無能騎士の英雄譚
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三話
前書き
天才対無能(前編)
「ハァァァァァァァァァァッ!!!!!」
開幕と同時にステラは神に走りより、炎を纏わせた一刀を放つ
「……」
其をギリギリで回避する
《妃竜の罪剣(レーヴァテイン)》は床に叩きつけられ、ずおんっ、とー第三訓練場そのものが激震した
「良い見切りね、受けてたらただ者すまなかったわよ」
「そのようで」
神は体制を建て直すために距離を取る……
が、
「遅いわよ」
「っ!?」
ステラはそれ以上の早さで神に肉薄する
魔力を足裏に集めて爆発させたようである
「(……魔力の扱いが下手すぎる)」
其を見た神はそう思った
思いながらもステラの剣戟に応じる
『おお……っ!!』
上がる歓声
「(剣の腕前は……延びしろがある、魔力の扱いは直せる……こいつは魔導師ランクに直すと)」
「ハァァァァァァァァァァッ!!」
「B-ランクだな」
そう言いながらステラに拳打を当てて距離を取る
「龍也に比べれば、まだまだだな」
そう言いながら六鉄を放り投げる
『なんだあいつ?』
『自分の武器を投げた?』
『諦めたのか?』
それを見て疑問を浮かべる観戦者達……
「……あんた、舐めてるの?」
それを見てステラは怒る
「いや、どうせなら……」
そう言いながら神の手には別の武器が握られている
「……う……そ……」
それを見てステラは目を見開く
『お、おい……あれって……』
『うそ……』
『な、何で……』
驚く観戦者達
「同じ土俵で戦いたいからね」
ステラの固有霊装……《妃竜の罪剣(レーヴァテイン)》が握られていた
●○●○
「何であんたがそれを持っているのよ!?」
本来、固有霊装はその持ち主の形……
同じ武器と言うのはひとつもないのである
「……これが"無能騎士"の由来だ……」
そう答える神
「俺には剣や、魔術の才能がない……魔力も少なかった……でもある時、ある一人の人物が俺を鍛えてくれた、空気中の魔力を操る技、《集束魔闘(スターライトアーツ)》を教え……そして唯一あった才能……"観察力"を魔術や武術にあてる俺だけの能力を作り上げた」
「……作り……上げた……?」
「"才能投影(センス・トレース)"……つまり、今まで見た固有霊装、能力を真似することが出来、さらに自身に合うように作り替える能力……」
「ま、まさか……」
「おれの無能の意味は……才能が無いの意味でなく……
"真似出来ない能力が無い"の意味だ……さて、」
そう言いながらステラに偽・妃竜の罪剣(レーヴァテイン)の切っ先を向ける
「いくぞ、ステラ・ヴァーミリオン……魔力の量は充分か?」
後書き
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