リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第百三十八話 バルバモン
前書き
ようやくバルバモンを追い詰める大輔達。
大輔達は翌日ゲンナイからD-ターミナルに送られてきたマップを頼りにバルバモンの本拠地、闇の要塞に辿り着いた。
そこからは異様な威圧感が張り巡らされている。
マグナモン[ここは“闇の大地”と呼ばれている場所だ]
賢「闇の大地?」
ベルゼブモン[そうだな。デジタルワールドで“世界の果て”、“最後の秘境”とも呼ばれ、生物が一匹もいないと言われる場所。近づいた者は誰も帰ってこないって言われる場所さ]
建物を見た瞬間、大輔はこのエリア全体に漲っている殺気に気づいた。
ルカ「確かにこれは闇の大地の名に相応しいですね。」
凄まじい殺気に普段も冷静なルカですら手に冷や汗をかいている。
大輔「よし、皆。こっから先は生半可な実力じゃあ挑めない。」
アリサ「分かってるわ」
大輔「だからな。今回は少数精鋭。この中で俺を含めた五人で行くことにする」
ギンガ「たった五人だけ?」
ユーノ「成る程、大人数だと目立って動きにくいですしね」
確かに五人なら多すぎず、少なすぎずでいいかもしれない。
大輔「メンバーは俺、フェイト、賢、ルカ、スバルの五人」
スバル「え?」
ティアナ「スバルが?」
はやて「ちょ、ちょいと。スバルはいくら何でも危なすぎるんやないか?」
大輔「大丈夫だはやて。考えてもみろよ。こいつは今より前から俺達と対等に戦ってきた。デジタルダンジョンでの特訓でこの子の素質が開花し始めて来たんだ。はっきり言って、この子がマジになったらどれだけの底力を発揮するのか…ちょっと見当がつかねえ」
スバル「わ、私がルカ兄達と?」
大輔「ああ、お前なら必ず何とかなると信じてるんだ。勿論嫌なら嫌って言ってくれ。俺はリーダーだけど、皆の意見も尊重してえ」
ルカ「スバル。選ぶのは君自身です」
スバル「う…うん。行くよ。連れてって!!」
大輔「よく言ったなスバル。」
フェイト「それじゅあ、私、大輔、賢、ルカ、スバルの五人メンバーで」
ルカ「はい。行きましょうスバル」
スバル「うん」
五人が要塞に突撃する。
そして残されたメンバーは、後ろを見遣る。
アリサ「あらあら。随分と盛大なご歓迎ね?」
後ろにはコピーデジモン達がアリサ達を睨んでいた。
ユーノ「さて、残された僕達に出来ることは?」
なのは「大輔さん達がベストの状態でバルバモンと戦えるようにすること。」
エア[ふふふ……コピーデジモンの百だろうが千だろうが…]
グランス[千どころか万を超えるね]
エア[へ?嘘だろ?
( ゜д゜)
(つд⊂)ゴシゴシ
(’゜д゜)
(つд⊂)ゴシゴシゴシゴシ
(;゜д゜)
(つд⊂)ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
∑(; Д )°°
んなああああ!!?マジでか!!?]
ティアナ「ツッコミ遅いよ」
思わずティアナがエアにツッコミを入れる。
なのは「皆!!行くよ!!」
全員【了解!!】
そして要塞内部に突入した大輔達はバルバモンを探して走り回る。
途中のコピーデジモンは一撃で倒しながら先へと進む。
一方でヴィータ達は八神家ではやて達を待っていた。
ヴィータ「はやて達大丈夫かな?」
シグナム「大丈夫だと信じるしかあるまい」
ヴィータ「私も一緒に行けばよかったな。」
シグナム「ヴィータ…」
ヴィータ「帰って来いよみんな…こんな時に何も出来ないなんて胸が痛いぜ」
シグナム「胸が…?そうか、とうとうヴィータにも成長期が来たのだな。おめでとう」
シグナムの目線はヴィータの…。
ヴィータ「よーし、シグナム喧嘩だ!!表出ろ!!」
こめかみに青筋を浮かべたヴィータがシグナムを指差す。
こうしてヴィータとシグナムの喧嘩が勃発する。
長い通路を抜けて開けた部屋に辿り着いた大輔達。
大輔達は辺りを見回す。
大輔「ここにいるのは分かってんだぜ?とっとと出て来やがれ!!」
バルバモン[ふふふふ…よく来た…選ばれし子供達よ。褒めてやろう。しかし、力を持つ選ばれし子供達が雁首揃えてやってくるとは。所詮は浅はかな子供か]
ルカ「何だって?」
バルバモン[儂が遥か昔、選ばれし子供達に受けた屈辱。たっぷりと貴様らに味あわせてやるぞ…]
賢「ふん。出来る物ならやってみろ」
ルカ「それにしても、僕達の前に選ばれし子供がいたとは意外…いえ、伝説として残っていたことを考えれば不思議ではありませんね」
フレイモン[それより今すぐウェザーアナライズシステムとコピーデジモンの生産を止めろ!!]
バルバモン[断る!!選ばれし子供への復讐が我が望み。異世界がどうなろうと知ったことか!!]
ブイモン[一体お前はどうしてそこまで選ばれし子供を怨むんだ。]
バルバモン[…いいだろう。教えてやる…今から随分遠い昔のことだ…儂はデジタルワールドの支配の志半ばで選ばれし子供とそのパートナーデジモンに殺されてしまったのじゃ。あの時は始まりの町など存在せず、私は完全に消滅した。だが肉体を失ったとしても儂は怨念となってデジタルワールドを漂い続けた。暗黒の力で肉体を不完全な状態ではあったが、手に入れ、闇の書の魔力を蒐集する能力を使って完全な形で蘇ったのじゃ]
大輔「成る程。つまりお前もアポカリモンみたいなデジモンなわけか」
バルバモン[アポカリモンか。私の最高傑作をよくも浄化してくれたものだな]
アグモンX[最高傑作?]
スバル「どういうこと?」
バルバモン[簡単なことだ。アポカリモンは儂が選ばれし子供達への復讐のために造り出した生体兵器なのだからな]
チビモン[兵器?あんな…あんな可哀相なデジモンが兵器だって言うの?]
バルバモン[儂が造った物をどう扱おうと勝手だろう]
嘲笑うバルバモンにブイモン達は静かに怒りを爆発させた。
ブイモン[どうやら神経まで腐ってしまったようだな。一気に叩き潰してやろう]
バルバモン[ふふふ…夢にまで見た選ばれし子供達への復讐の時が来たのだ…永かったぞ…]
言い切るのと同時にバルバモンがブイモン達に向かってくる。
ブイモン[舐めんな!!]
アグモンX[でやああああ!!]
ブイモン、アグモンX、ワームモン、チビモン、フレイモンがバルバモンに至近距離で技を繰り出そうとするが、バルバモンが障壁を張り、ブイモン達を弾き飛ばした。
全員【うわああああ!!?】
弾き飛ばされたブイモン達は即座に体勢を立て直す。
バルバモン[お前達のパワーではこの障壁を破ることは不可能だ。貴様らも儂の道具にしてやる。パンデモニウムロスト!!]
バルバモンの必殺技がブイモン達に向けて放たれた。
ブイモン[くっ!!]
ブイモンは即座に回避し、ワームモン、フレイモン、アグモンXがバルバモンに必殺技を繰り出すが、成長期の攻撃で破れるような物ではない。
ブイモン[確かに志半ばで倒れたお前の気持ちは分からなくないけど、だからって、リインフォースやアポカリモン…何の関係もない奴まで巻き込むんじゃねえよ!!ブイモンパンチ!!]
ブイモンの拳はバルバモンの障壁によって遮られる。
バルバモン[やかましい。選ばれし子供の飼い犬が偉そうなことを言うな。選ばれし子供達に復讐するためにどれだけの犠牲が生まれようと儂の知ったことではない]
ブイモン[何?]
バルバモン[選ばれし子供達に復讐するためならどんな手段でも取るのだ。]
ブイモンはバルバモンの言葉に歯軋りしながら距離を取った。
ブイモン[ふざけるなよクソジジイ!!お前の逆恨みに付き合ってられるかーっ!!]
怒りでマグナモンに進化する。
周りを見遣ると全員が究極体に進化していた。
バルバモン[ふん。究極体に進化したところで所詮雑魚は雑魚なのだ。]
余裕でマグナモン達の突撃を嘲笑うバルバモン。
マグナモン[喰らえ!!]
バルバモン[ぐおっ!?]
マグナモンの拳は障壁を貫き、バルバモンに直撃する。
アルダモン[でやああああ!!]
ベルゼブモン[くたばれえ!!]
アルダモンとベルゼブモンの蹴りがバルバモンに炸裂し。
アルフォースブイドラモン[喰らええええ!!]
ウォーグレイモンX[はああああ!!]
アルフォースブイドラモンとウォーグレイモンXの拳が炸裂する。
バルバモン[ヌオオオオオ!!!!?]
アルフォースブイドラモン、ベルゼブモン、ウォーグレイモンX、アルダモンは反撃すら許さず、攻撃を喰らわせ続ける。
マグナモン[皆下がれ!!エクストリーム・ジハード!!]
鎧から閃光を放ち、バルバモンのオーラを吹き飛ばす。
バルバモン[お、己、選ばれし子供の飼い犬めええ…!!]
ベルゼブモン[地獄へ失せろ!!]
ベルゼブモンの特大の闘気拳が炸裂し、バルバモンはそれに呑まれた。
バルバモン[ぐあああああ!!!!選ばれし子供め!!選ばれし子供めええええええ!!!!!!!!!!]
直撃を受けたバルバモンは床に墜落した。
マグナモン[終わりだな]
バルバモン[くっ…ふははは…]
アルフォースブイドラモン[何がおかしい?]
バルバモン[こ、こんな最悪の時に備えて…奴を復活させておいてよかった…破壊神を復活させたぞ…キメラモンカオスをな!!]
全員【何!!?】
バルバモンがリモコンを操作すると巨大なカプセルが現れた。
その中には…。
全員【キメラモンカオス!!?】
最強最悪の破壊神、キメラモンカオスが存在していた。
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