歌集「春雪花」
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
32
晩春の
緑の深き
魚野地の
眺む蒲公英
君に似たりき
晩春に掛かった山並みは新緑に染まる。見ればタンポポが鮮やかに咲いている…。
君の笑顔の様に目映い花…いずれ綿毛となって飛んでゆく…。
君が此処から去った様に…。
葉桜を
見上げし今日も
流れゆき
君ぞなきにし
初夏の暁
すっかり葉になった桜を見上げるだけの今日も…過去へと追い遣られる…。
もう初夏。君がいない時間も季節は流れ…一人暁を眺めては君を想う…。
ページ上へ戻る