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詩集「棘」

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想い繋がらないこの世界



連絡なんてあるわけもなく
だってアドレス教えてないし
きっとこれで良かったんだね
君に僕はもう必要ない…

なんて大人ぶってみるけど
そんなこと全然なくて…
僕は君がいないとダメで
そんなこと言えるはずない…

想い繋がらないこの世界
愛されない僕はただの屍
心だけが君の名で縛られてる
ただ摩耗してゆくだけの時間(トキ)
流されるだけの白い雲のように
自由でありたいと願っちゃダメ?


空は絶え間なく変化するけど
空はずっと空のまま
心も絶えず変化するけど
擦り切れ折れて歪んでく…


電話なんて出来もしない
それでも声が聞きたくて
心がパンクしてしまいそうで
僕には君が必要なのに…

ずっと年の離れた君に
そんなこと望むなんて
僕は人として失格で
愛してなんて言えもしない…

想い繋がらないこの世界
秩序は剣で僕を刺し貫く
想いだけが君の名を抱いている
ただ摩耗してゆくだけの時間(トキ)
山の端を染めた黄昏のように
刹那を生きたいと願っちゃダメ?

想い繋がらないこの世界
愛されない僕はただの屍
君だけが僕を生へ縛り付ける
ただ摩耗してゆくだけの時間(トキ)
小川を流れる木の葉のように
危うい自由を願っちゃダメ…?



 
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