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スマブラ!~逃走中~

作者:SBX
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~オープニング~




~オープニング~



人気の無くなった大都会『ヤマブキシティ』

その中央にそびえ立つ巨大ビル『シルフカンパニー』

その前に集められた12人の逃走者達。

彼等の目的はただ一つ…………それは逃げること。

「ついに始まるぞー!」

気合十分のミスター任天堂・マリオ。

「いつもやってる大乱闘とは全然違いますけど……」

剣も盾も無く、違和感を感じているリンク。

「みんなで絶対逃げ切ろうね!」

ゲーム開始前に皆を激励するカービィ。

「「「よし!」」」

その声を機に、12人の逃走者たちが一斉に街中へ駆け出した。
ゲーム開始前に逃走者達は、1分間の逃げる猶予が与えられる。

「俺の巨体じゃ不利だからな。何処か安全に隠れられる場所を見つけないと……」

コンゴジャングルの王者ドンキーコング。大柄なため、動き回るのはかなり不利だ。

「1分なんてあっという間よね。なるべくスタート地点から離れたいわ」

バウンティハンター、サムス・アラン。パワードスーツを着ているが、動きは軽快だ。

「もうそろそろか。レースよりも何かドキドキするな!」

1分が経ち、ゲームが始まった……。


[60:00 0]

[59:59 300]

[59:58 600]


シルフカンパニーの正面扉が開き、中から二体のハンターが駆け出す。

「うわぁ~……ついに始まったぁ」今にも泣き出しそうな緑の人気者・ルイージ。

「スゴいスゴい! もう9000円になったよ。もうお菓子いっぱい買える!」

ハンターから逃げた時間に応じて賞金を獲得できる。

それが……【run for money~逃走中~】

舞台は【ポケットモンスター】のヤマブキシティ。
水路、建物内、シティ外には逃走不可。広さはおよそ東京ドーム3個分。
このエリアを12名の逃走者が逃げ回る。

制限時間は60分。賞金は1秒毎に300円ずつ上昇し、最後まで逃げ切れば、108万円を手に出来る。
しかし途中でハンターに確保されれば賞金はゼロ。ゲーム失格となってしまう。


「ハンター怖いなぁ。油断したら僕でも追い付かれそうだよ。ここホームグラウンドなのに……」


ハンターはスプリンターの脚力とマラソンランナーの持久力を併せ持つアンドロイド。
たとえ相手がポケモンであろうと、逃げ切るの容易ではない。


「いざとなったら自首も出来るんだよね。……で、ですよねスタッフさん?」


なお、このゲームは自首も出来る。
エリア内に設置された自首用電話で自首を伝えれば、それまでの賞金を獲得し、ゲームからリタイア出来る。


「自首は無いな。賞金もそうだが、【逃走中】だからな。男なら逃げ切ってやるぜ」

F-ZEROレーサーのキャプテン・ファルコン。足には相当の自信があるようだ。


「自首は出来ればしたくない。グレートフォックスの修理代諸々がなぁ……」

雇われ遊撃隊も、金には敵わない。


「賞金手に入れたら……スマブラのメンバー集めてコンサート開きます!」

――皆さん眠っちゃいませんか?

「……み、耳栓をしてもらえれば大丈夫です!」

本末転倒だ……。


「うん。ここが良いな」

ヤマブキシティの建物の隙間に潜むドンキーコング。
良い隠れ場所を見つけたようだ。

「ディディーに絶対勝つからって言ったからな。兄貴分としてカッコいいところを見せたいんだよ」

――賞金は何に使いますか?

「バナナ……と言いたいが、ジャングルの仲間と相談かな?」

ハンターに確保されれば賞金はゼロ。ゲーム失格となってしまう。


「――ッ!? 今ハンターさんいましたね……!」

ハンターを目撃したヨッシー。急いでその場から遠ざかる。

「ハァハァ、ハンターさん怖いですね。乱闘とはまた違う緊張感があります」

ハンターは神出鬼没。何時、何処から現れるか分からない。


[55:00 90,000]

[54:59 90,300]

[54:58 90,600]


「5分経過でもう9万円。うわ、何か興奮するなぁ」

ニヤニヤが止まらないミスター任天堂。

「目標は勿論逃走成功なんだけど、心配なのがね。我が弟なんですよ」


「兄さんは108万円目指すって言ってましたけどね、正直10万円でも大金な気がするんですよ僕にとっては」


「自首……するかなぁ。【ルイージマンション】でテレサ相手にもかなりビビッてたし、今回相手ハンターでしょ?」


「怖くなったらもう自首します。ええ、後はもう兄さんにお任せします」


「自首しそうだなぁ……早々に」

弟が心配な兄と……

「出来れば自首用電話の近くに隠れておきたい。いざって時のために」

兄に任せる気満々の弟。そんな彼の前に……。

「――ッ!? うわっ! ハンターッ!?」

ハンター、Lock On

「速い……ッ! 速……ッ!」ポン

油断大敵だ……。

「うわ~……ゴメン兄さん」



PiPiPiPiPiPi

「ッ!? ビックリした。ハイラルにこんな物無いから変な感じですね」

メールだ……。

「確保情報……ポケモンセンター付近にて、ルイージ確保!」

「逃走者の人数はこれで11人となった。早いな」

「まだ5分ちょっとしか経ってないのに……もうルイージ君が捕まるなんて」

逃走者への確保情報、通達は全員に支給された携帯電話で伝えられる。

「ルイージぃ……視聴者の皆さん、我が弟が一番に捕まりましたよ。何かゴメンなさいホント」

残る逃走者は、11人……。 
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