ガンダムビルドファイターズ ~try hope~
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その先にある場所へと 後編
「ふぅ…。これで合宿も終わりか。にしても嫌というほどバトルをしたな」
「まあ主にヒロヤだけどね。結局私達はここでバトルして、一回も勝てなかったけど」
「……俺本気でやっても、一度もユウに勝てなかったわ…」
「あれヒロヤ君?君そんなに弱かって痛い痛い痛い!!ギブ!!!ギブですヒロヤ君!! 」
腹立つので、トウイに腕十字固めを放った。はいワ~ン!トゥ~!スリ~!フォ~!
「ヒロヤ君!カウントしなくていいから!腕!腕がーー!! 」
それだけ叫ぶと、自然と抵抗がなくなってきた。ようやく逝ったか…。今まで長かったな…。
「それでも!ってグハァァ!! 」
トウイが起き上がってきた直後に蹴りを放つと、見事頭部にクリーンヒットした。ふっ…。もう展開は読めてきてるんだよこっちは。
「母さん……僕の………ピアノ……」
「ニコルーーーーー!!!! 」
トウイがそれだけ行って倒れると同時に、ユウが叫んだ。別に合わせなくてもいいんだぞ?
「さて、では皆のもの。バスに乗り込もうか」
「というわけだ。遊びは終わりにしろよ」
「「「はーい」」」
「「「わかりました」」」
ラルさんとムウさんに言われ、バスに乗り込むとすぐに出発しだした。
ーーー--
「うぷっ……」
「吐くなよ。絶っっ対に吐くなよ」
「ミサキちゃんポッキーいる? 」
「じゃあ貰う………」
「あっ。私もいい? 」
「いいよー!はい! 」
「ははっ。最初の方と比べて随分賑やかになったものだな」
「本当にそうですねラル大尉。まあ仲が良いのはいいことです」
「ただ単に騒がしいだけですよ。お二人共」
バスの中はただいまお祭り騒ぎになっており、シノは隣に来てユウとモチヅキはお菓子を食べ合い、トウイはバス酔いに苦戦し、ラルさんとムウさんとヒナタは喋っている。
俺はトウイに吐くなと命令した後暇になったので、頬杖をつきながら窓から外を見る。
「……これはあれだな。俺だけ気まずいな」
となるとどうするか。俺も話に混ざるか?でも隣はもはや女子会だし、ムウさん達はガンダムの話をしていて分からないし、トウイは既に瀕死状態で言葉を話す余裕もないらしいし…。
「残された手段は…………寝るか」
決めたらすぐに目を閉じ眠りの姿勢をとると、思いの外早く寝れた。
ーーー--
「……ん?静かだな…」
目を覚まして回りを見ると、皆眠りについていた。そりゃ静かなわけだわ。
「さて、俺もそろそろ耐性が出来てきたのかな?肩にシノが寄りかかって寝ていても驚かなくなった」
まあこれぐらいはさすがによくある事だよな。電車に乗って座っていたら、隣の人が寝て寄りかかってきたのと同じ事だなうん。
パシャ!
突如シャッター音
が鳴り、音源の方を見るとスマホを構えていたトウイがいた。
お前瀕死状態じゃなかったのか?なんで今平然としてんだよ?
「いや。それよりもそれ寄越せ。ぶっ壊すから」
「ぶっ壊すと言われて渡す人間がこの世にいると思う?残念ながら渡しませんよええ。ちなみに僕は十回に一回は酔わない時があるんだよ。君が寝ている間にサービスエリアに寄って、またバスに乗って、その一回がきたんだよ」
「そうか、まあいい。とにかくお前をぶっ飛ばせ済むは「それは違うよ」…はっ? 」
回りが寝ているのか、トウイが小さくネットリと言ってきた。今度はそっちかよ…。
「ヒロヤ君。今は動かない方がいいよ。起こしちゃうし」
トウイが右肩の方を指差しながら言い、そこにはシノが寄りかかって寝ていた。そういえば寝ていたな。
「………ちっ。後で消せよそれ」
「ヒューヒュー………」
口笛できてないぞ。てか消せよなマジで。そうこうしていると、バスは聖鳳学園に近づいてきた。
そうして合宿は終わり、後は全国大会に向けてやれることを全てやるだけになった。
ーーー--
~余談~
あの後聖鳳学園に着いてすぐにユウ達と別れ、電車に乗って天之川学園に帰った。
「……トウイ。これはどういうこと? 」
帰ってすぐにシノがスマホを持って震えている。心無しか赤くなっている気もするが…。
「Present for you。気にせず受け取ってね」
発音いいなお前。てか何送ったんだよ?
「それは気にしなくていいよ鈍感」
「誰が鈍感だボケ。殺すぞ? 」
「わー逃げろー」
そういうと逃げ出したので、取っ捕まえるために追いかけた。絶対に吐かせてやる!
「………ラインの待ち受けにしよ…」
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