インフィニット・ストラトスGM〜天空を駆ける銀狼〜
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なんでこうなるかな?
「デュノアさんも大変ですね。一夏に土曜日まで駆り出されるなんて」
「あははは。そんなことないよ。僕も勉強になるし」
☃☃☃
「「「………」」」
「そんなにガンついて見るもんじゃないと思いますよ」
「「「!?」」」
ビックと後ろを振り返ると三人組。そして、口々に文句を言う。
「なんだ……アンタか……」
「なんで……貴様というやつは無駄に人を驚かす……」
「そうですわ……」
「……………」
(なんで私、文句言われてるだろう……)
「そんな事より練習しないんですか?」
私は並んで一夏とデュノアさんを見ている三人組に問いかける。
「練習ならするさ。しかし……」
「そうね。アタシもしたいんだけど……」
「わたくしもそうなんですが……」
三人組が送る視線の先にはもちろん一夏。とその一夏に詳しく丁寧に教えているデュノアさん。
(まぁ。男同士ですし、仲良くしますよ)
「なるほど……。自分たちの説明には聞く耳を持たなかった一夏がデュノアさんの説明には真剣に聞いているものだから、嫉妬もしくは腹立しいと……」
「なっ……」
前を向くと真っ赤になって私を睨んでいる三人組。私はあっと口に手を当てて、ボソッと呟く。
「思っていることと言いたいことが反対になってしまいました……」
それを聞いてまた食ってかかる三人組。
(そこ人たちはいちいち食ってかからないと気が済まないのでしょうか?)
取り敢えず、落ち着かせてと
「おい。優里〜」
「?」
振り返ると向こうから一夏とデュノアさんが駆けてくる。私の前に止まると
「優里のISって俺と同じで近接格闘オンリーだったよな?」
「まぁ……」
☃☃☃
「で?なんで私と一夏が戦う目にあうのでしょう?」
「まぁ。オレの勉強と思ってさ」
「はぁ……。なら、一夏どうぞ」
私はため息をついて、戦闘に集中する。
「なら、行くぜ!優里ぃ!!」
一夏は叫んで、私に飛びかかる。それを冷静に見つめながら、相手の弱点を見極めて行く。
さすが、一夏っていうところかな?スピードはそこそこ速い、でも武器の振り方がなってないな。
ヒョイヒョイと剣をかわす私に一夏は焦っているのか尚更、乱暴に武器を振る。
「一夏……そんなんじゃ、私には勝てませんよ。もっと、相手の動きを見なくては……」
「?……みてるさ‼︎」
「見てません‼︎」
私はそう言って一夏の剣を自分の短剣ではたき落とすと拾いに行った一夏に言う。
「一夏、零落白夜を発動してください」
その私の言葉に一夏もそのアリーナにいた人々達が私を見つめる。そんな中、一番冷静だったのはデュノアさんだった。
「待ってよ。那珂さん、そこまでしなくても」
「そこまでしないと今の一夏は私に勝てません、私も隠していた技を使うので」
「いや。でも……」
その時だった。
幽かに銃を発泡した音が聞こえた。
ハッとして一夏に近づく。 一夏を守るように立つと目を閉じて、空気の違いを感じてそこに短剣を振るう。するとガスッという音が聞こえ、手元が少し痺れる。
「ふん。外れたか」
何もないところから突然現れたのは黒いISに身を包んだラウラ・ボーデヴィッヒだった。痺れる手に視線を送りながら、ラウラ・ボーデヴィッヒを睨みつける。
「また。貴様か……、何故そこまでしてその男を守る?」
「じゃあ、なんでそこまでして一夏を狙うんですか?」
私は疑問を疑問で返すと完全に一夏と銀髪の転校生の間に立つ。
「それは……その男があの人の弟だからだ……」
「あの人……?千冬お姉ちゃんですか?」
「そうだ!私はそいつがあの人の栄光を潰したのを許せない‼︎」
「だからって、不意打ちで相手を倒すなんて汚いですね?」
私の売り言葉に買い言葉に次第に顔を怒りで歪ませる転校生。私はそれでも言葉責めをやめなかった。
「貴様ッ!!!」
と限界を超えて、怒り狂った時にはもう遅かった。騒ぎを聞きつけた教師達がこのアリーナに集まってきたからだ。
「ふん。今はまだいい……いつかお前もろとも倒してやる‼︎」
捨て台詞を残し、颯爽と逃げて行く。その後ろ姿を見た私はフゥ〜と張り詰めていた息を吐くと振り返る。すると、私を見たまま固まっているアリーナの人たち。そして、パチパチと拍手が巻き起こった。
「すげぇよっ!!優里!!優里って銃弾切れるんだな!!」
と狙われたのに呑気にはしゃいでいる一夏。そんな一夏に私は苦笑する。
「まぁ、こんなの朝飯前ですよ。だから、今の一夏は私には勝てませんって」
「あぁ、そうだな」
「そうですよ。だから、頑張ってください」
私は一夏に笑う。
(貴方の成長は私だけじゃなく、千冬お姉ちゃんもみたでしょうから)
後書き
終わり〜と七話でした。
そして、次はついにあのシーンです!!
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