礼しまーす。」
ゆっくりと教室の扉を開ける。
少し広い教室に独りの男が居た。
窓側の一番後ろ。
きっと番号順なんだろう。
顔を伏せていて、どんな人かは分からなかった。
「え、えっと、私の席。」
机に名前が書いてある札が置いてあるから、自分の席は直ぐに見つかる。
あれ?無いよ?
私は気付いてはいけないことに気付く。
男が座る席は、女子の列。
忍び足で近寄り、名前の札を確認する。
九条 汐李(くじょう しおり)。
私の名前だった。
「え、えぇーえっとぉ、ど、どうしよう。」
少し驚き、軽いパニック状態に落ちる私。
浅い深呼吸をして、改めて状況を整理する。
私の席に座る男、眠っている。
きっと席を間違えたんだ。
教えて上げよう。
「あ、あのぉーすみません。」
私の声に気が付いたのか、下を向いたまま顔を机から上げた。
「そこの席、私の何ですけど・・・・・・間違えてませんか?」
小心者の私なのに、言えたほうだ。
男はゆっくりと顔を上げた。
整いすぎている顔に、見とれた私。
男は私に一言。
「うぜーなテメェー。」
汚い言葉は顔と比例の関係になっている。
立ち上がった男は私の胸ぐらを乱暴に掴み、もの凄い力で持ち上げた。
「う゛っ!?あっ!っく!」
制服がぶかぶかなおかげで、辛うじて息ができた。
それでも地面から浮いた私の体は、もがいても降りれなかった。
助けを呼ぼうと思っても、喉が締め付けられ声が出ない。
男はそのまま私を強く地面に倒した。
「痛っ!?」
涙目になりながらも、男の顔をジッと見る。
するとさっきまでの整った顔が、まるで悪魔の顔のようになっていた。
___助けて、誰か!!
「おいお前!!!汐李から離れやがれ!!!」
走って私を助けに来てくれた人物。
「・・・・・・龍悟ぉ。」
私はそのまま気を失った。
後書き
最後まで読んでくれてありがとう!続きが気になる方は、ぜひ次の話も!!(*ゝω・*)ノ
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