| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

小学時代を思い出そう!

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

「林間学校②」

 キクちゃんは、とにかく子どもたちを、あやすのがうまかった!遊んでいるつもりが、遊ばれてしまうのだ!!

「キクちゃん、写真とってよ~!」

 と、言うと必ずカメラを向けてくれた。一応、撮るマネだったが、それだけで撮ってもらえた!という、満足感があった。
 そうそうなぜ撮るマネが、分かったかというと、後日の写真販売で、撮れてない事が分かったのだった。すると、キクちゃんは……

「ごめんネ、うまく撮れてなかったんだあ」

 と言い訳してくれるのだ。これがまたいいのだ!!こちらには、撮ってもらってたという満足感があるから、別に気にもならない!その上、ちゃんと撮ってくれてるシーンもあり、それも本人たちが気付かないうちに、ベストショットを撮影してくれているから、逆に嬉しくなるのだった。さすがはプロだ!
 こんなキクちゃんだから、バス移動の時にキクちゃんが来てくれると、バスの中はすごい盛り上がりだった。
 キクちゃんの、持ちネタで最高だった「怪談話」だった。写真を撮っている人の心霊写真ネタには結構ビビった。

「キクちゃん、心霊が写ったらどうするの?」

 と、聞くと……

「大丈夫、ちゃんと写らない方法があるんだよ」

 と、言った。

「その日の朝に、写りませんようにって、祈るんだよ。じゃないと写るから……」

 と、言いながら持っているカメラをなでる姿に、かなり焦った。これでは、あまりうるさく「撮って!」とは言えなくなる。さすがは小学生相手に、写真を撮り続けているプロだ。
 今にして思うと、きっとそんな駆け引きを楽しんでいたのだろう。

つづく
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧