オズのベッツイ
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第六幕その六
「そのことも覚えておいてね」
「それでも偉そうに過ぎるわ」
また言ったナターシャでした。
「猫の中でも」
「そんなことだと何時か誰かに怒られるわよ」
ベッツイが猫に忠告します。
「それも強く」
「そう言うのね」
「そうよ、オズマかグリンダに」
「あの二人だけはね」
猫も二人のことを言われるとでした。
「困るわ」
「そう思うでしょ」
「だから謙虚になれっていうのね」
「少しはね」
「これでも充分謙虚よ」
「自分を偉いと言っておいて?」
説得力がないというのです、実際にナターシャ達五人もハンクもそのベッツイの言葉にその通りだと頷いています。
「そう言うの?」
「まあそれはね」
「違うって言うの?」
「出来ることと出来ないことはわかっているわ」
猫にしてもというのです。
「私がね」
「だからっていうのね」
「出来ないことには何も言わないし偉そうにしないから」
それで、とです。猫はベッツイに答えます。
「だからね」
「それで、よね」
「そう、私は謙虚でもあるのよ」
「そうなるのかしら」
「そうよ、わかったわね」
「そういうことなのね」
ベッツイはとりあえず猫の言葉を聞きました。そうしてなのでした。
一行はブイヤベースを美味しく食べました、その後で。
デザートは果物でした、ベッツイは無花果を手にして皆に言います。
「最後はこれを食べましょう」
「果物をですね」
「これでお腹一杯になるわ」
デザートの果物も食べてというのです。
「そうしましょう」
「はい、それじゃあ」
「デザートも食べて」
「そうしてあらためてね」
「旅をですね」
「再開するんですね」
「そうするわよ、明日の朝にね」
全ては朝からでした、行くのは。
そうしてです、食べ終えてから水浴びをしてそれからこの日は寝ました。そしてお日様が出ると共にでした。
一行はテントから出ました、ハンクはベッツイ達女の子が入っているテントの出入り口の傍で寝ていました。猫は男の子達のテントの出入り口の傍でずっとうずくまっていました。
そのテントから出てです、ベッツイは皆に言いました。
「それじゃあ朝御飯にしましょう」
「はい、そしてですね」
「食べて歯を磨いて」
そしてというのです。
「それからよ」
「出発ですね」
「ええ、クマセンターに向かうわよ」
こう一行に言うのでした、そのベッツイにナターシャが尋ねます。
「それでなんですけれど」
「何かしら」
「今から御飯を食べて歯を磨いてから出発して」
「クマセンターに着く時間は?」
「何時頃になるでしょうね」
「そうね、お昼過ぎにはね」
その頃にはというのです。
「着くわ」
「お昼過ぎですね」
「そこでアン女王と会って」
「そうしてですね」
「黄金の林檎のジャムのことをお話してね」
そうしてというのです。
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