ドリトル先生と二本尻尾の猫
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第七幕その三
「ホワイティと一緒にね」
「私達もね」
「お空からあの子を見てね」
「そうしてね」
「見ていこうと思うけれど」
「どうかな」
「君達もだね」
先生はチープサイドの家族にも応えました。
「そうしてくれるんだね」
「うん、そうしてね」
「彼がどんな人か見て」
「そしてね」
「先生にお話するから」
「よし、じゃあね」
先生はチープサイドの家族の言葉も受けて笑顔で頷いてです。
そうしてです、こう言いました。
「お願いするよ」
「任せてね」
「私達も頑張るから」
「それでね」
「先生に全部お話するよ」
「そういえば先生の周りにいる皆って」
ここで、です。お静さんは先生の周りにいる動物の皆を見てからこう言いました。
「先生に隠すことないわね」
「うん、全部ね」
「お話してるよ」
「嘘も言わないよ」
老馬とオシツオサレツがお静さんに答えました。
「だってね」
「僕達は先生が大好きだし」
「先生も僕達のことが大好きだからね」
そうした固い絆があるからだというのです。
「隠しごとはしないよ」
「そして嘘も言わないよ」
「絶対にね」
「そういうことなのね。お互いに信頼しているから」
それで、とです。お静さんもお話を聞いてです。
そしてです、頷いて言うのでした。
「いい関係ね」
「僕も隠しごとや嘘は嫌いだし」
先生も言うのでした。
「そんなことはしないよ」
「絶対にね」
「僕は紳士でありたいと思っているから」
こう考えているからなのです。
「だからね」
「隠しごとも嘘もなのね」
「そういう考えなんだ。特に嘘は」
「言わないわね」
「そうする様にいつも務めているよ」
「それはとてもいいことだと思うわ」
お静さんにしてみてもです、嘘を言わないことはというのです。
そしてです、こうも言うのでした。
「世の中嘘吐きも多いから」
「そうそう、いるんだよね」
ジップは顔を顰めさせてお静さんに応えました。
「何処でもね」
「日本にも多いわ」
「イギリスにもね」
つまりどの国にもです、嘘を言う人はいるのです。
「いるよ」
「本当に何処にもいるのよね」
「そう、ただね」
ここでこうも言ったジップでした。
「嘘を言うとね」
「目に出るわね」
「わかるんだよね、そういうことって」
嘘を言っているかどうかは、というのです。
「目に本当に出るから」
「そうそう、わかるのよ」
今度はポリネシアが言います。
「嘘を言い続けていると目も濁るし」
「人相も悪くなるわね」
今度はお静さん自身が言いました。
「普通に」
「何か日本に会社の借金が二十億だの三十億だの四十億だの言ってた人がいたね」
ポリネシアはこうしたこともお話しました。
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