転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0973話
「アクセル代表、一体どういうおつもりですか! 味方がいる場所に攻撃を仕掛けるような真似をするなど!」
そう叫んでくるのは見覚えのある人物。確か、今回の戦いの前に集まって面通しした時にもメギロートで偵察をしたのを責めてきた奴だな。
だが、その言葉は前回よりも尚鋭い。その理由は……まぁ、考えるまでもないだろう。前回は曲がりなりにも帝国軍との戦いの前であり、俺達シャドウミラーの戦力に対して期待していた。だが、今は帝国軍をほぼ壊滅させ、皇帝を始めとする皇族や貴族達も殆どが捕らえられている。
つまり、今ここで目立った活躍をすればそれだけ連合国内での発言力が高くなる。そういう考えなのだろう。
だからこそ、自分達で閉じられていた帝都の門をどうにかしたかったのだろうし、それを他の勢力によって成された事で面子を潰されたも同然となっている。
だが……こいつはそもそも、今回の騒動の大本を忘れていないか? それは帝国が俺達シャドウミラーに対して侵略行為をしてきたからであり、帝国軍の戦力が大幅に減ったのは俺達が倒したからだ。
そんな俺達シャドウミラーに対し、敵対的な行動を取ることは明らかにマイナスでしかないと思うんだが。
事実、他の国々の代表者達は男に咎めるような視線を向けている。
「そうは言うが、攻撃する前にきちんと退避するように警告した筈だが? それを聞かずに門の前に居座っていた奴が死んでも、それは自業自得としか思えないな。寧ろ、そんな奴等に対しても必要以上に怪我をさせないように攻撃の威力を削った事を感謝して欲しいんだが?」
「……それは、我が国に対する侮辱ですかな?」
「さて、侮辱でも宣戦布告でも好きにとればいい。そっちがその気なら、こっちはいつでも受けて立つ用意はある。俺達にしてみれば、所詮この世界の戦力なんて有象無象でしかない。それは、俺達が帝国軍相手に挙げた戦果を考えれば当然だと思うが? 一応言っておくが、俺達が帝国軍相手に全力を出した事は一切ない。寧ろ余剰戦力程度しか使っていない」
その言葉に、つい数秒前までは得意げに俺を責めていた男の表情は見る間に青くなっていく。
今になって、ようやくシャドウミラーと自分達の戦力差を思い出したのだろう。
あるいは、こうして連合国に協力していたのだから、自分達に攻撃するつもりは一切ないとでも誤解していたのか?
「どうする? そっちの好きにしてくれ。正直な話、わざわざ近づいてくる羽虫を相手にこっちからどうにかするつもりはないが、顔の近くでブンブン飛びまわられたりすれば邪魔以外のなにものでもないからな。プチッと潰しても構わないぞ?」
「……」
挑発気味にそう告げても、青ざめた表情を浮かべた男は完全に黙り込む。
それを一瞥し、改めてその場にいる全員へと視線を向け、口を開く。
「言っておくが、俺達がお前達連合国に協力したのは、あくまでも帝国が俺達に対して侵略行為を行ってきた愚かさをその身を以て味わって貰う為であり、同時にその際の賠償を手にする為だ。だからこそ、帝国如きに支配されていたお前達に協力したんだ。それに不満がある者がいるのなら、行動で示せ。こっちも相応の行動で対応するからな」
その言葉に戻ってくるのは無言。
誰もが……そう、連合軍の主導的な立場にいるエルベ藩王国の国王デュランですら言葉を発さない。
それは当然か。特にエルベ藩王国は今回の協力と引き替えに俺達に対して資源を採掘する権利を渡している。それはつまり、より多く俺達から戦力を借りている事を意味しているのだから。
逆に言えば、それだけ俺達の力を近くで見てきたという事になり、もし敵対した時にどれ程のダメージを自分達が受けるのかを知っているという事になる。
それだけではない。俺に絡んできた国はアルヌスの丘付近で連合諸王国軍とシャドウミラーの戦いを見ていない。こちらに内応した国々から生贄の羊とされた、帝国に媚びへつらっていた国々の行く末を。
「……さて、他に俺達シャドウミラーに対して何かあるか?」
そう告げると、やがて連合諸王国軍の時からこちらに協力していた国の軍から派遣されてきた代表がそっと手を挙げる。
「捕らえた皇族の処置に関しては、私達に任せて貰えるという事でいいんでしょうか?」
「そうだな。ただしモルトやゾルザル辺りはともかく、ピニャは民衆にも人気が高い。下手に処刑すれば、それを理由に暴動が起きるかもしれない。それを考えると、その辺はよく考える必要があるだろうな」
「……なるほど。やはりそう思いますか」
元々その辺に関しては考えていたのだろう。寧ろ納得したといった表情を浮かべる男に、周囲にいた他の者達もまた頷く。
それから、以後帝国をどのようにして行くのかの話し合いが始まる。
主な変更点としては帝国の領土は連合国の統治下とする事や、シャドウミラーに対する謝罪の件といった内容だ。
特に後者に関しては、モルト、ゾルザル、ディアボの処刑を持って一先ず和解とする事になった。
……ゾルザル、まだ生きていたんだな。
ベッドで身動きが取れなくなっており、ウサギの獣人に看病されながら肉を毟られるという生き地獄に近い感じになっていたところを発見されたらしい。
それと、帝国からの賠償に関しては後日エザリアとレオンが話し合いをする事になりそうだ。
ゾルザルじゃないが、連合国は色々な意味で毟り取られそうな気がするな。
まぁ、資源の類はキブツで作り出せるとはいっても、在庫があって困る事はないんだし。他にも色々と興味深い代物を得られるだろうから、こちらとしては特に文句はない。
個人的には、ワイバーンをもっと確保して欲しいところだ。
シャドウミラーとしては、こっちに侵略行為をしてきた帝国が滅びて、資源やら何やらを提供して貰えばそれでいいんだから、以後の国の運営に関しては特に何も口出しするつもりはない。ただ1つ……
「言うまでもないが、俺達はこの世界での国の運営にどうこう口出しするつもりはない。だが、前もって言っておく。俺達と敵対するようなつもりがあるのなら、その時は死を……そして国の消滅を覚悟してからにしろよ。帝国がどんな目に遭ったのかを忘れない事だ」
そう告げ、最初に俺に絡んできた国の代表へと視線を向ける。
自分達の事を言われていると理解したのだろう。ビクリとしているその様子に、これだけ脅しておけば大丈夫だろうと判断して、座っていた席を立ち上がる。
「取りあえず、ここからはこの国をどうやって運営していくかどうかという話になるだろうから、俺はこれで失礼させて貰う。こちらとの交渉に関しては、さっきも言ったように後日こちらから担当の者を送る」
そう告げ、影のゲートを作り出してそこに身を沈めていく。
そんな俺の様子に驚愕の表情を向けている者が何人もいたが……まぁ、このくらいは見せても別にいいだろう。
「あら、お帰りなさい。交渉に関してはもういいの?」
シロガネのブリッジに戻ってきた俺に向かい、そう告げるマリュー。
その手には紅茶のカップがあり、それは同じくブリッジにテーブルを持ち込んで優雅にお茶を楽しんでいる円や美砂の手元にも、カップやらクッキーやらが置かれていた。
「まぁ、大まかなところはな。詳細に関してはエザリアかレオンにやって貰えばいいだろ。……っと、悪い」
「いいわよ。アクセル君が紅茶好きだっていうのは、前もって知ってたし。あやかから紅茶の淹れ方を習ったんだけど……どう?」
そう告げてくる円が、紅茶の入ったカップを俺の方へと差し出す。
それを受け取り口に運ぶが、確かに美味い。
「ああ、美味い」
「アクセル君の口にあったようで良かったわ。はい、これも食べて」
クッキーの入った皿をこちらへと寄越し、そのクッキーにも手を伸ばす。
サクッとした歯応えと、口の中でホロホロと溶けていくような食感のクッキーは、少し渋めの紅茶との相性も抜群と言えた。
クッキーと紅茶で一段落したところで、改めて円が口を開く。
「それで、交渉の方はエザリアさんとかレオンさんに任せるって話だけど……私達はこれからどうするの?」
「ホワイトスターに戻る」
あっさりとそう答えたのだが意外だったのだろう。円の隣に座っていた美砂が首を傾げて口を開く。
「ホワイトスターに戻れるのはいいけど、こっちは放っておいていいの? こう言うのはなんだけど、あの時の戦闘とかを見てると、ここに残った人達が乱暴な事をするかもしれないわよ?」
「そうなったら、そうなったでしょうがない。既にここは連合国の所有で、俺達の友好的な勢力ではあっても、結局は別の国という形なんだし。……ただまぁ、そこまで馬鹿な真似はしないと思うけどな」
「そうなの?」
「そもそも、これからここを支配しようという国が現地住民に対する略奪や暴行を許可しようものなら、まず確実に非協力的な態度に出るだろうし、更には下手をすればレジスタンスとかが出来るかもしれない。兵士や傭兵ならともかく、上の方にいる奴等がその辺を考えないとは思えない。恐らくその辺を禁止する命令辺りは出ると思う」
美砂にはそう告げたが、会議で俺に絡んできたような奴がその辺を重視するかと言われれば、首を傾げざるを得ない。
ただまぁ、少数の国がそういう真似をしようとしても、エルベ藩王国を始めとした国々がそれを阻止するだろう。あるいは連合国から追放という手段に打って出るかもしれない。
その辺まで事が進めば、連合国同士での戦いになるだろうが……そもそも、俺達と最初から協力関係にあったエルベ藩王国を始めとする国々は、戦いの開始当初から何だかんだで裏から協力したりもしている。そのおかげで、戦力的な余裕が俺達と関係がなかった国に比べると非常に多いのだ。
「それよりも、今やるべき事はエルベ藩王国との約束通りに資源の発掘だな。それと同時に今回の精算的な意味で、帝国にある資源の調査をやる必要もある」
帝国領内にある資源に関しては、何をどの程度入手するのかという意味も込め今から調査しておくのに越した事はない。何しろ、今まではこっちが迂闊に行動を起こせば帝国軍が予想を超えて壊乱しそうになっていたという関係もあって、殆ど手つかずだったからな。
「帝国領内の資源に関しては、基本的にマブラヴ世界に流すのが多くなる。特に石油とかは、俺達に使い道が殆どないし」
「あー……その辺は私達の世界と違って随分と進んでるわよね。まぁ、環境的にもそっちの方がいいんだろうけど」
PTとかはともかく、エアカーとかの小さい乗り物とかも基本的には電気とか、そっち関係で動いているしな。
聞いたところでは、技術班辺りが魔力を使って動かせるように出来ないかどうかを考えているって話だが……正直、魔力に関しては世界によっては思い切りコストが高くなるのを考えると、ちょっと使い物にならないと思う。
ホワイトスターだってかなり消耗が激しいんだし。
「ま、その辺はシャドウミラー脅威の技術力って奴だろ」
チラリ、とマリューの方を見て告げる。
何だかんだ言って、マリューは技術班でレモンに次ぐ実力者って扱いになっているしな。
それを理解したのか、視線を向けられた本人は苦笑を浮かべるだけだ。
まぁ、技術班が色々な意味で振り切っているというのは否定出来ない事実なんだろう。
いやまぁ、エアカー辺りは元々ホワイトスターにあった奴なんだけどな。
あるいは俺が知らない間にその辺を改造したりしている可能性も否定出来ないが。
俺は結構な頻度でホワイトスターから消えているだけに、普通に有り得そうな展開ではある。
「ま、詳しい話はホワイトスターに戻ってからだ。まずはアルヌスの丘に向かうとするか。マリュー、頼む」
「了解。円、美砂。貴方達も席に戻って」
その言葉に自分の席へと戻っていく2人を見送り、俺はゆっくりと紅茶とクッキーを楽しむのだった。
「なるほど。連合国に関しての話は分かったわ。丁度いい機会だし、あやかと千鶴の2人も連れていこうと思うけど……構わないわよね?」
エザリアのその問い掛けに、軽く考える。
確かに政治班の一員として勉強する上で、実際に交渉の席につくというのはこの上ない勉強になるだろう。だが、相手が門世界の住人であるというのが問題だ。
この世界は文明的に遅れている関係もあって、色々と浅はかな考えで動くところがある。
特に俺に対して敵対的だった連合軍の特定国家の件を考えれば、その辺は分かりやすいだろう。
いや、だからこそ勉強するのに丁度いいとも考えられる、か。
「分かった。ただし護衛として量産型Wを連れていけ。あやかと千鶴がある程度個人としての戦闘力が高いとしても、向こうは女が相手だという時点で侮ってくるかもしれないからな」
「……あら、今まで私が1人で交渉に出向いた時にはその辺を心配してくれなかったのに。やっぱり恋人は違うのね」
からかうような口調のエザリアに、小さく肩を竦めて返す。
「まだ今は恋人じゃないさ」
「ふーん、今はまだ、ね」
意味ありげに微笑むエザリアと、近くで俺達の話を聞いて薄らと頬を赤くしていたあやかと千鶴、何故か溜息を吐いているレオンを尻目に、俺はその場を後にするのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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