オズのベッツイ
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第八幕その一
第八幕 真実の池に
ベッツイ達はアンと合流してそのうえで真実の池に向かうことになりました、そしてクマセンターを出てからです。
ベッツイはアンにです、こう尋ねました。真実の池までの道は黄色い煉瓦の道です。
「貴女はこれまで何を食べてきたのかしら」
「ウーガブーの国を出てからね」
「やっぱりお弁当の木から?」
「それと果物をね」
木に実っているそうしたものをというのです。
「食べていたわ」
「そうしていたのね」
「そう、だからね」
「食べることには困っていなかったのね」
「お風呂にも入っていたわ」
こちらも大丈夫だったとです、アンはベッツイに答えました。
「そちらもね」
「川で」
「そう、シャンプーや石鹸の草を取ってね」
「毎日入っていたのね」
「そうしていたわ」
「わかったわ、旅の間は困っていなかったのね」
「全くね」
少なくとも食事やお風呂には、というのです。
「寝る時は折り畳み式の寝袋を持ってるし」
「拡げたら大きくなる」
「それに入って寝ていたから」
「そちらも大丈夫だったのね」
「そう、気楽な旅だったわ」
「それまで危険がなかったことはよかったわね」
ベッツイはアンのこれまでの旅のことを聞いてまずはほっとしました、ですがそれでもこう注意するのでした。
「けれどそれはね」
「運がよかっただけっていうのね」
「そうよ、食事やお風呂や寝ることだけじゃないでしょ」
旅は、というのです。
「猛獣がいたり崖や変わったところがあったり」
「メリーゴーランドマウンテンとか」
「そう、道に迷うこともあるわ」
こちらの危険もあるというのです。
「本当に危険で一杯だから」
「一人旅は危険なのね」
「何度も言うけれどね」
「地図を持っていても」
「そもそもアンは確かにオズの国を征服しようとしたわ」
そう決意してウーガブーの国を出たのです、そうしてベッツイ達とも知り合った実に実りの多い進軍でした。
「けれどあまりウーガブーの国から出ていないでしょ」
「何度か出たことはあるわ」
「ウィンキーの国の地理に詳しいの?」
「地図は持っているわ」
「地図は持っていても実際に歩いたことはあまりないわよね」
「そのことはね」
そうだとです、アンも認めるしかありませんでした。
「実際に」
「それで一人で旅に出るなんて」
「無謀だよ」
ベッツイの横にいるハンクもアンに言いました。
「やっぱり」
「そうなるのね」
「そう、だからね」
それで、とです。ハンクはアンにさらに言いました。
「王女さんそうしたことは本当に気をつけて」
「本当に道に迷ったら大変よ」
ベッツイはアンにさらに注意するのでした。
「オズの国のことは毎日オズマとグリンダが鏡や本で何があったかチェックしていて貴女が道に迷っても見付けることが出来るけれど」
「それで心配する人がいるから」
「人を心配させたら駄目なことはね」
「私もわかっているつもりだったけれど」
「旅で何かあれば同じよ」
「ドロシーだってね」
ハンクはオズの国きっての旅行家の名前も出しました。
「一人旅はしないよ」
「そういえばあの子はいつも誰かと一緒に旅をしているわね」
「トトかビーナは絶対に一緒にいるよ」
特にトトはです、ドロシーとはカンサスからの友達だからよく彼女と一緒にいるのです。
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