ワンピースの世界に
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12話
ドラム王国に向かい2日が経ち、カイトの持っていたエターナルポースを手掛かりに航海を続け
ナミの容態は、時間とともに悪化していき熱も40度以上の高熱が続き・・・
意識もなく、弱っていくだけっだった。
そんな時、見張りをしていたゾロから声が聞こえる。
「なあお前ら、海に・・・人が立てると思うか?」
「「「はぁ?」」」
「ちょっとこっちに来てみろ」
ゾロが何かを見つけ甲板にいたルフィ、ウソップ、カイトに声をかけ呼ぶ
呼ばれた三人が行ってみると・・・
海面に立つ人物がいた。
「「・・・・・・えっ!?」」
ルフィとウソップが驚き、声を上げる。カイトは・・・
(コイツ・・・誰だっけ?敵は敵だったような気が・・・下に潜水艇がいるし)
そう考えていると、海面に立つ男が声をかけてきた。
「よう、今日は寒いな」
「・・・・・・うん、今日は冷えるな」
「あ、ああ、今日は冷えるよな」
ルフィとウソップが答える。
カイトは指をその男に向けると、指先から稲妻が走り男を貫いた・・・
雷に撃たれた男は声を出す事なく全身から煙を上げ倒れると、海に沈んでいく。
「「「んなっ!?!?」」」
ルフィ、ゾロ、ウソップの三人は顎が外れそうになるくらいに、口を開いている。
「よし!ドラム王国に進むぞ!!」
カイトが声をかけると・・・
「「「お、お前は鬼か!!!」」」
踵を返すカイトに、三人は声を揃えて批判してきた。
「いいか、お前等。こんな所にあんな変なのがいるって事は、不審者しかいないだろ?オマケにこっちは時間もない、さっさと排除して先を急ぐべきだ。違うか?」
「・・・・・・い、いや・・・違わない」
カイトの言葉に、ルフィが同意し元の持ち場に戻ろうとした時・・・
船の前方から、大きな泡が幾つも現れ海中から球体のような潜水艇が現れ、球体は徐々に変化していき・・・一隻の巨大な船になった。
「でけぇ・・・」
「ヤベェ・・・か、海賊船じゃねぇか」
「チッ・・・この忙しい時に」
ルフィ、ウソップ、ゾロの三人が、船を見てそれぞれ言葉を漏らす。
船のマストの上には、先程カイトの雷に撃たれた男がぶら下がっている。
船の中からどんどん人が現れ、メリー号に乗り移ってくる者、マストにぶら下がって居る男を回収する者、最後に樽のような男がナイフに刺さった肉を食いながらメリー号に乗り込んできた。
(やっぱり、こうなるよな・・・ワポルか)
「フム・・・たった4人か」
そう言うとワポルはナイフごと肉を食べ始めた。
「なんだアイツ・・・ナイフも食べやがった」
「・・・・・・」
「見てるだけで、痛てぇ」
ルフィ、ゾロ、ウソップはもの凄く嫌な物を見るような顔をしている。
「どうした、何があった?」
下からサンジが上がってきた。
「今この船、襲われてるんだ」
ルフィが答える。
「まぁ、見た感じ・・・そうだろうな」
そう答えるサンジの前には、銃を突きつける敵がいた。
ルフィたちの動きが止まると、ワポルがニヤ付きながら近づいてくる・・・
「俺達はドラム王国に行きたいのだ、エターナルポースかログポースを持っていないか?」
「「「「!?」」」」
(こんなところは元と一緒なんだね、まぁシラを切ればいいか)
ワポルの問いに対して、カイトが考えているとルフィが答えた。
「持ってるけど、やらねぇ。仲間を助けるのに必要なんだ」
「「「・・・・・・・・」」」
ゾロ、サンジ、ウソップの三人は、なんで言うんだよと無言の抗議をしているがルフィは気がつかずにスルー。
(はぁ~まぁルフィに誤魔化す選択肢は、ないか)
「持っているなら、よこ「ワポル」・・・ん~なんだ貴様は、様をつけろ。ワポル様だ」
ワポルの言葉をカイトが遮る。
「悪いが、船長の言った通りエターナルポースを渡す事は出来ない。それに、お前らに関わってる時間もない・・・すぐに終わらすぞ」
カイトが言葉を切ると・・・カイトを中心に衝撃波が辺りを通り抜けた。
ワポルを始めメリー号に乗り込んできた敵が、その場に倒れていく・・・
「「「「・・・っ!?」」」」
ルフィを始めゾロ、サンジ、ウソップは目の前の出来事に、立ち尽くしている。
「カイト、お前がこれをやったのか?」
「ああ、そうだ・・・覇気を使った」
ルフィの問いにカイトが答えると
「「「「ハキ?」」」」
全員が首をかしげた。
「詳しくはナミが治ったあとにでも教えるから、先にこいつらを片付けてドラムに行こう」
その後、ワポルを始めメリー号に乗り込んできた者を敵船に投げ返し、ドラム王国を目指して船を進めて行く。
ワポル達を追い返した翌日・・・
カイト、ルフィ、ゾロの三人がナミに付いていると、甲板から声が聞こえてきた。
「島が見えたぞ!!!」
(予定通り3日で着いたな)
「島だってよ。良かったなナミ、これで治るぞ」
そう言いながら、体がウズウズしているルフィ。
「ルフィ、ゾロここは俺が看てるから、甲板に行っていいぞ」
「いいのか?」
「ああ」
答えると同時に、ルフィは甲板に走っていく・・・
「じゃあ俺も行ってくる、ここは任せたぜ」
「わかった」
ゾロも部屋を出ていき、残ったカイトはナミの額にあるタオルを代えたり、防寒用のジャケットを用意したりして時間を潰す。
暫くすると、外が騒がしくなりはじめた。
(島に入ったか・・・俺も用意をして外に向かうか)
ナミにジャケットを着せて防寒をしたあと、横抱きに抱えて部屋を出る。
部屋を出たところで、ナミがうっすらと目を開けた。
「ん・・・ぅん・・・」
「悪い、起こしたか」
「だ、大丈夫・・・」
「島に着いたみたいだ、もう少しで治るからな」
「うん・・・ごめんね・・・迷惑かけて・・・」
「誰も迷惑だなんて思ってないさ、今は少しでも寝てたほうがいい」
「ん・・・わかった」
そう言うと目を閉じると、すぐに寝てしまった。
(急がないとな)
ナミが寝たのを確認したあと、甲板に向かって歩いていく。
カイトが甲板に近づいた時、ルフィの声が聞こえてきた。
「医者を呼んでください!!!仲間を助けてください!!!」
額を甲板につけて、島の住人に頼むルフィとビビ。
その光景に誰も言葉を発する者はなく、辺りはシンッと静まり返る。
(海賊船の船長と一国の王女が仲間の為に土下座する光景なんか、滅多に見れないだろうな)
ルフィの行動を見て静まり返った村人の中から、一人の人物が出てきてルフィに声をかける。
「わかった、村に案内しよう。・・・付いてきたまえ」
「ほんとか、ありがとう」
礼を言って、もう一度頭を下げた。
「ビビの言った通りだった、お前スゲェな」
「ね、言った通りでしょ?戦いだけじゃ駄目って」
「うん、わかった」
そう言って立ち上がるルフィとビビ。
「よし、上陸だ!!!ナミをつれ「もう連れてきてる」・・・カイトいたのか」
「ああ、ナミも一緒だ。早速医者に会いに行こう」
「そうだな、行こう」
ゾロとカルーを船に残し、ルフィたちは島に上陸していく。
途中でサンジがナミを抱いているカイトにキレていたが、ビビの冷たい視線を浴びてうなだれたいた。
(ビビって覇王色持ってたりして・・・ないか・・・ないよな・・・たぶん)
上陸すると、ドルトンが近づいてきた。
「前に一度君とは、会ったことがあるな」
「ああ、覚えてたのか?」
「覚えはいい方でね・・・それに・・・」
ドルトンは視線をビビに向けていた。
「えっ!?」
「君はもしかして、アラバ「ドルトン」・・・」
「悪いが、色々訳ありでな・・・黙っててくれたら、助かる」
「・・・・・・わかった。詮索はしないでおこう。・・・では、村に向かおうか」
「ああ、すまない」
「ありがとうございます」
ドルトンの言葉に礼を伝え、村に向かう。
少し離れた場所にある村『雪の降る村・ビックホーン』に到着したルフィ達。
ドルトンの家に案内されたルフィ達は、この国にいる唯一の医者『魔女』と呼ばれる人物の情報を入手し、ルフィがナミを背負いサンジとカイトが同行する事で決まり『Drくれは』の住む城を目指す事に決まった。
(俺が空を飛んでもいいんだけど、それをすると雪崩が起きてゾロがウソップと合流する事も出来ないから、このままの方がいいだろ)
そんな事を考えていると、ルフィの声が聞こえた。
「じゃあ、行くか!!カイト、サンジ!!!ナミが死ぬ前にな」
「そうだな、急ごう」
「縁起でもねぇ事言うんじゃねぇ!!!このクソ野郎共!!!オロスぞ!!!」
村にウソップとビビを残して、ルフィ達はナミを連れて医者のいる『ドラムロッキー』を目指す。
ドラムロッキーを目指し一直線にしばらく進んでいると・・・
目の前にウサギが数匹現れた。
歯を剥き出しにして、襲い掛かってくるウサギをヒョイっと避けながらドンドン進んでいくルフィ達一行。
(これが肉食のウサギ『ラパーン』か・・・デカいのが後から出てくるんだよな)
繰り返し襲い掛かってくるラパーンに、サンジが切れ
「さっきから、うっとおしいんだよ!!!」
その言葉とともにサンジの蹴りがラパーンに直撃して、前方に飛んでいった。
「何なんだろうな、あいつ」
「ラパーンって肉食のウサギだろう・・・あの大きさは子供だな」
「カイト、知ってんのか?」
「いや、村を出るときにドルトンが言ってただろ?ラパーンに気をつけろって」
「覚えてねぇよ」
「・・・まぁ、覚えてなくても問題ないだろ(大型が出てきたら、その時対処すればいいか)」
その後、子供ラパーンが襲ってくることはなくまた山を登り始めた。
そして・・・
「ん・・・?」
「んん・・・!?」
「・・・・・・・・・」
しばらく走っているとルフィ、サンジ、カイトの前に大型のラパーンが姿を現した・・・
大型ラパーンの肩の上には、先程サンジが蹴り飛ばした小型のラパーンが乗っている。
ルフィ達の姿を捉えたラパーンの内の1匹が・・・
「飛んだ!!!」
高く飛び上がると、鋭い爪をルフィ達めがけて振り下ろした。
咄嗟に振り下ろされた爪を避ける3人。
「嘘だろ・・・この動きは・・・これがドルトンの言ってたラパーンか・・・で、この数か!」
サンジが驚いて、そう呟く。
その呟きが合図のように、目の前のラパーン数十匹が一斉に飛びかかってきた。
ルフィは避け
カイトとサンジは攻撃してきたラパーンを撃退していく。
「くそっ・・・ルフィ森に入れ!!!俺とカイトが援護する」
「わかった」
森に入り襲ってくるラパーンを撃退していくと、徐々に数が減ってくる。
その数は更に減り、辺りにラパーンの姿は無くなっていた。
(そろそろ雪崩が来るか・・・)
「ようやく撒いたみたいだな・・・ルフィ、ナミさんは無事だろうな」
「ああ、攻撃もしてないし、受けてもない」
「そうか」
ルフィとサンジが話している横で、カイトは山の中腹を見ていた。
「二人共、まだ終わりじゃないみたいだ」
「「えっ!?」」
「上を見てみろ」
カイトに促されて見上げると、ラパーンが飛び跳ねているのが見える。
「なにやってんだ?あいつら」
「俺らを追いかけるのをやめたと思ったら、上で何かを始めやがった」
「おそらく、雪崩を起こそうとしてるんだろうな」
「「雪崩!?」」
ルフィは何の事か分かっていないようで、首を傾げている。
サンジは意味が解ったらしく、愕然とした顔をして咥えていたタバコが地面に落ちた。
話をしているあいだにも、ラパーンは飛び跳ね雪の中に亀裂が走り徐々に大きくなっていき。
そして・・・大規模な雪崩が発生した。
発生した雪崩は木をなぎ倒し、積もっていた雪を飲み込み巨大化しながらルフィ達に迫る。
「ルフィ、サンジ。俺の後ろにいろ!!!」
カイトの声が響く。
「な、なんでだ?」
「早く逃げないと、やばいぞ」
「早くしろ!!!」
「「わ、わかった」」
カイトの声に、二人は隠れるようにカイトの後ろに揃った。
二人が後ろに来たのを確認したあと、拳を握り込み構える。
構えた腕を放電させ熱を蓄積させていく。
雪崩がルフィ達を飲み込む瞬間、カイトは構えた拳を突き出した。
その瞬間、カイトの拳から高温の衝撃波が放たれ、目の前に迫っていた雪崩を霧散させていく。
「ス、スゲー・・・カイト、スゲェー」
「・・・・・・・マジか!?」
カイトの後ろでルフィとサンジが、驚きの声を上げている。
しばらくして雪崩も収まり、辺りを見回すと景色が一変していた。
さっきまでは森があった場所が、雪に覆われ一面が真っ白な景色。
カイトたちの周りだけが、雪崩が起こる前の状態だった。
「じゃあ、先を急ごう・・・結構、時間を取られたしな」
「あ、ああ」
「お、おう」
カイトの言葉にルフィとサンジが頷き、目的のドラムロッキーを目指す。
途中ラパーンの再襲撃があったが、雪崩イベントも起こしたあとで遠慮のいらなくなったカイトが殺気を放つと脱兎の勢いで逃げていった。
そして、目的のドラムロッキーの麓にたどり着いた。
「やっと着いたな、よぉーし登るぞ」
「ルフィ絶対にナミさんを落とすなよ」
「ああ」
ルフィとサンジが山に手をかけて、登り始めた。
「ルフィ、サンジちょっと待ってくれ」
「ん?なんだよ」
「早く登らないと、ナミさんの容態が悪くなるだろ」
「分かってるって」
そう言ってカイトはルフィとサンジの上着を掴むと
「ルフィ、絶対にナミを離すなよ」
「あ、ああ」
「よし・・・じゃあ飛ぶぞ」
「「はあっ!?」」
二人の声を聞いた瞬間、カイトは二人を掴んだまま全力で空中に飛び上がった。
「「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ」」
二人の悲鳴を聞きながら
「月歩」
「「ぎゃああああぁぁぁぁぁぁ」」
さらに上を目指して、飛び上がる。
月歩と悲鳴を繰り返し飛ぶこと数十分・・・ようやく山頂に到着した。
「へぇ・・・綺麗な城だな」
「「・・・・・・・・・・・」」
そう呟くカイトの後ろで、ルフィとサンジは雪の上に倒れ込んでいた。
(城の中には誰もいないみたいだし、勝手に邪魔してようかな。このまま外にいてナミの容態が悪化しても駄目だし)
そう考えルフィとサンジを残して、ナミを抱きかかえて城の中に入っていく。
後書き
私事で申し訳ありません。
GWに初めての海外旅行で、イタリアの世界遺産巡りに行っていました。
その余韻がまだ抜けておらず、いつも以上の駄文、文字間違いがありましたら、無視って下さい。
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