自分の力で
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第九章
「本当に見事だよ」
「有り難う、そう言ってくれるのね」
「僕も負けていられないな、そのソフィアに相応しい様に」
是非にというのだ。
「立派にならないとな」
「ジョアンはもっと静かになってくれればいいから」
「それだけでいいのかい?」
「そう、私のことをいつも気にかけてくれるのはいいけれど」
それでもだというのだ。
「もっとね」
「落ち着いて欲しいんだね、僕に」
「これからもそうしてね」
これがソフィアのジョアンへの想いだった、そしてだった。
ソフィアはジョアンにその左手をそっと差し出した、ジョアンもその手を丁寧な仕草で受け取った。そのうえで二人で笑顔を交えさせるのだった。
自分の力で 完
2014・10・20
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