転生とらぶる
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マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0956話
不意に、目が覚める。
周囲を見回すが、昨日と同じくピニャの離宮だ。
シェリルが俺の隣に裸で眠っているのも昨日同様。
だが……何かがおかしい。念動力自体はそれ程激しく反応している訳じゃないのは確かだ。つまり命の危険はないが、何かが起きる前兆か?
「ん……どうしたの、アクセル?」
俺が起きたのに気が付いたのだろう。シェリルが目を擦りながら尋ねてくる。
一瞬どうするべきか迷ったが、すぐに決断する。
俺の中に存在する念動力を信じて間違った事は、これまで一度もないのだ。つまり、これを信じないという選択肢は存在しない。
「シェリル、すぐに着替えろ。何かが起きるぞ」
「……何か?」
俺の言葉に遊びの要素が一切無い事を理解したのだろう。眠たげだった目を、すぐに意思の力で掻き消して起き上がる。
月明かりに照らされる裸身に見惚れ掛けるが、今はそれどころではない。
2人揃って下着を身につけ、服を着ていく。
正直に言えば風呂で匂いや汗を流したいところだが、まさか念動力が危機を教えているってのにそんな真似を出来る筈もない。
女は着替えに時間が掛かるというのが普通だが、シェリルも今はそんな事を言っている場合ではないと判断したのか、素早く着替え終わる。
それを確認し、寝室の隣にあるリビングへと移動して鈴を鳴らす。
「どうかしましたか、アクセル様」
1分も経たないうちにメイドが姿を現して尋ねてきた。
真夜中にも関わらず、だ。
第1皇女のメイドだけの事はある。
「すぐにシャドウミラーのメンバーを起こせ。ああ、それと出来ればピニャも起こした方がいい」
「え? その、急にどうされた……っ!? もしやどこかの手の者が?」
「……どうだろうな。まぁ、理由としてはそれでいい。とにかく何らかの危険が迫っているのは事実だ。とにかく、すぐに起こして離宮の前に集めてくれ。ここにいるメイドや執事、あるいは兵士といった者達全員だ」
「……すぐに」
何を尋ねるでもなく、素早く頭を下げると去って行く。
状況判断も臨機応変か。出来ればシャドウミラーにスカウトしたいくらい有能だな。
「それでアクセル、何があったの? いえ、何があるの?」
「さて、まだ正確には分からないが、俺の中にある念動力が危険を訴えてきている。この感覚からすれば、すぐに命がどうこうって感じではないが……」
少なくてもダークブレインやネオ・グランゾンを相手にした時に比べれば、真冬の吹雪と春の柔らかな風くらいの違いが……いや、それよりももっと大きな違いがある。
そんな風に思いつつ、一応念の為に通信機を取り出してスイッチを入れる。
メイドに起こしてくれるように頼んだが、こっちの方が早いだろうと判断した為だ。
現在この離宮にいる俺達以外のシャドウミラー、あるいは異世界間連合軍のメンバーは、ムウ、スティング、アウル、レオン、高畑の5人。ああ、それとレオンの部下2人もか。
まずは政治班という事で身体を全く鍛えていないレオンへと通信を入れる。
それでも10秒程でレオンが通信に出たのは、帝国にいる以上常在戦場を心がけていた為だろう。
『アクセル代表? こんな真夜中にどうしたんですか?』
「緊急事態だ。俺の念動力が何かを察知した。ただし緊急事態と言ったが、そこまで急激に命の危険があるって訳じゃない。それでも俺の念動力が危険を知らせる以上、大人しくしている訳にもいかないだろう」
『緊急事態ではあっても、そこまで命に関わる危険ではない? だとすると主戦派のテロという可能性とかではない、と?』
「だろうな。念動力の感じるからすると、そこまでの緊急性はないと思う」
念動力自体に明確な意思がある訳ではないので、危険が迫っているというのを教えてはくれても、具体的に何がどうなるかというのは分からない。
ちなみに明確なと表現したのは、俺が念動力を吸収したリョウト、アヤ、ブリットの意思が微妙に残っているような事を感じる時がある為だ。
まぁ、あくまでも残っている……かも? といった感じなので、明確にどうこうって訳じゃないんだが。
「緊急性はないにしても、念動力が危険を教えてきたとなると、何らかの危険が迫っているのは間違いない。すぐに準備を整えて離宮の前に来い。俺も他の面子に連絡を入れて離宮の前に向かう」
『わかりました。そこまで言うのであればアクセル代表の言葉に従いましょう。部下と量産型Wと共に離宮から脱出します』
微妙に疑わしいニュアンスの言葉。
それも無理はないか。実働班なら俺と共に行動した事が多いから、念動力によって命の危機を察知したという経験をしている者が多い。
だが、レオンの場合はマクロス世界でこっちに合流したばかりで、まだシャドウミラーに所属してからそれ程長くないし、何より直接の命の危機が多くある実働班ではなく、命の危機がないとは言わないが、それでも実働班に比べたら格段に低い政治班の所属だ。
勿論俺の念動力についての知識はあるのだろう。だが、実際に念動力によって命を救われた経験がないからこそ、どこか完全に信じる事は出来ない。
この辺は所属部署や所属期間を考えるとしょうがない事なのだろう。
自分を納得させるように頷き、次に他のメンバーにも連絡を取る。
幾度となく俺と戦場を共にしてきたムウはあっさりと頷き、実戦経験が豊富な高畑も同様。スティングとアウルは半信半疑……いや、7信3疑といった感じだったが、それでも俺の言う事であれば、と取りあえず納得して全員が離宮の前に集合する事を受け入れた。
俺の関係者に対する連絡をし終えると、早速とばかりにシェリルと共に部屋を出る。
月明かりが夜の闇を照らし出す中、静寂に包まれ……てはいないな。
耳を澄ませば、色々と騒がしい音が聞こえてくる。
メイドがピニャに俺の言葉を伝えて、それを含めて全員がこうして外に出る準備をしているのだろうが……
「ねぇ、何があると思う?」
俺の隣を歩いているシェリルがそう尋ねる。
何かがある、また起きるというのは確定しているにしても、何が起きるのかはまだ不明な状態だ。不思議に思っても当然だろう。
だが、何か危険が迫っているというのは理解していても、それが何なのかというのは全く分からない状態だ。
そこまでいくとすれば、それこそギリアムやラーダ、シャインといった者達が持っている予知能力とかがなければ駄目だろう。
……正直、非常に欲しい能力ではあるのだが、OGs世界では友好的に近い存在である3人をスライムで吸収する訳にもいかないし、そもそもそれ以前に、現在は原因不明の理由により向こうと連絡が完全に遮断しているしな。
「何かがあるのは間違いない。ただ。それが何かってのは分からないな」
「ふーん。けど、ここまで大騒ぎにして、結局何も起きませんでしたって事になったりしたら、色々と不味いんじゃない?」
「けど、アクセルの念動力が何かを感知したんだから、何も起きないって事はないと思うけどな」
廊下を歩いている時に聞こえてきた声。
そちらに視線を向けると、ムウを初めとして他の面々の姿もあった。
「にしても、相変わらずお盛んな事で」
俺とシェリルを眺めつつそう告げてくるムウに、小さく肩を竦める。
「別にナタルを連れてきてもいいんだけど?」
「無茶を言うな、無茶を」
そう告げるムウだが、門世界の帝国との戦いは異世界間連合軍という形で行っている以上、ここにナタルがいても何の不思議もない。
現に、高畑がここにいるんだから。
「うん? どうしたのかな? それよりも早く離宮の外に出た方がいいんじゃないか?」
「確かにな。今はとにかく何があってもすぐに対処出来るようにするのが最優先だ」
高畑の言葉に小さく肩を竦め、他のメンバー……特に戦闘力に関してはほぼ皆無と言ってもいいレオンの方を確認すると、部下の2人と量産型Wの他にスティングとアウルが一緒にいるのが見えた。
色々と能力的には不安を覚えなくもないが、これだけ集まっていれば問題はないか。
ともあれ、そのまま固まって離宮を移動すると数分程で外へと出る事に成功する。
「アクセル殿、これは一体何の騒ぎだ?」
何故か魔法使いが着るようなローブを身に纏ったピニャが、護衛の兵士やメイド、執事達を引き連れて姿を現すとそう尋ねてくるが、俺が出来るのは首を小さく横に振るだけだ。
「正確には何とも言えない。だが、何か危険な出来事が起こりそうなのは事実だ」
「……それだけを言われても、正直判断に困るのだが」
「アクセル、もしかして主戦派が襲撃してくるとかか?」
俺とピニャの言葉に割り込むようにしてムウがそう尋ねてくる。
先程のシェリルと同じ事を尋ねてくる辺り、やはりそれが一番可能性が高いと思っているのだろう。
ムウの言葉を聞き、顔色を変えるピニャに向かって再び首を横に振る。
「いや。念動力で感じられたのは、そこまで明確な危険じゃない。経験的なものでしかないから何とも言えないが」
「ふーん。てっきりこの国の皇子様とやらが、俺達を邪魔だと思って夜襲でも仕掛けに来るかと思ったんだが」
その言葉に、再び顔色を変えるピニャ。
実際、この離宮に押しかけてきたという実績があるだけに、可能性が全くないとも言えないのだろう。
ただ、俺に対して恐怖心を覚えているような奴だ。あの状態で俺に対して攻撃してくるとは……いや、寧ろ恐怖したからこそ、か?
自分が俺に恐怖を感じた、それに屈したというのを許せなかった為に、その事実そのものを消し去る。そんな短絡的な行動をする奴にも見える。
だが、疑問も残る。
あの程度の男が兵士を率いて夜襲を仕掛けてくるにしても、念動力が俺に対して危機を伝える程のものか?
どう考えても、鎧袖一触状態にされるとしか思えないんだが。
ピニャやレオンなら危ないかもしれないが、レオンの部下2人は一応銃器を持っている。その時点でこの世界の住人が敵ではないというのは、それこそ昨日のアウルの決闘で明らかだろう。
「いや、それはないだろうな。あの程度の奴が襲ってきたとしても、何ら危機は存在しない。全く別の何か……」
そう呟いた時だった。
ドクンッ、と再び念動力が危機を知らせる。
何だ!? いや……来る!
「気をつけろ、来るぞ!」
何があってもシェリルを守り切れるように抱きしめつつ叫んだその言葉に、咄嗟に反応したのはムウ。遅れて長年の戦闘経験を持つ高畑、シャドウミラーの実働班として俺の非常識な力を理解しているスティング、アウル。
そこから少し遅れてレオンが量産型Wに庇われ、部下2人もまたレオンの側へと向かう。
ピニャに関しては、共にいたメイドや執事、そして何よりも離宮の警護を担当している兵士が何が起こってもすぐに対応出来るように側に集まり……それは起きた。
突き上げるような衝撃。
浮遊感すら覚えるようなその強烈な縦揺れに、何が起きたのかを理解する。
「地震だ! 離宮からもっと離れろ!」
皇女の離宮として建てられたのだから、ちょっとやそっとで崩れたりはしないだろう。だが、それでもこの揺れの強さを考えれば安心は出来ない。
離宮から離れる俺とシェリルを見て、高畑もすぐにこれが地震だと理解したのだろう。近くにいたスティングとアウルを抱えてこちらへと移動してくる。
量産型Wがレオンを引き連れてその場から離れ、それを見ていた部下2人が同様にこちらへと移動してきた。
そう言えばフロンティア船団で移動していたんだから、地震を知らなくてもしょうがないのか? 一瞬そんな風に思うが、未だに動こうとしないピニャやメイド、執事達を見つけると反射的に叫ぶ。
「離宮が崩れる可能性がある!」
その言葉でようやく我に返ったのだろう。ピニャ達もこっちの方へと向かって移動する。
「地震を経験した事がないのか!?」
「地震!? 何だそれは!」
俺の問い掛けに、叫び返すピニャ。
余程に不安なのか、その表情には全く余裕がないまま、地震の揺れに怯えきっていた。
地震を知らない? もしかして門世界では地震というのが存在していないのか? あるいは帝国のあるこの地域では今まで地震がなかったのか……
そんな風に思っている間にも、やがて揺れは止まる。
「お、収まった……?」
「確かにな。だが、あれだけの地震だ。恐らく余震が来るぞ」
「余震? 詳しい話は分からないが、まだ揺れると?」
恐る恐るといった様子で尋ねてくるピニャに頷きを返す。
揺れの大きさを考えれば、かなりの確率で余震が発生する筈だ。
「では……っ!? そうだ、父上! 皇帝陛下にお知らせせねば! 着替えを持て、すぐに皇宮へ参るぞ!」
「そうか、なら俺達は暫くこの場で待機してよう。いや、いっそアルヌスの丘まで戻るか?」
そう告げると、何故かピニャが顔を引き攣らせてこちらへと視線を向けてくる。
「アクセル殿、一緒に来てはくれないのか?」
「……いや、普通に無理だろ。お前の父親ってことは、モルトだろ? ホワイトスターに攻め込んだ張本人の下へ向かえと? それこそ地震云々の前に……」
殺してしまうぞ?
最後まで言わせず、1歩前に踏み出したのはレオンだ。
「いいのではないでしょうか? このような夜中にピニャ殿下のようなうら若き女性を放り出すのも何かと人聞きが悪いですし」
「……」
まさか本気で言っている訳ではないだろう。恐らく何か考えがあるんだろうが……
周囲に視線を向けると、ムウと高畑はレオンに賛成、それ以外は俺に任せるといった視線を返してくる。
「分かったよ」
何を考えているのかは分からないが、レオンの行動は間違いなくシャドウミラーの為のものだ。何しろ、鵬法璽で縛られているのだから。
こうして、俺達はピニャに導かれるままに城へと向かう。
この時は、取りあえずレオンに任せておけばどうとでもなるだろうという判断をしたのだ。事実、それは間違っていなかったのだろう。
「……アクセル、代表?」
謁見の間にいた、首輪で鎖に繋がれている女の1人が、俺を見てそう告げるまでは。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:290
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1167
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