リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百五十話 消える希望
前書き
マグナモンVSブラックセラフィモン
今日中に新しく投稿。
確かに番外編ばかり入れてますけど、最近仕事の量が多くなり、話の構成を考えるのに手間取るようになってしまってそのために話を考えるための時間を稼ぐために番外編挟んでましたが確かにやりすぎました。
すみませんでした。
今日からは少し更新速度が遅くなっても話を続けていきます。
マグナモンは暴走しているブラックセラフィモンと対峙する。
Bセラフィモン[セブンヘルズ!!]
マグナモンに向けて放たれる暗黒球。
しかしマグナモンはそれを容易く弾き飛ばし、ブラックセラフィモンの顔面に強烈な蹴りを入れる。
確かに暗黒進化でパワーは大幅に上がっているが、まだまだ手に負える相手だ。
タケル「嘘だ…こんな…」
目の前の堕天使と化したパートナーが信じられないのか、ボソボソ呟いている。
マグナモン[マグナムパンチ!!]
強烈な右ストレート。
ブラックセラフィモンは勢いよく吹き飛ぶ。
しかし痛覚が最早ないのか、直ぐに起き上がり、マグナモンに攻撃を仕掛けてくる。
マグナモン[くそ…早く倒れてくれ…頼む…]
いくらタケルのことは嫌いでもパタモンのことは今でも友達だと少なからず思っていたマグナモンにこれはキツすぎた。
どれだけ攻撃を浴びせてもゾンビのように起き上がるブラックセラフィモンにマグナモンと融合している大輔も唇を噛み締める。
アリサ「ちょっと!!あんたのパートナーなんだから止められるように何とかしなさいよ!!」
タケル「ち、違う…」
すずか「え?」
タケルから漏れた言葉に首を傾げるすずかだが、次の瞬間目を見開く。
タケル「あんなの僕のパートナーじゃない!!あれは…そうだ。パタモンの偽物なんだ!!」
キャロ「ちょっと!!?」
流石のキャロもタケルの自分の責任逃れの発言に怒りを感じた。
しかも自分のパートナーを否定した。
我が身可愛さに。
賢「高石っ!!!!」
自分のパートナーを否定するタケルに賢はかつての自分を見ているような気分になる。
大輔『この…糞野郎!!』
叫ぶのと同時にブラックセラフィモンを殴り飛ばす。
そして融合を解いて、マグナモンにブラックセラフィモンを任せると、タケルに馬乗りになり、殴る。
大輔「てめえ、もういっぺん言ってみろ!!あいつはお前のせいで暗黒進化したパタモンだ!!それを我が身可愛さに自分のパートナーじゃない、偽物だとか言いやがって!!」
タケル「違う…違う…あれはパタモンなんかじゃない…」
現実を認めたくないのか、タケルは変わり果てたブラックセラフィモンを見ようとしなかった。
なのは「…最低っ」
吐き捨てるように言うなのは。
流石に温厚ななのはもタケルの責任逃れの発言に怒りを抑えきれないでいた。
はやて「自分の責任から逃げるためならパートナーさえ捨てるんやな」
フェイト「…本当に最低だね」
冷たい目でタケルを見遣るフェイトとはやて。
マグナモン[………はあ!!]
ズンッ!!
マグナモンの拳が肉を貫くような音を出しながら、ブラックセラフィモンの胴体をぶち抜いた。
このままでは完全なジリ貧。
デジタマになるためのデータすら破壊されてパタモンは完全に死んでしまう。
マグナモン[さようならだパタモン。今度生まれ変わる時は幸せになれ。シャイニングゴールドソーラーストーム]
無数のレーザー光がブラックセラフィモンに炸裂した。
レーザー光に貫かれたブラックセラフィモンは完全に消滅。
デジタマのデータを大輔はデジヴァイスに回収した。
ヤマト「パタモンが…」
アリシア「大丈夫だよ。パタモンのデータはお兄ちゃんのデジヴァイスに保存されたから」
大輔「こいつは俺が預かる。ゲンナイの爺に頼んで新しいパートナーを見つけてもらう」
タケル「なっ!?か、返せ!!パタモンは僕のパートナー……」
大輔「笑わせんじゃねえ!!」
大輔のデジヴァイスを奪おうとするタケルを蹴り飛ばす。
尻餅をついたタケルの顎を蹴り飛ばした。
大輔「パートナー?どの口がそれを言うんだ?我が身可愛さにパートナーを否定したその口で!!」
賢「今の君はデジモンカイザーだった頃の僕よりタチが悪いな。我が身可愛さにパートナーを否定して取られそうになったらパートナーだと言う。」
ルカ「あなた何様のつもりですか?自分のパートナーを否定しておきながら、自分のパートナーなどとよく言えましたね。あなたの図々しさには感心しますね。」
ゴミを見るような目でタケルを見つめるルカ。
タケルはその冷たい視線から逃げるように後退した。
タケル「ぼ、僕は悪くない…」
ティアナ「はあ?」
自分は悪くないと言うタケルにティアナは呆れ顔だ。
タケル「僕は何も悪くない!!君達がホーリーストーンを消さなければこんなことにならなかった!!そうだ、僕は悪くない!!」
ユーノ「ちょっといい加減に……」
必死に自分の罪から逃げようとするタケルにユーノが歩み寄ろうとした瞬間。
タケル「僕は悪くない!!悪いのは全部、君達と勝手に暗黒進化したパタモ…」
大輔「てめ…」
バシッ!!
よりにもよって暗黒進化したのもパートナーのせいにしようとするタケルを殴ろうとした時、ヒカリがタケルの頬を思いっきり叩いていた。
肩で息をしながら、タケルを睨んでいた。
タケル「ヒカリ…ちゃん…?」
ヒカリ「タケル君の馬鹿!!人でなし!!」
目に涙を溜めながら、タケルを睨むヒカリ。
タケル「え?」
ヒカリ「暗黒進化したのは大輔君達とパタモンのせい!!?違うでしょ!?全部タケル君のせいよ!!」
タケル「な、僕のせいだって言うの!?原因はこいつらがホーリーストーンを消さなきゃ…」
ヒカリ「確かに何で大輔君がホーリーストーンを消しているのかは私には分からない。でも、パタモンを暗黒進化させたのは紛れもなくタケル君でしょ!!何でもかんでも大輔君達に責任を押し付けないでよ!!」
タケル「でも…僕は…」
ヤマト「はあ…」
頭を押さえながら、ヤマトはタケルに歩み寄ると殴り飛ばした。
タケル「っ!?お、お兄ちゃん…?」
ヤマト「俺はお前を甘やかせ過ぎちまったようだ。だからこんな風になっちまった。俺からも言う。パタモンが暗黒進化して死んだのはお前のせいだ。お前の闇が悪いって偏見のために死んだんだ」
空「ヤマト…」
辛そうにヤマトを見る空。
しかしよく見るとヤマトも辛そうな表情である。
自分がちゃんと弟と向き合っていなかったから起きてしまった悲劇に自分を責めているのだ。
空は彼の背中に手を置いた。
光子郎「行きましょう。此処にいても時間の無駄になります」
ユーノ「皆さん、そろそろお聞かせします。僕達がホーリーストーンを消す理由を」
ユーノが説明する。
ホーリーストーンを消す理由。
正確には消しているのではなく、異空間にホーリーストーンを封印していたのだ。
異空間に封印さえすれば、敵も無闇にホーリーストーンに手を出せない。
タケル「だったら教えてくれていればこんなことに…」
出掛かった文句を全員から睨まれ、黙らされた。
全員の目が語っている。
“どの口がそれを言うんだ”と。
賢「言ったとしても君はそれを信じたかい?僕達を倒すべき敵だと言って話を聞こうともしなかった君が」
タケル「っ…」
それを言われてタケルは唇を噛み締めた。
ヒカリ「よかった。大輔君は絶対にそんなことしないって信じてたよ」
大輔「サンキュー、ヒカリちゃん」
ヒカリ「え?」
大輔「ヒカリちゃん、本宮から名前になってる」
ヒカリ「あ、ご、ごめんなさい…」
大輔「いいよもう。ヒカリちゃんが頑張ってたの見てたよ。だから喧嘩はもう終わりにしよう」
ヒカリ「う、うん…」
大輔「もう一度友達から始めよう。な?」
ヒカリ「うん…うん…ありがとう…もう一度、私の友達に…なって…下、さい…」
涙をポロポロこぼしながら言うヒカリに大輔は頷く。
太一「大輔」
大輔「ん?」
太一「今更かもしれないけど言わせてくれ。本当にすまなかった!!」
地面に頭をこすりつけて謝罪をする太一に全員が目を見開く。
大輔「………」
太一「これからはお前に精一杯償いをする!!だから…俺にチャンスを…」
大輔「いいですよもう。その気持ちだけで、これからはもう一度、先輩後輩、仲間として…ただし」
ギロリとタケルを見遣る大輔。
大輔「てめえは駄目だ高石」
タケル「なっ…?」
大輔「てめえはパートナーを暗黒進化させた挙げ句、我が身可愛さにパートナーを否定した。そんなてめえは仲間じゃねえよ。行くぞ、選ばれし子供とデジモンの学校。聖竜学園に案内するよ」
太一「聖竜学園が選ばれし子供の?」
大輔「ええ、聖竜学園は選ばれし子供とデジモン達のために俺達が創った学校なんです」
ヒカリ「大輔君達が?」
大輔「ああ、話したいことが沢山あるよ」
大輔達はホーリーストーンを封印し、タケルを置いて現実世界に。
大輔はパタモンのデジタマを始まりの町に。
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