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チートな転生者の奏でる『俺の転生物語』原作どこいった!?

作者:虚空
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『日常編』

 
前書き
遅くなりましたが、

今回は入学式です。 

 
桜舞う春の季節、

それは、出逢いと別れの季節。

人はそれを何度も繰り返す。

そしてここにも一人新たな出逢いと環境に胸踊らせる一人の少女の姿があった。

「ついに今日から小学生だね」

「御入学おめでとうございますなのはさん」

まだ若干の堅さを残す新品の白い制服に身を包んだ彼女の姿がここにあった。

「うん!」

出逢ったばかりの時のような自分を押し殺したような笑顔ではなく心から喜んでいる少女の眩しい笑顔があった。

「なのは そろそろ入学式が始まるわよ」


桃子さんの言葉に反応し、

「いっけな〜い!」

校舎へと駆け出すなのはだが、

「いきなり走ると転けるぞ」

零がなのはに忠告をするが、

「だいじょu…キャアッ!」

忠告したにも関わらずなのはは足元の小石に躓き前のめりに倒れる。

その際にスカートがめくれ薄いピンク色の布が見えたのは事故である。

迫りくる地面に反射的に目を塞ぐなのはだが、

「だから危ないって言っただろ?」

なのはが感じた感触は地面特有の硬い感触ではなく人の柔らかな暖かい感触だった。

「やれやれ(瞬動が間に合ってよかったよ)」

なのはが倒れた際に俺は足の裏で気の放出を行いなのはが地面に倒れるよりも速く回り込み抱き抱える事に成功できた。

「うにゃ~!」

自分の置かれた状況を把握したなのはは顔を真っ赤に染め上げまるで猫のように零の腕の中でじたばたと動きまわる。

ただし嫌がっている訳ではなく恥ずかしいのと今の状況に慌ているだけであり、

少し時間がたてば何時ものように零に頭を撫でられ顔を朱くしながら大人しくなる。

「なんか前にも似たような事があったな……」

以前にも似たような事があったのに若干呆れている恭也。

以前は目の敵にされていたが度々高町家にお邪魔しているうちに色々と言葉を交わした事によって今は前程悪い関係では無くなっている。

まぁ だからと言って完全に打ち解けた訳ではないのだが……。

やっぱ戦いを挑まれて返り討ちにしているのがダメなのかな?

「うぅ〜ん なのはをあげるから零君家に来てくれないかな?」

先ほどの零の瞬動術を見て溢す士郎。

残念ながら俺の地獄耳(ヘルズイヤー)にはしっかりと聞こえていますよ。

いや すんごく嬉しいけどね!

「さて そろそろ入学式が始まるから行こうか?」

「うん!」

なのはの手を引いて入学式の行われる会場へと向かう。

「え〜では〜これから私立聖祥大附属小学校入学式を始めます!」

司会役の先生の号令で入学式が始まる。

「では最初に校長先生のお話です」

「皆さん御入学おめでとうございます これから始まる学校生活は大変なものでありますが…………」

校長先生の眠りを誘う長い(スリーピングボイス)がこの場にいる全員に襲い掛かる。

なんでこういう偉い立場の人達の話って長いんだろう?

異世界でも共通なのか?

校長の長い(スリーピングボイス)の効果なのかあちらこちらで寝息をたてる子供達の姿がちらほら……ってよく見たらなのはも寝てるよ!

しかし……俺も眠い……なんでこんなに眠くなるんだ?

俺はなんとか気力を振り絞り眠気と戦う。

「だから大根はゆっくりコトコト煮るのが一番で〜」

なんか急に話題が変わってんぞ!?

「え〜話が進まないので次は先生方の紹介となります」

あまりにも話が長く進まないので司会役の先生が校長の話を切って次へと進める。

「え〜まずは体育を担当してもらう……」

司会役の先生が担当の先生を紹介しようとした次の瞬間、

「フハハハッ!」

突如会場全体を揺るがすかのような笑い声が木霊する。

ちなみにこの笑い声で寝ていた生徒達は全員飛び起きました。(無論なのはもね)

そして現れたのは陽の光を受け輝く頭、頑強な鎧を連想させる筋肉そして彫りが深く一度見れば忘れる事の出来ない濃い顔をした男……否! 漢がいた!!

「ワシが男塾塾ちょ……ではなく体育を担当する江田島 平八である!」

って! まてゐ!!

何故に魔法少女の世界に塾長が居る!?

いくらなんでも合わなすぎだろ!?

これも世界の歪みなのか!?

違うよね! 違うよね!? 誰か違うって言ってよ!?

「ワシは本来ならばワシの経営する男塾にて教鞭をとっているのじゃがこの学校の校長とは古い知り合いでな! 短い間だが貴様ら男子どもの軟弱ぶりを叩き直すためにワシ自らが貴様らを鍛え直してやろう!」

塾長のその言葉に男子生徒全員がムンクの『叫び』のような顔になる。

うん……男子生徒には気の毒だがなのはに関係なくてよかった。

「では続いて美術担当の……」

「地院家若美よ~下から読んじゃダメよ~」

腰まで届く長い髪のオネェ系な人が現れた……ってまたかい!

何? 何なの!? 何ですの!? この学校! 何でこんな濃い人ばっかいんの!?

って三段活用!?

てか……下から読んだら某芸能人になるよな?

「私も短い間だけどよろしくねぇ~チェリーボーイ達~?」

その瞬間俺を入れた全ての男子達の背に悪寒がはしる!

ダメダ……眼ヲアワセチャ……喰ワレル!

あの時の俺達男子を見る眼は完全に捕食者の眼だった……。

まぁ……短い間だって言ってるしなのは達女子には関係無いからいいよね!?

というかさっきから男子の扱い悪すぎないか?

何か怨みでもあんの!?

「え~続いて」

まだ居んの!? もう俺の精神力(ライフポイント)はゼロよ!?

「え〜皆さん人と言う字はお互いが支え合って出来ているのです」

ここで伝説の先生かよ!?

確かに良い先生だけどさ!

「ではこれにて先生の紹介を終わります」

やっと終わった……なんか一気に体力と精神力持ってかれたぞ?

どんだけ濃い入学式なんだ……これも歪みなのか?

絶対違うと思う……てか思いたい!

かなり混沌(カオス)な入学式を終えた俺達は、

「なんと言うか……」

「かなり独特な入学式だったね?」

苦笑をもらす千歳と士郎さん。

「あはは……それはさておきなのは」

「なぁに?」

トコトコと可愛らしい足音をたてながら俺に近付いてくるなのは。

「はい 入学祝だよ」

零は小さな箱をなのはに手渡す。

「これは?」

「前になのはが俺の着けているリボンを欲しいって言った事があるだろ?」

「うん」

俺の問いに頷くなのは。

以前になのはが今俺の着けているリボンを気に入り欲しがった事があるので今回入学祝として新しく創って手渡す事にした。

「ほら 開けてごらん」

なのはに箱を開けるように言う、

その箱の中に入っていたものは、

「きれい……」

陽の光を受け柔らかな白銀の色を放つ銀に近い純白のリボンだった。

ちなみに今俺が着けているリボンは吸魔のリボン(黒)と言い以前にとある人物から貰ったもので効果は魔力を無限に吸収し貯め、持ち主の任意で解放や供給が出来るのだ。

さらにその貯めた魔力の内微量の魔力を使い常に自動修復を行うので常に綺麗な状態を保つ事も出来る。

「早速着けてみるか?」

「うん!」

力強く頷くなのはに近付き、なのはの髪を縛るリボンを外す、

シュルッ! という音と共にリボンはほどかれ、その際に女性独特の甘い薫りを感じながら亜麻色の髪を優しく束ね純白のリボンで縛る。

「痛くないか?」

「大丈夫」

リボンは若干の緩みを持たせて縛る。

「はい完成」

何時もしている髪型であるツインテールにして纏める。

「う〜なのはもお兄ちゃんみたいな髪型にしたいの〜」

どうやらご不満のようだ。

「もう少し髪が伸びてからだな」

今の俺の髪型は腰まで届くポニーテールであり多分なのはよりも長いな。

一度髪を切ろうとしたら千歳となのはが涙眼になって止めて来たのでまだ切れていない……手入れが面倒なのに……何故?。

「もう少し髪が伸びたらお兄ちゃんみたいな髪型にしてね!」

なのはのポニーテールか……そんなの……絶対に可愛いじゃないか!!

「うん……髪が伸びたらやろうな!」

俺……実はポニテ派なんだ。

「うん!」

俺の言葉に頷き返すなのは。

今から楽しみだな。

「う〜ん 男の子と家の娘がイチャついているというより女の子同士でハシャいでいるように見えるのは何故だろう?」

一連のやり取りを見ていた士郎が呟く。

「アイツ……ホントに男だよな?」

呟く恭也さん……見た目はともかく性別は男だよ!

「なんか色々言われてる気が……」

別に悪口ではないよね?

「そういえば零君は学校には行かないのかい?」

「学校ですか?」

「あぁ 零君の歳なら普通は学校に通うはずだよね?」

まぁ 普通なら……そうなんだけど、

「う〜ん 今は通う気は無いんですよね 一応大学卒業してますから」

零のこの一言に場の空気が凍る。

「え?」

「零君?……今何と?」

「実は以前海外の大学で卒業資格と博士号を取ったんですよ一度ニュースとかに出たらしいですよ」

実はこの世界で企業を起こす為にも肩書きという箔が欲しかったので多少ズルをしたが持てる能力をフルに使い一年という短期で大学卒業資格を取ったのだ。

「冗談だよね?」

「残念ながら本当です」

「そういえば一時期名前は伏せられていたけど子供がMITを卒業したって話題になっていたわね」

桃子さんが思い出したかのように呟く。

「あっ! それ俺ですよ」

「すごいわね~」

「まぁ そういう訳で学校に通うかは当分は保留なんですよ」

「え? お兄ちゃん学校行かないの!?」

なのはが残念そうに尋ねる。

「当分はね、まぁいつか気が向いたら行くかもね」

「わかったの」

「ハハハ まぁ それはさておき今日はなんか美味しいものでも食べに行こうか」

「そうね」

「零君達も一緒にどうだい?」

「いいんですか?」

「あぁ もちろんさ それに……」

ふと見ると零の服の裾を引っ張り若干眼を潤ませたなのはの姿があった。

「お兄ちゃん 一緒に行こうよ!」

こんな姿見せられたら頷かずにはいられまい!

「では ごちそうになりますね」

「あぁ 歓迎するよ」

柔らかな笑みを見せる士郎さん。

「ありがとうございます」

それに対して精一杯の微笑みを返す零。

ちなみにその姿を見た周りの人達は、

「うにゃ!」

「はぅ!」

「「クッ!?」」

「あらあら」

何故か顔を朱く染めるなのはと千歳に鼻を抑える士郎さんと恭也の姿があり、

桃子さんは口に手を当てながら微笑む。

「どうかしました?」

「い いや 何でもないよ(無自覚なのか?)」

「すみません 御相伴に預ります」

ペコリと頭を下げ礼を述べる千歳。

「いえいえ 何時も零君や千歳さんには家のなのはがお世話になっていますから」

「そうですよ 私達は仕事を理由に中々あの娘をかまってあげられないので親としては少し複雑ですが千歳さんと零君には感謝していますよ」

「そうですか」

「さぁ 何時までもあの子達を待たせるわけにはいかないからそろそろ行きましょうか?」

「はい」

話を終えた士郎達は先に行った者達の後を追う。

「しかし……(あの混沌な入学式は置いといてついになのはが小学校に入った事で物語が進むな……)」

あと2年……その間に俺に出来る事をしよう。

たとえそれが俺のエゴだとしても貫かせてもらうぞ!

「お兄ちゃ〜ん 速く行こうよ〜」

動きの止まっていた零の服を引っ張るなのは。

「あぁ ごめんごめん今いくよ」


なんとも締まらない終わり方である。 
 

 
後書き
お久しぶりです!

作者です!

今回は大変遅くなってしまって申し訳ありません!

学校と課題、仕事で忙しかったのもありますが、

出来上がった原稿を数字キーを押し間違えてしまい削除してしまったのが一番響きました。

次の話を速く上げれるようにがんばります。

どうか暖かな眼で見守って下さい!

また常に感想やアドバイス応援をお待ちしております! 
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