インフィニット・ストラトス大和の戦い
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
51話
ヤマト
ドラゴンと赤のパラメイルがアルゼナルを襲撃してすぐに別のシンギュラーでこの世界に迷い込んだネギ・スプリングフィールド君とその仲間達にこの世界と人間とノーマの話をした。
ノーマの説明では勿論のことだが全員から怒りが感じられた。
その後、ネギ君達はしばらくアルゼナルに居ることにはなったのだが先ほどの戦闘でアルゼナルは半壊状態でネギ君達の部屋など当然無い状態だった。
そこで、俺が提案したのはアルゼナル離脱用の足にある住居スペースに住んでもらうことにした。
そして翌日俺は姉さんと簪の三人で格納庫の束とあっていた。
「やーチャン、足付きは完成したからいつでも出れるよ!AGEビルダーも既に入れてあるよ!」
「ありがとう。束はいつでも出せるように向こうで待機しておいてください。」
「ラジャー」
「僕達はどうするの?
姉さんが聞いてくる。
「俺達はジル司令がここを放棄したら離脱しようと思ってる。」
昨日の戦闘でミスルギや他国がノーマをつぶしに来るのは時間の問題だからなそんなとき………
『総員!第一種戦闘態勢!ドラゴンです!基地内にドラゴンの生き残りです!!』
基地内にドラゴンが居ると知らされる。
「ドラゴン!?」
「ヤマト行こう…」
「あぁ、みんなと合流する」
俺達はみんなと合流するために走る。
◇
「ヤマト!!」
俺はIS部隊に指示を出していると第一中隊のヒルダが走ってきた。
「どうしたんだ?」
「ヴィヴィアンを見なかったか?さっきから居ないんだよ」
ヴィヴィアンが居ない?ドラゴンが見つかったと同時にヴィヴィアンが居なくなっている………そんな、まさか……
「今日は見てないが、ヴィヴィアンは俺が探しておく。俺の考えが当たっていたら最悪の事態になるからな」
「なんだよ、最悪の事態って」
確証もないのに他人に教えるのはやめた方がいいな。
「話はあとだとりあえず探そう。第一中隊のみんなにはドラゴンと遭遇しても発砲するなと言っておいてくれ!」
「なんでだよ。ドラゴンは殲滅しないと!」
「もし、今回のドラゴンを殺せば仲間を失うかもしれない……」
そうつぶやき俺は走り去る
「どういうことだよ………」
◇
ヤマトはダブルオーライザーを展開し上部に上がるとアンジュもやって来てライフルを構える。
それを見たヤマトは止める。
「待て!撃つな!!」
「え?どうして?」
アンジュはヤマトの問いに意味が分からず、その時にドラゴンが何かを歌い出し、それを見たアンジュはライフルを下ろす。
「これは・・・」
その歌はアンジュが歌っていた『永遠語り』によく似ていて、それにアンジュは歌い出し歩き出す。それにドラゴンも同じように歌い出しアンジュの元にゆっくりと行く。
ヤマトもアンジュに遅れてアンジュの真似をして永遠語りを歌いながら
っとそこにヒルダ達もやって来る。
「何やってんだよお前!」
ロザリーとクリスがライフルを構えた。
「撃つな!ヤマトからの指示だ!」
ヒルダがロザリーとクリスを止める。
アンジュとヤマトが後ろを向くも、すぐに前を向いて歩く。その時にサリア達が来て、サリアがライフルを構える。
「離れなさい!!」
っがその時にジルがサリアのライフルを下ろさせて、それにサリアは見る。
そしてアンジュとヤマトはドラゴンと向き合い、アンジュとヤマトが触れた瞬間ドラゴンは一瞬に霧状になって行った。
「ここでクイズです!人間なのにドラゴンなのってなーんだ?」
元の人間に戻ったヴィヴィアンにアンジュは唖然とするしかなかった。
「あっ違うかドラゴンなのに人間・・・?、あれれ・・・意味分かんないよ・・・!」
自分がドラゴンだった事に戸惑うヴィヴィアンは泣いて混乱している中で、アンジュは優しく声を掛ける。
「分かったよ私は・・・、ヴィヴィアンだって」
「あ、有難う・・・アンジュ、分かってくれたの・・・アンジュと刹那だよ」
っとヴィヴィアンはアンジュに抱き付いて泣きつき、後からやって来る簪達もモモカも今の光景に目を奪われる。
「何だ・・・一体?」
「どうなってんだよ?」
「今ドラゴンからヴィヴィアンが出て来た様に見えたけど・・・」
クリスの言葉にロザリーとヒルダは顔を見合う
そこにマギーがやって来て、ヴィヴィアンに麻酔を撃ちこみヴィヴィアンを眠らせて、マギーはヴィヴィアンを抱いてその場から去って行く。
見送ったヤマト達はアルゼナルの抉られた場所に捨てられているドラゴンの死体の山を見る。
その時にヴィヴィアンの言葉を思い出す。
『人間なのにドラゴンなのってなーんだ?、ドラゴンなのに人間・・・?あれれ?』
「!?、まさか・・・!!」
アンジュは思わずあの場所に行き、ヤマトも付いて行く。
「アンジュリーゼ様!」
「おいヤマト、何処に行く!?」
モモカはアンジュの行動に叫び、一夏も同じように言った。
そしてジャスミンが死体を集めた所でガソリンをまき、ライターに火をつける、っとバルカンがヤマト達に向かって吠え、それにジャスミンは振り向く。
「来るんじゃないよ!」
そう言ってジャスミンはライターを死体の山に投げ、死体を燃やし始めた。
ヤマト達は燃えている死体に驚きの光景を目にする。ドラゴンの死体の中に人間の姿も紛れていた。
それにはヤマト達は言葉を失う。
「おい!一体何が・・・!?」
「何・・・これ?」
「ドラゴンが・・・人間に」
その光景に皆がくぎ付けられてる中で煙草を持っているジルが来る。
「よくある話だろ?、『化け物の正体は人間でした』・・・なーんて」
それにアンジュは息を飲み、再びドラゴンを見る。そして今までの事を思い出す。自分がドラゴンを殺し・・・そして倒していく光景に。
っとアンジュは思わず口を抑え、刹那の腕を掴み、地面に向けて嘔吐する。
「う!うえぇぇぇぇ!?!」
「!!?、アンジュ!!」
「アンジュリーゼ様!!」
ヤマトとモモカが心配する中でアンジュの頭の中は混乱していた。
「私・・・人間を殺していた・・・?、この手で?ねえ!刹那、私・・・私・・・!!?」
アンジュはヤマトの腕を掴みながら何度も問う。
「ヤマト!」
ISをまとった簪やシャルロット達が向かってきた。
「くるな!」
ヤマトはこの光景をみんなに見せまいと追い返そうとする。だが、すでに遅かった……
「ねえ、ヤマト……そこでなに焼いてるの?人?」
「ッ………………」
ハイパーセンサーがあればみんなの位置から穴の中まで見えていた。
「答えてくださいまし!一夏さん!ヤマトさん!」
「そうよ!私達には知る権利はあるわ!」
ヤマトは舌打ちした、これをどう説明すればいいのか悩んでいた。
「後でしっかり説明する……だから今は戻ってくれ……」
ヤマトはこういうしかなかった……自分でもこの状況を整理できていなかったからだ
「わかった。みな戻ろう。」
「ええ」
「うん、そうだね」
「うん………」
副隊長のラウラはみんなをまとめて基地内に戻っていた
「貴様!どうしてはなさなかった!」
「話してどうする?それに気に入ってたんだろ?ドラゴンを殺して金を稼ぐ、そんな暮らしが」
アンジュはジルを睨みながら怒鳴る。
「くたばれクソ女!!!もうヴィルキスには乗らない!!ドラゴンも殺さない!!!、『リベルタス』なんてくそくらいよ!!!」
その事にサリアはアンジュが知らないリベルタスを知っている事に思わず反応する。
「『神様』に買い殺されたままで良いなら、そうすればいい」
そう言い残してジルは去って行き、一夏はアンジュの肩に手を置く。
ヤマトはこのときこう思った『アルゼナルを離脱するのはまもなくだろう』と。
続く
ページ上へ戻る