詩集「棘」
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朧月夜
浅い眠りから目覚め
夕の帳に身を置いた
幽かな明かりに心揺らぎ
途惑いながら想い抱きしめ
全ての哲学を以てしても
知られざる真実があるのなら
この愛をどう証明すべき…?
朧月夜に舞い散る桜
魂を売り渡しても欲しいもの一つ
奇蹟などないこの世界
諦め切れず 想いは巡り…
誰の呼び声もなく
夕闇に手を翳す
藍色の空に鳥が鳴き
己が運命 心引き裂く
全ての倫理を犯してでも
手にしたい願望(ネガイ)があるのなら
この身を賭して証明すべき…?
朧月夜に舞い上がる風
世界を裏切っても欲しいもの一つ
祈り届かぬこの人生
愛しき幻(カゲ)を 抱きて巡る…
所詮はただの人形(ヒトガタ)
意味のないこの身がなぜ
唯一の愛…欲しがるのか…?
朧月夜に舞い散る桜
ありもしない幻想を見続ける
散り逝く桜に欠けゆく魂(ココロ)
諦め切れず 想いは巡る…
君だけいれば…それでいい…
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