ソードアート・オンライン〜黒の剣士と青白の童子〜
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SAO編
道中にて
前書き
ほんっっっとーーにっ、お久しぶりです。
違うんです、ちょっとテスト勉強とかで、ね?
何も途中でモンハンにハマっちゃったとかそんなことないです……
気を取り直して、行きますよ!
〜shid Kirito〜
攻略会議の翌日、俺たちはトールバーナの噴水広場前に来ていた。
そこには四十三人のプレイヤーが集まっており、現在のアインクラッドにおいて最高の戦力を集めた集団と言っていいだろう。
午前十時を少し過ぎた頃、最初に疑問を口にしたのは、レイと話していたフェンサー、もといアスナだった。
「ねぇ、彼遅くないかしら?」
「うん……」
ーー彼。 それは昨日攻略会議の場で発言をしたフードのプレイヤーであるミトという男のことだった。
その彼が、集合時間に少し遅れていた。
レイが俯きがちに答える。
「なんや、もしかして尻込みして逃げたんかいな」
「……っ⁉︎ 違う‼︎ とおっ……ミトはそんなことしない‼︎」
キバオウの発言にレイは聞き捨てならないと抗議する。
それを収めたのはディアベルだった。
「二人とも喧嘩しない。 昨日彼の方から、少し遅れるかもしれないという報せを受けてるから、逃げたなんてことはないだろう」
さすがはナイトといったところか、仲裁もお手の物だ。
俺はふと、フィールドの方を見やる、すると。
「来たみたいだな」
フィールドの方から一人のフードを被ったプレイヤーが歩いてきた。
皆が彼を見るが、そんなことは意に返さずといった風にゆっくりとこちらにたどり着くと、ディアベルの前で止まった。
「すまない、フィールドに出ていたら遅れちまった」
悪びれもなくそんなことを言うものだから、すぐさまキバオウが食いついた。
「なんやと! わかっとるんか、お前が遅れたせいでみんなが迷惑しとんのやぞ、社会常識ってもんを考えんかい!」
「まあまあ、キバオウさん。 ちゃんときたんだからよしとしましょう。 ミトくん、今日は頑張ろうな」
すかさずディアベルがミトのフォローに入る。 もしかしたらこんなやり取りがずっと続くのではとキリトは考えていた。
「ああ、よろしく頼む」
こうして、第一層攻略パーティは迷宮区へと向かった。
迷宮区への道中俺とミトは初めてまともな会話をしていた。
これまでどう攻略してきたのか、効率の良い狩場の話などだ。
前を見れば、目の前の女子二人も花を咲かせている。
「そういえば、今日はフィールドで何してたんだ?」
疑問に思っていたことを尋ねると、あぁ、と言って答える。
「ちょっと道中のモンスターのPOPを枯渇させてきたんだよ、途中で出くわして足止め食らうなんてめんどくさいからな」
「ひ、一人でやったのか?」
恐る恐る聞くと、疲れたようにため息を吐いた。
「おう、予想以上にめんどくさかった、二度とやらない」
こちらとしてもその危険な行為はやめていただきたい。
俺はふと、ミトの背負っている武器が気になり視線を向けていると、それに気づいたのか鞘から引き抜き見せてくれた。
「迷宮区で片手剣使いまくってたらいつの間にか出ていたんだ、カテゴリは両手剣だったか」
この一層ですでに派生武器を取得していたことに驚きだが、それを出すためにどれほどモンスターを狩ったのだろう。
そのことについて聞いてみる。
「あー……一週間くらいか?やることもなくってな、夢中になってた」
「……気をつけろよ」
もうなんというか、無茶な男だとキリトは呆れていた。
そうこうしていると、不意に後ろから友好的とは言えない声で呼ばれた。
「おい」
俺たちが振り返ると、そこには茶色の短髪をモヤットボール風に逆立てたキバオウがいた。
「ええか、今日はずっと後ろに引っ込んどれよ。ジブンらは、ワイのパーティーのサポ役なんやからな」
「………………」
そう言い残し、キバオウは自分のパーティーへと帰った。
俺、アスナ、レイが呆然とする中ミトだけはやれやれという風に手を肩辺りまで上げ、ポーズをとる。
「昨日言いくるめられたのが悔しいのか、俺らがガキだからか。 どっちにしろ大人気ないな」
思わず萎縮していた俺たちと違いなんというか大人びている。 というかミトはこのパーティーの中で年長者ではないだろうか。 そんなことを考えていると、隣のフェンサー、アスナから声を掛けられた。
〜shid out〜
〜shid Asuna〜
迷宮区までの道中、プレイヤー達の中ではお喋りが尽きず、頻繁に笑い声が爆発していて、あまり楽しくなかった修学旅行を思い出させられた。 唯一の違いは時折左右の森から襲いかかってくるモンスターぐらいだ。 もっとも、腕自慢達によって瞬殺されるが。
隊列の最後尾を歩きつつアスナは隣の片手剣士話し掛けた。
「……ねぇ、あなたは、ここに来る前も他のエ……、MMOゲーム?っていうの、やってたんでしょう?」
「ん……あ、ああ、まあね」
少し萎縮しつつ、黒髪が上下に揺れる。
「他のゲームも、移動の時ってこんな感じなの? 何て言うか……遠足みたいな……」
私の問いに彼は真摯に答えてくれた。 他のゲームはコントローラを操作しなければいけない以上、あまり余裕がなかったとのことだ。
ボイスチャットを使えばいいらしいが、彼はやっていなかったらしい。
しばし無言で考え、アスナは再度呟いた。
「……本物は、どんな感じなのかしら」
「へ、ほ、本物?」
怪訝そうな視線を向けてくる片手剣士に、自身のイメージを説明する。
「つまり、この世界みたいなファンタジー世界が実在するとして、そこを冒険する一団が、怪物やら魔王やらを倒しに行くとして。 道中彼らは、どんな話をするのか……それとも押し黙って歩くのか。ってこと」
「………………」
剣士が妙な間を作って黙るので、アスナはようやく自分が子供っぽい疑問を口にしていたことに気づく。
顔を背け、「やっぱりいい」と言おうとしたところで剣士が口を開き、言葉を発そうとする。
しかし、それよりも早く、アスナ達の数歩前を歩いていたレイとミトの方から答えが出た。 答えたのはミトだった。
「その隊の規律にもよるだろうが、大体は世間話でもするだろうな。 それこそ、友人と遊びに出掛けているかのような感覚でな」
真剣に喋る彼を意外だと思いつつ、妙に納得させられる声だと思った。もしかして実体験? まさかね。
出鼻をくじかれた片手剣士はミトに繋げるように話した。
「そうだな、いつかはこの攻略レイドま、いずれはそんなふうになると思うよ。 ボスへの挑戦を、日常にできればね」
「……ふ、ふふ」
剣士の言葉が素直におかしくて、アスナは小さく笑ってしまい、すぐに言い訳気味に続ける。
「御免なさい。でも……変なこと言うんだもの。 この世界で日常だなんて」
「あははっ、そうだね、でも、今も日常と大して変わらないでしょ?」
それまで話を聞いているだけだったレイが微笑みながら振り向く。
その言葉にアスナとキリトは一瞬キョトンとしたが、すぐに笑みへと変わった。
いつの間にか迷宮区までたどり着き、先頭のパーティーから中に入っていく。 私たちのパーティーもそれに習い、レイ、キリト、わたしと中へと進んでいく。
「お前らには……るか? 人が…ぬか……が」
「何か言った?」
何か聞こえた気がして振り返るが彼は首を振った。
「なにも。さっ、行こうぜ」
後書き
iPhoneのメモ機能で書いてるのですが、そこだと結構書いた気になるんですよね。今日中にもう少し書けるかなぁ……
ミトの呟きは後々分かる?かな、その話をかければですが。
ではまた、次の回に。 あでゅー!
レイ)わたしの出番がぁ……
ミト)俺もだ
二人)作者っ‼︎ ツラ貸せ‼︎
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