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フレッシュ&スウィート フルーツプリキュア!

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総攻撃開始
2学期の高校生活
  第35話 ウォンバット族の隠された秘密!

 
前書き
 このエピソードは、前のエピソードの続きから始まります。続きの後は、スウィーツ王国の長老ティラミスが桃園家を訪れ、皆を集めてから、ウォンバット族の歴史を話します。 

 

       赤塚公園南の森

 「プリキュア隊、ありがとう。」
 「では、私たちはこれで。」
 プリキュア隊は飛び去った。

 ハワイオアフ島 ホノルル

 「あっ、忘れてた。レミさんを迎えに行かないと。」
 マリアは、急いで身支度をした後ホノルル国際空港へ向かった。

 四ツ葉町桃園家

 「どうした、眠そうな顔して。」
 「あなた、寝かして。」
 「お父さん、今日はお願い、眠らせて。」
 「仕方ないなあーーー。」
 「ふわぁーーーー。」
 「朝食、外で食べてくるからな。じゃあ、行って来まーーす。」
 「行ってらっしゃい。」
 「ふわあーーーーっ。」
 圭太郎は家を出た。

 山吹家

 「今、眠っておくよ。パパには午後から行くって言っておいたから。」
 「はい、ママ。ふわぁーーーー。」

 蒼乃家

 「美希ちゃん、どうしたの。」
 「眠い。」
 「部屋でゆっくり休んで。店のことは案ずること無いから。」
 「社長に言われてるからね。」
 「はい。」

 ホノルル国際空港

 「やっと着いたわ。レミ、いないわね。」
 すると
 「ウィーーーーン。」
 「レミ。」
 「マリアちゃん。」
 「税関の審査が厳しくて、通過するのに時間がかかったのよ。」
 「そうだったの。良かった。待たされてるかなーーっと思って。」
 「どうしたのよ。」
 「朝5時に時間が止まったとのニュースが流れて大騒動だったのよ。」
 「そうだったの。あたし、機内で寝ていたから気付かなかったわ。起きたとき、こんな放送が流れてたわ。」

 回想編 成田~ホノルル航空便機内

 「皆様、あせらず、騒がず落ち着いてください。フライトは順調に航行しております。」

 現世に戻って

 「そうだったの。流石は乗務員たちね。月や太陽が止まったぐらいで全く動じないからね。」
 「じゃあ、行こうか、マリアちゃんち。」
 「OKよ。」

 乗務員と言えば、富士川サービスエリア

 「あった。このトラックだ。」
 「警察がいっぱいいるぞ。」
 「降りて聞いてみよう。」
 「ブロロロロロロロッ。カクッ、.....バン。」
 「すみません。」
 「君たちかね、このトラックは。」
 「はい。」
 「残念ですが、ラビリンス軍によって怪物にされたと言うことで、このトラックを押収し捜査しなくてはなりません。」
 「会社には、既に報告を入れております。」
 「そうですか。」
 「どうする。中の荷物だけでも持って届けなくてはならないだろ。」
 「ああ。」
 「ウチの会社で交渉しておくから、代車用意しておくぜ。」
 「ありがとうございます。俺はここで待つから、君だけ静岡の会社へ行ってお願いしてくれ。」
 「はい。」
 「じゃあ、行こう。」
 静岡便のトラックは富士川サービスエリアを後にした。
 「行ったな。」
 「君、これを見たまえ。」
 「こ、これは。」
 「何かの装置なんだ。現在、ウィルスに犯されて故障しているみたいだけど。」
 「これを、カーナビの端子とシガライターにつなげて無人運転したらしいのだよ。」
 「こんなことがあのラビリンスの軍隊にできるって、言うのか。」
 「ああ、そうらしい。」
 「恐ろしい国だ。」
 「だから、スウィーツ王国から派遣して来た、プリキュア隊なる特殊部隊がこのトラックの暴走を止めたのだよ。」
 「プリキュア隊の皆様には感謝しております。」
 2時間後
 「ブロロロロロロロロン。カクッ.....バン。」
 「用意したぞ。荷物を積み替えるぞ。」
 「はい。」
 「それでは、荷を見せてください。」
 怪物にされたトラックの荷を改めた。
 「良かった、無事だ。」
 「怪物にされた時、装甲がもの凄く固かったからな。」
 「刑事さん、荷物を積み替えさせてください。」
 「どうぞ。」
 トラック乗務員たちは、荷物の積み替え作業を始めた。その後、本来の目的地である仙台へ向かって出発した。

 10時30分、東武東上線ときわ台駅前にある教会

 「汝、新郎。あなたは、新婦に対して永遠の愛を誓いますか。」
 「誓います。」
 「汝、新婦。あなたは、新郎に対して永遠の愛を誓いますか。」
 「誓います。」
 「ああーー。長生きできて良かったわい。」
 「お母さん、次はひ孫の誕生ですね。」
 「ああ。ひ孫も見たいのう。」

 お昼12時、ぴくに公園

 「ふわぁーーーっ。」
 「ああーーーっ。」
 「眠い。」
 「でも、よく来たわ。昼食休憩後、13時からリハーサル始めるわよ。」
 「はい。」

 四ツ葉町山吹家

 「お昼食べたら、小泉牧場へ行くわよ。」
 「うん、ママ。」

 練馬区 小泉牧場

 「子牛が産まれたと言うのに尚子も祈里も眠いと言ってこないとは。」
 「正先生、昨日の深夜、月が止まった影響で時間が止まって騒然となっていました。」
 「そうか。それで、外へ出向いていたんだな。」
 「ところで、正先生。夕方、お祭りが開催されます。一緒に行きませんか。」
 「祭りか。尚子と祈里が来たら直接、聞いてみるぞ。」

 狭山市 東京ゴルフ倶楽部

 「フォッ。」
 「ナイスショット。」
 「うわあ、よく飛んだなあ。フェアウェイキープだ。」
 「さあ、行きましょうか。」
 「よし、行こう。ところで、帰りぴくに公園へ行きませんか。」
 「何かあるのか。」
 「正先生に言われて、帰りお祭りへ行くことにしたんだ。」
 「どこですか。」
 「練馬区のぴくに公園です。」
 「インターチェンジ直結の公園だ。」
 「通り道だから、是非行きましょう。」
 「皆、ありがとう。」

 小泉牧場

 「先生、奥様と娘さんが到着しました。」
 「そうか、それは良かった。」

 しばらくして

 「あなた。」
 「尚子、祈里。」
 「パパ。」
 「見てくれ。子牛がもう産まれ、立ち上がって乳を飲んでいるぞ。」
 「まあっ。」
 「朝、産まれたのね。」
 「そうだ。」
 「よかったわ。」
 「どうだ。夕方、お祭りに行かないか。」
 「行く。」
 「圭太郎君も来るそうだ。」
 「おじさんが。」
 「そうだ。狭山のゴルフ場でコンペをやっているそうだ。」
 「その帰り道に立ち寄るのね。」
 「そうだ。」

 15時、ぴくに公園

 「リハーサル終わったね。」
 「ちょっと心配だったけど、以前のプログラムにしておいて良かった。」
 すると、山吹一家が姿を現した。
 「トリニティの皆さんこんにちわ。」
 「あら、祈里ちゃん。」
 「お父さん、お母さんと一緒で。」
 「こんにちわ。」
 「師匠。」
 「祈里ちゃん、ダンスマスターしたんだから、今回のショーに参加していただきます。」
 「エーーーーッ。」
 「これは驚いた。」
 「祈里。」
 「大丈夫よ、お父さん、お母さん。両親の前でこれまで習ってきたダンスを披露しなさい。」
 「はい。」
 「師匠、大丈夫ですか。」
 「何のために練習してきたの。披露して当然よ。」
 「はい。」
 「ダンスの先生、祈里をよろしくお願いします。」
 「任せて。」
 正と尚子は露店が並ぶエリアへ行ってしまった。
 「さあ、祈里ちゃん、練習するわよ。」
 「はい。」

 夕方前 桃園家

 「もしもし、あなた。」
 「今日帰り遅くなるから。」
 「どう言うこと。」
 「正先生に誘われて牧場近くのぴくに公園でダンスショーを見に行くことにしたら。」
 「ん、もうーーー。」
 「夕食、準備したのか。」
 「まだ。」
 「ならば、外でも食べに行ったらどうだ。」
 「そうするわ。」
 通話を切った。 
 「ラブに知らせよう。」

 ラブの部屋

 「スルスルスル。」
 「ラブ。」
 「オカン、どないしたんや。」
 「キュア。」
 「今晩、夕食外で食べよう。」
 「どこ。」
 「例のファミレスね。」
 「はい。ねえ、ミキタン誘っていい。店が閉まったら、1人しかいないから。」
 「良いわよ。」
 ラブは、美希へ向けてリンクルンで通話を始めた。
 「もしもし、ミキタン。」
 「ラブ。」
 「よかったら、一緒にファミレス行かない。」
 「ありがとう。1人だから行くわ。」
 「じゃあ、ファミレスで待っているからね。」
 通話を切った。
 「ベリーはん、来そうでっせ。」
 「そう、レミが帰ってくるのにまだ4日かかるからね。」
 「タルト、シフォン、ちゃんと留守番してね。」
 「ヘェ。」
 「キュア。」

 夕方

 ぴくに公園では、ダンスショーが始まろうとしております。
 「ザワザワザワザワ。」
 「正先生。」
 「おっ、圭太郎君か。待っていたぞ。」
 「ゴルフコンペの面々、全員来てくれたんだ。」
 「これは皆様。」
 「こんばんわ。」
 「皆様、お待たせしました。トリニティダンスショー始まります。」
 「パチパチパチパチパチパチ。」
 「最初は、ゲストダンサー1人を加えたタヒチアンダンスをお送りします。」
 「おおっ、いきなり刺激的な。」
 「ゲストダンサーって。」
 「まさか。」
 BGMが鳴り始めた。
 「出て来たぞ。」
 「あれ、あの娘は。」
 「やっぱり、まさかの祈里だぞ。」
 「まあっ。上半身ココブラ一貫で。」
 舞台にいるトリニティの3人と祈里は
 「パパ、ママ、恥ずかしい。」
 「祈里ちゃん、もっと自信を持って。」
 「前を向いて。」
 「ここで恥ずかしがってはオーディション突破できないわよ。」
 「はい。」
 「おいっ。下向きだった祈里が正面を向いて堂々と踊っているぞ。」
 「本当。」
 「ヒューヒュー。」
 「祈里ーーーーっ。」
 「祈里ちゃん、頑張って。」
 「パパ、ママ、圭太郎おじさん。」
 こうして、ダンスショーは続き、順調にプログラムを消化した。

 翌日 スウィーツ王国 ワッフル城屋上

 「昨日、ショコラ所長が昼寝ばっかりしよって。ナノ研究所もよからぬ事態になってしもうたわい。」
 「ご老体。昨日、何があったねん。」
 「午前2時に月の動きが止まり、時が流れなくなったんじゃ。」
 「そうか。話は聞いておる。全ての惑星の自転が止まったとか。」
 「宇宙ステーションから連絡が入った時は、ほんま驚いたわい。」
 「そうかあ。これからは、24時間監視しないと行けまへんなあ。ところで、息子は、タルトはどないしてんねん。」
 「恐らく、まだ何んも知らんはずじゃ。もちろん、プリキュア隊も。今こそショコラ、パフェ、シフォンたちの詳しい話する頃やと。」
 「そうか。ここまで豊かな暮らしができたのも、あの方々のお陰や。どうでっか。皆を集めてお話をしてみてはどうでっか。」
 「そうするぞい。早速、ショコラに会ってプリキュア隊の皆に連絡してみるぞい。」

 ラビリンス 総統官邸内謁見の間

 「でかしたぞ、イース、ノーサー、ニューウェスター。不幸のゲージを15も上げるとはな。」
 「ハッ。」
 「全世界いや、全宇宙にまで及ぶ危害を加えたのは初めてだ。」
 「ハッ。」
 「メビウス様、サウラーからの報告によれは、不幸のゲージあと25で満タンになるそうです。」
 「そうか。あの3つの幸せが無ければ、今頃は満タンになっていたはず。次とうするか、君たちの考えをいずれ、聞こうではないか。」
 「ハッ。」
 「イース、ノーサー、ニューウェスター。ご苦労、下がってよいぞ。」
 「ハッ。」
 女3幹部は謁見の間から去って行った。

 5日後 桃園家

 「もしもし。帰って来た、レミ。」
 「昨日、帰って来たよ。明日、お土産渡しに行くわよ。」
 「そう。明日、ティラミスが家に来て大事な話をしたいそうよ。」
 「ティラミスって、24年前、パートナーとなったスウィーツ王国の妖精ね。」
 「そうよ。原因は、先週日曜0時の時間停止の件らしいの。」
 「あれは、ひどかったらしいね。あたし、機内で寝ていたから分からなくてね。マリアちゃんから聞いたら朝陽が全然動かなかったと言ってたから、それで気付いたんだけど。」
 「ハワイは朝5時だったからね。」
 「それにしても、対処が早かったね。問題の怪物を早く始末したから。」
 「そうよ。スウィーツ王国には、宇宙ステーションもあって、そこから連絡が入ったらしいの。」
 「スウィーツ王国は、確か朝2時で時間が止まったらしく相当大変だったらしいよ。」
 「ショコラさん、眠い目こすってまで指揮をしてくれたわ。」
 「そう、分かったわ。明日、予定通り来るからね。」
 「お待ちしております。」
 通話を切った。

 ラビリンス総統官邸内謁見の間

 「何、もう1回3人で出たいだと。」
 「どうやら、プリキュア隊の面々の動きが判明しました。」
 「明日、メンバー全員集合してスウィーツ王国の長老の話を聞くそうです。」
 「長老。ティラミスか。」
 「そこで、提案があります。」
 「申してみよ。」
 「その長老を拉致したいと考えます。さすれば、スウィーツ王国の指揮命令系統も崩れるのではないかと考えます。」
 「なるほど。長老を拉致して人質にし、プリキュア隊を動けなくしその間、不幸のゲージを満タンにしようって策か。」
 「ハッ。」
 「メビウス様、プリキュア隊全員集合ですから、こちらも、頭数が必要です。」
 「今回も士官隊を出撃させてください。」
 「相分かった。士官隊共々行くが良い。」
 「ハッ。」
 イース、ノーサー、ニューウェスターの3人は謁見の間から去った。」
 「メビウス様、これで大丈夫ざーますか。」
 「ノーザ。」
 「財務相。」
 「これで、失敗するならば、わらわが行くざーます。」
 「ノーザ、本当に行くのか。」
 「オホホホホッ。もちろんざーます。わらわの娘とお友達軍官僚。お手並み拝見ざーます。」

 翌日 土曜日 桃園家ラブの部屋

 「ポスターがゴソゴソしてる。」
 「やっぱ長老や。」
 「ボンジュール、マルマゼール。ホレ、来たぞい。」
 「来ちゃったよ。」
 「2回目じゃ。」
 「じゃあ、1回目は。」
 「あたしが証人よ。」
 「ミユキさん。」
 「そうじゃ。君がサウラーの繰り出した怪物で別世界へ追いやられた時、タルトにせがまれて来たんじゃよ。」
 「そうだったの。」
 「わしが、ミユキさんの事務所へ行かないと、4人目は就任されなかったからな。」
 すると
 「スルスルスル。」
 「ラーブ、皆、居間に待たしているわよ。あら、ティラミスさんいらっしゃい。」
 「あゆみか。」
 「エッ、お母さん知っているの。」
 「24年前のパートナーよ。さあ、ティラミスさんも皆様がお待ちしております。」
 「よし、行くぞい。」
 長老とラブの部屋にいる面々は、居間へ向かった。

 桃園家 居間

 「ワイワイガヤガヤ。」
 「皆様、お待たせしました。間もなく、長老がここへ来ます。」
 「あっ、来た来た。」
 「くちゅばしを付けたおじいちゃんよ。」
 「おじいちゃん、お久しぶりです。千香です。」
 「おおっ、久しいのう。元気にしていたのかね。」
 「はい。シフォンちゃん。」
 「ち..か..。」
 「うれしそうじゃの。一緒に聞くが良いぞ。」
 「はい。シフォンちゃん、こっちに来て。」
 「キュアーー。」
 「ティラミスさん、お久ぶりです。」
 「お、お父さん、知っているの。」
 「私もだよ。」
 「パパ。」
 「僕たちは、伝説のプリキュアであることを承知の上で結婚したんだよ。」
 「そうなの。」
 「そうじゃ。だから、伝説のプリキュアとして現在も出動できるのじゃよ。」
 「なるほどね。」
 「このことは他言無用じゃぞ。」
 「はい。」
 「長老、家の前に男子高生4人がうろついているようですけど、入れて聞かせてあげてもよろしいですか。」
 「他言無用を約束してくれるのであればよろしい。」
 「ありがとうございます。」
 「さあ、入った入った。」
 「うぉっ。」
 「どうも、こんにちわ。」
 「大輔。」
 「裕喜君。それに和希も。」
 「御子柴君。」
 「いやあーーー、昨日まで学校でラブの様子が変だったから気になって。」
 「ああっ。うふっ、よーーーし。じゃあ、長老のお話が終わったら、皆でバーベーキューだ。」
 「うわーーーっ。」
 「さあ、時間じゃ。皆集まるのじゃ。」
 出席メンバー全員集合した。
 「パチパチパチパチパチパチ。」
 「それでは、シフォンファミリーの一族であるウオンバット族について話をするぞい。その前に、全世界が時間が停止したことを一早く発見できたのはなぜか、分かるか。」
 「はい。」
 「そこのメガネの少年。答えてみろ。」
 「宇宙ステーションがある。」
 「その通りじゃ。我が国スウィーツ王国は、彼らを住まわせてから母星との交信を行うべく宇宙ステーションを設けたのである。」
 「シフォンって宇宙人なの。」
 「実質はそうじゃ。シフォンの祖先がこの星に飛来したのは、今から約6千年前の話なんじゃ。当時のクローバーボックスを抱えて。」
 「それで、当時のクローバーボックスがオーパーツ化しているワケ。」
 「そうじゃ。現在、フレッシュメンバーが6人になったことで、もう1人分のデータ入力が必要となり、ナノ研究所と隣接する工場で製造を行っている最中じゃ。」
 「そうですか。」
 「じゃあ、今のクローバーボックスは。」
 「25年前、最初のラビリンスとの戦いで必要となり、オーパーツ化からしたクローバーボックスからデータを収集し復元製造したものじゃ。現在はナノ研究所にある。」
 「それから、リンクルンへ必要なデータファイル、アプリなどを送信して提供しているのね。」
 「そうじゃ。では、経緯について話をするぞい。不時着した場所はアメリカ大陸じゃった。第一発見者は、そこで原始生活をしているインディアンじゃった。」

 6000年前アメリカ大陸

 「ビューーーーッ。ドォーーーーン。」
 「アワワワワワワワ。」
 「アワワワワワワワッ。」
 「おい、何か落ちたぞ。」
 「見てみるか。」
 狩猟を行っている2人のインディアンが煙の上がった地点へ向かった。

 墜落現場

 「おい。なんだ。この丸っこい固まりは。」
 「こんなものが空から飛んで来るなんて。」
 「これは何だろう。」
 「捻ってみるぞ。」
 「クチャッ。」
 「あ、開いたぞ。」
 「うわっ。」
 「生存者がいるぞ。おい、酋長をはじめ皆に知らせるんだ。」
 「はい。」
 インディアンの1人が酋長のいる集落へ向かった。
 「この子、空から来たって。もしかして、宇宙人。あれ、奇妙な箱を持っている。何だろう。蓋を開けてみるか。」
 現場に残ったインディアンの1人がクローバーボックスの蓋を開けた。
 「何だ、この奇妙な模様は。オッ、横にレバーがある。回してみるか。」
 クローバーボックスの音が鳴り始めた。
 「何て音色だ。」
 赤子が泣き始めた。
 「オギャーオギャーオギャーオギャー。」
 「おおっ、意識が回復したみたいだ。オオオッ、よしよし。」

 酋長の家

 「酋長。大変です。」
 「どうした。」
 「落下した物体に生存者がいます。どうか、一緒に現場へ来てください。」
 「何。」
 「あなた。」
 「よし、直ちに向かうぞ。」
 「はい。」
 この騒ぎで、酋長以外のインディアンたちも問題の墜落現場へ複数人向かうのであった。

 再び、墜落現場では

 「アーアー、どうしたらいいんだろう。いくらあやしてもなかなか泣き止まない。」
 「××、どうした。」
 「しゅ、酋長。」
 「この子ね。生存の赤子って。」
 「酋長夫人は、その赤子を抱いてあやしたところ泣き止んだ。」
 「お腹が空いているだろう。もう、子供たちを独立させた後だからな。誰か、同じ女性で乳を与えてくれないか。」
 「私がやります。」
 「オオッ、君は子育ての真っ最中だからな。頼んだぞ。」
 「あなた、これからどうするの。」
 「これはこれで、置いていくしかあるまい。この子が物覚えができるようになってから、これで飛んで来たことを知らせようではないか。それと、この謎の箱も一緒に持って行くぞ。」
 「はい。」
 その後全員、集落へ戻った。

 数分後、酋長の家

 「この箱の音を鳴らすと落ち着いて眠ったようじゃ。」
 「あなた。この子を育ててみようよ。きっと、いろんなことが分かるかも知れないよ。」
 「そうか。」
 「あの、大きな固まりからこんなものが入っていたの。」
 「これは、乳の形をした容器に絵を描いたペラペラなもの。」
 「絵を見てると、乳の出る牛1頭生け捕りにして欲しいって。」
 「何、この子は牛の乳を飲むのか。」
 「そうらしいよ。」
 「分かった。早速、集落の人たちに伝えよう。」
 「ねえ、この子、何て名前を付ける。」
 「フィリップってどうかな。」
 「フィリップね。いい名前だわ。」

 あれから3年

 フィリップはもの作りに目覚めるようになった。
 「フィリップ、何を作ってるの。」
 「ラジオ。」
 「ラジオって、宇宙から電波が届いていないかなあっと思ってね。」
 「そうなの。元々住んでいる星へつなぎを取るのね。」
 「そうだよ。」

 ラジオ完成後

 「フィリップ、本当に宇宙からの電波が届くのか。」
 「ああっ、きっと届くよ。」
 周波数を探っているうちに、何かの音を拾った。
 「母星の宇宙ステーションからだ。」
 「まあっ。」
 「今度は、この宇宙ステーションへ交信できる通信機器を作ってみるよ。」
 「なるほどね。」

 更に2年後

 「トランシーバーだ。」
 「トランシーバー。」
 「これで、母星の宇宙ステーションへ交信してみるよ。」

 当時の宇宙ステーション

 「君が青き星へ落下した当時の赤子かね。」
 「はい。」
 「不時着した集落を都市化したいんだ。何人か派遣してくれないか。」
 「分かりました。君の名前は。」
 「フィリップです。」
 「フィリップって名付けられたのか。」
 「はい。青き星の集落の酋長さんが名付けてくれました。」
 「そうか。覚えておこう。派遣には時間がかかるので待っていてくれ。」
 「はい。」

 3年後

 空から複数の物体が飛来して来た。
 「ドーーンドーンドーンドーン。」
 「うわあ。いっぱい落ちて来たぞ。酋長に知らせるぞ。」

 酋長の家

 「大変です。空から例の物体が複数飛来して来ました。」
 「そうか。」
 「僕の仲間です。」
 「フィリップ坊ちゃまの。」
 「フィリップ、早速、行くぞ。」
 「はい。」

 新墜落現場

 「うわっ、フィリップと同じ姿をした大人もいる。」
 「我々は、フィリップに頼まれてこの青き星へやって来ました。」
 「そうか。」
 「まずは、我々の居住スペースをご提供願います。」
 「相分かった。そこを拠点に、この子がいつでも母星へいつでも帰れるようにしたまえ。」
 「畏まりました。」

 更に8年後

 フィリップは16歳になった。
 「もう立派な大人ね。」
 「テントだけの集落がこんな立派な邸宅になって。」
 「しかも、オール電化の生活になって。」
 「これが、宇宙人たちの生活なんて驚きだよ。」
 「土地を活かして、農耕、牧畜、挙句の果ては工場、発電所まで作るとはね。」
 「取引も貨幣で行うなんて。他所の星はこんなに進んでいるなんて。」
 「僕は、本当のパパとママに会いにロケット発着所から一度母星へ帰りますが、また戻って来ます。行き来が自在にできるのを確かめるためです。」
 「そうかあ。」
 「他の仲間たちは、この高度な技術・技能を全世界へ広めに行きます。」
 「そうかあ。世界が便利になれは、良いに超したことはないなあ。」
 「でも、皆受け入れてくれるのかね。」
 「それは、やってみないと分からないよ。」
 「クローバーボックスは、ここへ置いていきます。」
 「そうかあ。さあ、行こうか。」
 「はい。」

 ロケット発着所

 「パパ、ママ、ありがとう。」
 「フィリップ、また帰って来てね。」
 「はい。」
 「フィリップはロケットに乗り込んだ。」

 十数分後

 「5...4...3...2...1。」
 「ボン。」
 「フィリップの乗ったロケットは発射した。」

 現世へ戻って

 「その後ウオンバット族は、世界各地で謎の文明をもたらしては母星へ帰るなどを繰り返していたのじゃ。定住しながらも行き来を自在に考えたのが6千年前、クローバーボックスを抱えて地球へ向かったのがあのフィリップなのじゃ。」 
 「フィリップさんってすごいね。」
 「それで大きくなったら、仲間たちと世界へ。」
 「そうなんじゃよ。ところで、世界四大文明はご存知かな。」
 「はい。」
 「また、そこのメガネ君か。よろしい、答えてみろ。」
 「エジプト、メソポタミア、インダスと黄河です。」
 「おおーーーっ。」
 「全て正解じゃ。」
 「パチパチパチパチ。」
 「それでは、世界へ散らばったウォンバット族について話をするぞい。まず彼らは、世界四大文明発祥の地を中心に活躍したのじゃ。まず、四大文明共通点として、部品・用品製造に必要な鉱石などを採取し、加工を行うのに必要な燃料資源も採取したのじゃ。それで、世界各地へ行き来できるよう様々な乗り物を開発した。更に、道路も整備し乗り物の燃料も開発したのじゃ。それから各地にロケット発着所も新設したのじゃ。これで、必要な物資を手に入れる体勢を取ったのじゃ。」
 「ヘエーーッ。まずは、移動手段からね。」
 「そうじゃ。では、次へ話を進めるぞい。四大文明では、大規模公共事業を中心にウォンバット族は活躍し始めたのじゃ。まず、エジプト文明では、ピラミットの造営で活躍したんじゃ。」
 「どうやって。」
 「巨石を運ぶのに必要な大物運搬車とクレーンじゃよ。」
 「なるほど。」
 「これなら、手っ取り早く造営できるね。」
 「次行くぞい。次は、メソポタミア文明じゃ。」
 「世界の交易拠点となったこの地域は、燃料資源も豊富にあり、ユーラシア大陸を道路整備と共に富をもたらしたのじゃ。人材も豊富に生まれ、役割が分担化し、それぞれの道のスペシャリストも大量に誕生したのじゃ。それから、時の流れも本格的に測定したのもこの文明からじゃ。エジプト文明では日数単位までしか計測していなかった。この当時で1日24時間と判明したのじゃが。その次の段階である週単位。これは、太陰太陽暦を形成し、週間単位を作り上げたのじゃ。」
 「太陰って。」
 「おそらく、夜を示す表現じゃろ。次へ行くぞい。更に、時の分単位及び秒単位も計測する理由で60進記数法を考えたのじゃ。」
 「なるほど。」
 「それで、時の流れが計測できるワケね。」
 「そうじゃ。次はインダス文明じゃ。大河インダス川沿いで発展して行った文明じゃ。よって、水道や治水対策を中心に活躍したのじゃ。中には、水洗トイレも開発されたんじゃ。」
 「エーーーッ、この時代に水洗トイレ。」
 「ほら、驚きじゃろ。この大河文明のおかげで農業が発展し、麦とか綿などの農作物が大量に作られたのじゃ。さらに、アクセサリーもいろいろ作られ、君たちのようなダンサーも存在したのじゃよ。」
 「本当。」
 「どんなダンスを当時踊っていましたか。」
 「この地域ではヨガかな。」
 「なるほど。」
 「今でも、ダンスの振りで用いてるわよ。」
 「そうか。では、話を次へ進めるぞい。次は、黄河文明じゃ。黄河とは限らず、長江などの中国大河全て含むのじゃ。やはり、治水工事が基本なんじゃが、ここでの農作物は麦ではなく米になるのじゃ。この治水事業を発端に、中国全土で様々な公共事業にウォンバット族は駆り出されたのであった。それから、海岸沿い工場らしき建物があったのじゃが、大規模な地震で水没してしまって沖縄与那国島沖合いに沈んでいるぞい。」
 「エエーーーーッ、沖縄に。」
 「僕たち近々、修学旅行で沖縄へ行くんですよ。」
 「そうか。だが、沖縄と言っても台湾国境に近い与那国島じゃぞ。話を続けるぞい。以後、ユーラシア大陸も元に各地へウォンバット族は、世界各地へ散らばったのだ。それから、3000年以上の日々は、ウオンバット族による超文明が発達し人々は豊かな暮らしを送った。だが、この一国の主との出会いでウォンバット族がこの世界を追われる身となってしまうのだ。その人物は中国、当時『秦』と呼ばれていた中国の君主『始皇帝』であった。始皇帝は、あまりに優れた技術を持つウォンバット族に数々の公共事業を依頼していた。中でも万里の長城は、手強い隣国当時の『胡』現在のモンゴルを非常に恐れていた。遊牧騎馬民族の国『胡』は、馬の機動力を武器に高い戦力を有していた。だから、容易なる侵入を防ぐ意味で万里の長城の建設に踏み切ったのであった。だか、この城の完成後、ウォンバット族の高度な技術が他国に広まるのを恐れていて、全員処刑することを判断したのであった。近隣にいた者たちは逮捕され、たちまち極刑判決を受け次から次へと処刑されたのであった。気付いたウォンバット族は、他国へ逃げ出す者も出て来た。ところが、他国へ逃げ出した者へも始皇帝は容赦しなかった。始皇帝は、他国の国家元首へも呼びかけ国際指名手配をかけ、他国でも捕まっては処刑されたり、その場で殺されたりしたのであった。生き延びたウォンバット族は、海を渡って新大陸へ逃げ込むしかなかった。」
 「これで、高度な文明が途切れてしまうの。」
 「そうじゃ。この時点でユーラシア大陸にいるウォンバット族は、全滅してしまった。だが、最初から不時着して以来、残留して新大陸文明を発展させ続けるものがいた。ここでは、ユーラシア大陸から逃げ込んだ者たちも集まって、大幅に人数が増えたものの、恐怖を感じてロケットに乗って母星へ帰った者も多かった。ユーラシア大陸から見た場合、流れ星にしか見えなかったから気付かなかったからのう。」
 「残留組は、北中米のメソアメリカ文明や南米のアンデス文明を築いて便利で豊かな暮らしを求めて発展したのであった。6千年前の落下地点では、マヤ文明が築かれ石細工の製品を中心に生産されていた。ウォンバット族は、天体の観測を中心に行っていたのだ。もちろん、宇宙ステーションと連携してだ。これによって、より正確に時の流れを読み解き、本格的なカレンダーを最初に作ったのじゃよ。また、石細工の器などは非常に重く、女性や子供に配慮した各製品を製造し続けていた。南米では、果敢に製造していたため、輸入もしていたのであった。この新大陸文明では、ウォンバット族の大きな記録があるぞい。1つはパレンケの石棺でロケットを打ち上げ、宇宙ステーションへ向けて当時の宇宙飛行士がロケットを操縦するシーンじゃ。」
 「本当にシフォンの祖先の活躍が記録されているのですね。」
 「その通りじゃ。次、進むぞい。」
 「はい。」
 「アメリカ大陸で文明順調に発展し続けてきたウォンバット族じゃが。ある人物がこと大陸に姿を現し!情勢が一変するのじゃ。」
 「もしかして、コロンブス。」
 「そうじゃ。」
「1492年10月11日、コロンブスがこの大陸に上陸してから、ヨーロッパの国々が襲撃し始め、この大陸を植民地化しようとしたのじゃ。元々住んでいるインディアンが大量殺戮を行い、次から次へと大陸を侵攻していたのじゃ。ウォンバット族も始皇帝以来の指名手配の影響あって、インディアンと共に殺戮されたのじゃよ。周囲で感づいた者達は、真っ先にロケットでこの青き星を脱出したものの、中には侵攻するヨーロッパ各国の軍隊によってロケット発射台が破壊され、大陸内で逃げ惑う結果に。」
 「マヤはいつ頃襲撃を受けるのですか。」
 「よく聞いてくれた。大陸発見から32年後の1524年じゃよ。当時、スペイン軍が侵攻して来ていたんじゃ。ロケット発射台が破壊される前までにこの青き星を脱出した者は無事、母星へ帰ることはできたものの、破壊後、残ったウォンバット族は絶体絶命に。もちろん、マヤ人も同様だった。マヤ人たちは、祭壇で必死に祈ったすると、別次元からやって来た妖精の国が、救いを差し伸べたのじゃよ。その国こそ我が国『スウィーツ王国』じゃよ。」
 「ここから、スウィーツ王国が登場するのね。」
 「そうじゃ。だが、人間であるインディアンたちを救うワケには行かなかったものの、当時の王様は容認してくれたのじゃよ。」

 回想編 1524年マヤ王国

 「君たちだけでも、助かりたまえ。」
 「良いのですか、王様。」
 「我々は、この国を守る義務がある。だが、ウォンバット族の君たちが無残に殺される姿は見たくは無い。生き残るのじゃ。数千年、世話になったのじゃ。こんな便利な世の中を築いてくれたことを、我々は忘れないぞ。さあ、早く乗るのじゃ。」
 「はい。」
 「ううーーーっううーーーっ。」
 「泣いているのか。確かに別れは辛い。だけど、君たちには危機を救う能力がある。だから、長く生き続けよ。そして、いつか必要な時、ここへ戻って来るが良い。」
 「ううーーーっううーーーっ。」
 「王様。」
 「王様。」
 「さあ、全員乗り込んだな。」
 「はい。」
 「出発してくれ。」
 「はい。」
 「バタン。」
 「ウィーーーーン、パッ。」
 「消えた。」
 「これが、別次元の世界の乗り物なのか。」
 「瞬間に行ってしまいましたね。」
 「そうだ。」
 すると。
 「王様、大変です。スペイン軍がこの城へ近付いてきます。」
 「よし、持ち場に付け。」
 「ハッ。」

 現世に戻って

 「残念ながら、マヤ王国はこの戦い敗れてしまい、領地はスペインのものになってしまった。」
 「その後、ウォンバット族はどうなったのでしょうか。」
 「全員、スウィーツ王国の妖精になったのじゃよ。だから、今のショコラ、パフェ、シフォンが存在するのじゃ。じゃあ次、1524年以降のウォンバット族について話をするぞい。」
 「はい。」
 「スウィーツ王国へ移り住んだウォンバット族は、最初に行ったのは宇宙ステーションとの交信じゃった。だが、別次元世界へ行った影響もあって、これまでの機材では全く通用しなかった。まず、別次元と宇宙との交信を可能とする機材の開発から始まったのじゃ。」
 「初めからやり直しなのね。」
 「そうじゃ。それでも、数十年後に交信を可能にしたのじゃ。更に、宇宙ステーションへ行き来できるロケットと発射台も製造され。母星に帰還した者たちともコミュニケーションを取った。その後、再び、行き来が再開され、母星からやって来たウォンバット族も我が国に存在するようになった。」
 「ねえ、長老。インフィニティってこの頃から開発されたの。」
 「そうじゃ。宇宙開発をやっている民族じゃからの。まあ、初めのうちは、真空管の固まりのような大きなものじゃった。容量2GBしかなかった。それが、モノ作り技術が向上するに従って、精密でコンパクトなものになったのじゃよ。容量も8,16,64,256と、次第に大きくなり、幕末の頃にはTB(テラバイト)単位まで容量が上がったのじゃ。」
 「すごーい。」
 「これを可能にしたのも、小柄でいつも空を飛び回る妖精たちのおかげじゃ。」
 「なるほど。」
 「その妖精たちなら、人間では絶対に作れないモノが生まれるわね。」
 「そうじゃ。更に、第2次世界大戦中には、無限大テラバイトに達成したのじゃよ。」
 「すごい。」
 「戦後は、更に精密小型化が進み、現在のUSBポートに合わせた端子を採用し、現在のパソコンに接続できるようにしたのじゃよ。」
 「なるほど。」
 「じゃが、現在のコンピュータが国際共通化を進ませるうちに、このメモリーを狙う者が現れた。」
 「それがラビリンスね。」
 「そうじゃ。」
 「彼らは、わし等の技術提供によって、便利な世の中を築いたにも関わらず、それに反発する者たちがクーデターを起こし、国を乗っ取ったのじゃ。」
 「それが、メビウスを筆頭にする連中。」
 「そうじゃ。」
 「便利すぎて浮かれているところを拳銃を突きつけてくる脅して来たのじゃ。」
 「なるほど。」
 「軍人も警察官も脅されてしまったがために、乗っ取らてしまったのじゃ。」
 「ひどい。」
 「このメンバーの中に、ノーザとクラインもいる。」
 「なるほど。」
 「彼らは、国を乗っ取った後、憲法改正して管理国家にしたのじゃよ。」
 「ひどい。」
 「更に、マザーコンピュータも『メビウス』と命名させ、様々な国家機密のデータを収集させたのじゃよ。ところが、そのデータの膨大な領になり、当時の技術者に容量の大きいメモリーの作成を依頼するも、どんなに大きい容量のメモリーを作っても16GB位しかならなかった。そこでメビウスは部下に命じ、16GBより大きいメモリーを全パラレルワールド中に探すよう命じる。その結果、我が国のインフィニティが狙わるようになった。」
 「そうなの。」
 「まず、最初に見つけられた当時、この日本国で科学万博つくば’85が開催されていて、我が国スウィーツ王国もパビリオンを出展していたのじゃよ。」
 「そう。この時、アルバイトしていたのよ。」
 「お母さんが。」
 「あたしもよ。」
 「ママ。」
 「私もよ。」
 「それで、24年前の伝説のプリキュアが誕生したワケ。」
 「そうよ。」
 「インフィニティが奪われぬよう、必死で守ったわ。」
 「そう。」
 「僕達もアルバイトとして働いていたんだ。」
 「俺もだ。医療スタッフとして。」
 「そこで。今のお母さんと知り合って。」
 「結婚したんだ。」
 「なるほど。」
 「それで、お父さんとお母さんが知り合って、恋愛して、結婚。」
 「そうだ。」
 「だから、間に産まれた娘が君たちだよ。」
 「なるほどね。」
 「だから、長老ともお知り合い。」
 「そうだ。」
 「じゃあ、話を続けるぞい。」
 「すると、長老の携帯電話に着信がはいった。」
 「もしもし、ショコラか。」
 「大変です。ラビリンスの女3幹部がこの家へ向かっております。」
 「いかん、あの通路、絶対に知られてならない。切るぞ。皆には緊急メールを。」
 「了解しました。」
 長老は通話を切った。

 すると

 「ピンポッポッピンポッポッピンポッポッピンポッポッ。」
 「大変だ。」
 「緊急メールだ。」
 「皆、落ち着いて。」
 「とりあえず、フレッシュの6人だけ行って。」
 「はい。」
 「他のメンバーは、長老を匿って。」
 「どう言う事。」
 「ラビリンスは、長老をさらいに来たみたいなの。それと、レミとMMちゃんとそのお母さん、2階のベランダで様子見て。イースがいるから、あのドラゴンイースに変身する可能性があるから。」
 「はい。」

 四ツ葉町

 「スウィーツ王国の長老って誰なの。」
 「確か、サウラーが会ったらしいの。」
 「口端を付けた爺さんらしいわ。」
 「一番の司令官だから、拉致してしまえば、プリキュア隊の戦力ダウンは避けられないね。」
 「来たわね。」
 「あたなたちは。」
 「せつな。」
 「繭螺に文子。」
 「どうしてここに。」
 「決まってるでしょ。」
 「あたなのお家へ訪問するために。」
 「何しに。あなたたちにラブちゃんの家へ来訪する資格は、一切無いわ。」
 「さっさと帰りな。」
 「全く、どこまで私たちの邪魔をする気なの、プリキュア。」
 「スイッチ・オーバー。」
 「ドロン。」
 「目的は何。」
 「長老をいただくわ。」
 「何。」
 「長老は渡さない。」
 「皆、変身よ。」
 「はい。」
 6人一斉にリンクルンを出し、変身操作をし始めた。
 「チェンジ。ダンシング・プリキュア、ヒーーーートアーーーッッップ。」
 6人は変身を終えた。今回は気温25度もあり、夏用コスチュームを着用した。
 「ピンクのハートは愛ある印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」
 「ブルーのハートは希望の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアベリー。」
 「イエローハートは祈りの印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、、キュアパイン。」
 「真っ赤なハートは情熱の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアチェリー。」
 「グリーンハートは浄化の印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアメロン。」
 「ホワイトハートは誠実の印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアココ。」
 「6色揃って真の幸せの証。フレッシュプリキュア!」
 「どう戦う。」
 「相手は6人よ。」
 「クッ、こうなったら。」
 「スイッチ・オーバー。」
 「ボン。」
 「偽プリキュア。」
 「何が何でも、長老はいただくわ。」
 「やれるものなら、やってみなさい。」
 「皆、2人1組になって各1人ずつ懲らしめるわよ。」
 「OK。」
 こうして対戦相手が決まった。
 キュアピーチ&キュアパインVSキュアドリアン
 キュアベリー&キュアメロンVSキュアアボガド
 キュアチェリー&キュアココVSキュアパッション

 まず、チェリー&キュアココVSキュアパッションの現場では

 「チキショー。またキュアココとかよ。」
 「あら、あたし、チェリーもいるわよ。」
 「こうなったら。」
 「何をする気。」
 「チェリー耳栓出して。」
 「OK。」
 パッションは、ラビリンス携帯を出し操作をし始めた。一方、チェリーとキュアココは耳栓を用意し、耳に差した。
 「フッ。」
 パッションは、ハープを受け取った。
 「歌え。幸せのラブソディーパッションハープ。」
 「パンパンパーン、ポロロロ~ン。」
 「吹き荒れよ幸せの嵐。プリキュア・ハピネスハリケーーーーン。」
 「エッ。」
 チェリーとキュアココは、平然とパッションのもとへ歩み寄って来ます。
 「バコン。」
 「バリン。」
 チェリーはパッションハープを破壊した。パッションは一切、魔法が使えなくなった。
 「オラッ、覚悟しな。」
 「ウグッ。」

 一方、ベリー&メロンVSアボガドの戦いの現場では

 「覚悟しな、アボガド。」
 「フン。」
 アボガドは、拳銃を出してきた。
 「パン。」
 「ヒョイヒョイ。」
 「ベリー、ワンダーバンクル。」
 「OK。」
 ベリーとメロンはワンダーバンクルを用意した。
 「死ね。」
 「パンパン。」
 「コンコン。」
 「残念でした。ワンダーバンクルよ。」
 「チキショー。」
 「パンパンパンパン。」
 「コンコンコンコン。」
 ベリーとメロンは次第にアボガドのもとへ歩み寄って来る。
 「パンパンパンパン。」
 「コンコンコンコン。」
 「カチカチカチカチッ。」
 「しまった。」
 「弾切れ。」
 「行くよ。」
 「タアーーーッ。」
 「バコボコ。」

 更に一方、ピーチ&パインVSドリアン戦いの現場では

 「2人一度に倒せるのかな。」
 「うるさい。」
 「こうなったら。かかってきなさい。」
 「パイン、行くよ。」
 「OK。」
 「タアーーーッ。」
 「バコン。」
 「プリキュア・サンダータッチ。」
 「何。」
 「バチッ、ビリビリビリビリ。」
 「キャアーーーッ。」
 「ドデッ。」
 「パイン、ジャンプ。」
 「OK。」
 ピーチとパインは一斉にジャンプした。そして...…
 「ダブルプリキュアキィーーーック。」
 「バコバコ。」
 「ウッ、ウググググ。チキショー。こうなったら。」
 「あっ、逃げたわ。」
 「追うよ。」
 「OK。」
 「待てーーーっ。」

 再び、ベリー&メロンVSアボガド戦いの現場では

 「ううーーーっ。」
 「こっちもジャンプよ。」
 「OK。」
 ベリーとメロンは、一斉にジャンプした。そして...…
 「ダブル・プリキュア・キィーーーック。」
 「バコバコ。」
 「うわあーーー。チキショー、こうなったら。」
 「逃げたわ。」
 待てーーーっ。」

 再び、チェリー&キュアココVSキュアパッション戦いの現場では

 「ココナーーーーーーッツ・クラーーーッシュ。」
 「ドカッ。」
 「ピヨピヨピヨピヨ。」
 キュアパッションは戦闘不能になってしまった。
 「これで、警察へ突き出すわ。」
 すると
 「ドラゴンイース・我に仕えよ。」
 「何。」
 「ペタン。」
 何も起こらなかった。
 「何やってるの。今度はあたしの番よ。」
 「ドラゴンイース、我に仕えよ。」
 「ペタン。」
 何も起こらなかった。
 「どうやら、無駄ね。」
 「クッ。」
 「十分な休養を取っていないのでは。」
 「うるさい。」
 アボガドとドリアンは、パッションを担ぎ上げた。
 「あっ、いたいた。」
 「ここにいるとは。」
 「覚えてらっしゃい。」
 アボガドとドリアンは、パッションを担ぎながらワープして去った。
 「また、逃げられたわ。」
 「仕方がないわね。変身を解いて戻るわよ。」
 「はい。」

 桃園家

 「どうやら、終わったようじゃ。」
 「ホッとしたね、長老。」
 「うむ。」

 すると

 「ただいま。」
 「お疲れ様。」
 「皆、ご無事で。」
 「チョロイチョロイ。」
 「ああ~~~っ、お腹空いた。」
 「じゃあ、夕食の準備しようね。」
 「うん。」
 「よおーーし。じゃあ、皆でバーベキューパーティーだ。」
 「それ、良いわね。」
 「キュアーー。」
 女達は、バーベキューの準備を始めた。

 夕方、桃園家の庭

 来訪者全員をもてなし始めた。
 「ジューーッ。」
 「アグアグ。」
 「エヘヘヘヘッ。」
 「ウフッ。」
 「フフフフフッ。」
 「アグン。」
 「スウィーツ王国の妖精たちのこの笑顔、ラビリンスには絶対渡さない。」

 ラビリンス総統官邸内謁見の間

 「イース、ノーサー、ニューウェスターの3人が、スウィーツ王国長老ティラミスの拉致に失敗した。もはや、サウラーを含めた4人には任せてはおけん。行け、ノーザ。」
 「ハッ、畏まりました。このノーザ、命に変えましてもスウィーツ王国の妖精たちを拉致してみせます。全てはメビウス様のために。」

           完 
 

 
後書き
 ノーザがついに日本国へやって来ます。どんな手を打つのかは、次回以降のエピソードで。 
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